王様のナミダ

白雨あめ

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王様の涙4

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「ひっひっひっ。ついにとれたぜ、腐の財産っ! 1週間の張り込みもこの日のためっ! 僕がんばった!」

「ちょっとまってよぉ。俺もがんばったよねー。俺の声マネ、ちょーうまかったでしょぉ。」

「おーそうだなっ! 君もがんばった! さすが俺達、フ・ダ・ン・シ・チーム!!」

「「いえーい。」」




「いえーい、じゃないよね。」




「うわっ!?」

「げぇ。」


木々に囲まれた茂みの後ろ。

酷く聞き覚えのある声と、語尾をのばして話す独特な口調。
まさかとは思っていたけど、


「悠。」

「神崎。......てめぇ。」

そこでは生徒会書記と、生徒会会計が仲良く鼻血を垂らしていて。

「こんなところで何してるわけ?」

「え、いやいやいや! 僕たち決して怪しいものじゃ!! 僕たち恋のキューピットだよ!」

「何が恋のキューピットなわけ? 俺の言葉にかぶせて、会長に告白したくせに。」

「だから桜庭くんの声にそっくりだったでしょ! 会長も気づいてないよっ。ね、会長?」

首を傾げて会長を見る悠は、意外とこの状況にテンパっているらしい。普段なら犯さない大きなミスをおかしている。

「犬飼。お前がそんなやつだったとは初めて知った。なんだそのナリは。ふざけてんのか。」

「え、あ、いや! ふざけてないです! 尚もなんか言って!」

「えー、俺ぇ。しらないー。」

「なんだって!?」

「ていうかこれ、悠がムリヤリさそってきたしぃ。」

「なおっ!?」

頬を引っ張るように掴んで、絶望の声をあげる悠にため息しかでない。

悠が......俺の母さんと同じような趣味をもっていたのは知っていたけれどまさか生徒会の会計までとは。
仲がいいなぁー、とずっと思っていた二人に、まさかの共通点。

「はあ。」

なんだか、......なんでだろう。
肩の力がしゅるしゅると抜けていく。

「あ、おい。桜庭?」

「ぁ、うん。だいじょ............、ぅわっ!」

声につられて横を向いた先。予想以上に至近距離にある綺麗な顔に慌てて飛び退く。

途端。
不満そうな表情をつくりこちらを見てくる会長に、なんだか居たたまれない気持ち。

「いや、え。いやー、ちょっと。」

つい先ほど、会長から貰った言葉の数々を思い出してますます会長の顔が見れない。

それに。
目だけをちらり会長の方へと向けてみる。

こちらを見て不思議そうな表情を浮かべる会長を映したのは一瞬で、自然と視線が吸い寄せられる先。
それは、先ほど触れあったばかりの唇で。

「うぅーー。」

悠たちの出来事でほんの一瞬忘れていたけど、あれはたぶん夢でも幻でもなく。

会長とき、きっキスをしてしまったのは本当で。

今ごろになって、ことの重大さに頬があつい。
なぜか、俺一人こんなに慌てて恥ずかしい。

と。

「はい、はい、はーい。そんなに二人で見つめ合わなくてもいいから。愛のアイコンタクトは後にしてくれませんー?」

「え? なに、愛のアイコンタクトって。」

意味がわからないんだけど。

「......ねぇ。それぜんぜん面白くないよぉー。............なんか、さむい。」

「もぉ!! さっきからなんなの、尚! 君は僕の敵なのっ! 味方なの!?」

「そうだねぇ。しいていうなら、」

「「俺達、愛のフ・ダ・ン・シ・チーム!! いえーい!!」」



「............。」

「お前らうるせぇ。」



うん。ほんとにうるさい。


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