王様のナミダ

白雨あめ

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思い込みほど恐ろしいものはない2

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「さ、......さっ、桜庭さまっ!?」

「桜庭、副委員長っ。」

「しのっ!!」



「......あ、うん。」


目を真ん丸くして、こちらを見上げてくる三人に何とも言えない気持ちになる。

ほっぺは相変わらず痛いし、未だに拳を握ったままの転校生は少し怖い。

「し、しの! なんでここにっ、」

俺の制服を掴み、大きく揺さぶってくる転校生に身体がぐらつく。顔を殴られたのが原因か、頭もがんがんと痛くなってきた。

「あ、ちょっと落ち着いて。とりあえず服離してくれるかな。頭がいたくて。」

「あ、ごめん!!」

そう言って制服から手を離し、3歩ほど下がった転校生に一先ず安堵する。

「えっとね、......さっき君たちがここに入っていくのが見えたから。体育館裏なんて、告白かワルイことかどっちかでしょ。俺、一応風紀委員だし。まぁ、」

そこで、運悪く親衛隊の子と視線が交わる。
みるみる顔を青くしていく二人に、俺の方がワルイことをしている気分になってしまう。
愛先輩、とまではいかなくても二人とも普通に美少女にみえるし。

「えっと、俺も見ちゃったからこのままなしにはできないんだ。風紀室までついてきてもらえるかな?」

「あっ、はいっ! 行きます、いきます!」

「ぼ、僕もいきます!」


眉をへの字に曲げながら、首をぶんぶんと振り頷く二人にほっと息をはく。


断られたらどうしようかと思った。
このほっぺも役にたったのかもしれない。
そして問題は、

「......君も一緒にきてくれるかな。事情も聞かなきゃいけないし。」

「はぁ!? なんでだよっ。意味わかんねぇ!! こいつらが突っかかってきたんだぞ! 俺は悪くない!」

「いや、まぁそうかもしれないけど。規則だから、」

「俺はいかない!!」

やはり。怒ったような表情でこちらに詰めよってくる転校生に、些かうんざりしてしてまう。

転校生が自分たちを殴ろうとしたことを思い出したのか、怯えるように身を小さくした二人を背中の後ろへ隠す。

「俺は絶対いかないからなっ!!」

「でも君、殴ろうとしたでしょ。先に言ってきたのは彼らかもしれないけど、殴ろうとしたのはいけないよ。」

「でも俺はっ!」

「別に罰則があるわけじゃないから。君は被害者だし。ちょっと一緒に来てほしいだけで、」

「いかない!! だいたい、アイツらが変なこと言ったのがいけないんだろ! り、理巧が迷惑してるとかっ。そんな訳ないのにっ!」

足で地面をどんどん踏み鳴らしながら会長の名前を叫ぶ転校生に、だんだんと気持ちが冷めていくのがわかる。
今まで押さえつけていた、嫌な気持ちも一緒に出てきそうで。

胸が痛い。心臓のあたりをぎゅっと握る。


あぁ、いやだ。

ほんとにいやだ。


目の前の転校生を見る。


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