王様のナミダ

白雨あめ

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その扉の先は

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「じゃ、俺は理事長室いってくるわ。こっちはよろしくな、尚。」

手をひらひらと振りながら、歩いていく理事長の後ろ姿を見送る。

会計と理事長が、まさか甥っ子と叔父の関係だったとは思いもしなかったけれど、じかに理事長を見た今、会計と似ていると言われれば似ているような気がしないでもない。


「よーし。じゃぁ、いこっかぁ。みんな、たぶんもう来てると思うしぃ。」


会計の一言で、生徒会室から出ようとドアを開けた瞬間。
その向こうから、


「りくーっ!!」

純粋な笑顔を振り撒き駆けてくる彼に、また嫌な自分が顔をだす。


「りくっ!! 一体どこにいたんだよっ。昨日あれからずっとさがしてたんだぞ!」

俺と会長の間に入りこみ、会長の腕をぐわんぐわんと左右に振る転校生に、身体が重くなるのを感じる。

ほぼ反射的に会長の横顔を盗み見れば、そこにあったのはいつも通りの冷静な表情で。


「、」


つい先ほどしたばかりのやりとりはまだ記憶に新しい。
会長が俺に嘘をついているなんて思わないけれど。会長は、会長は、彼は。



転校生じゃなくて、ーー俺を好きだと言ってくれたから。



だけど、そう簡単に割り切れるものでもなくて。

やっぱり嫌なんだ。

思わず会長の袖をつかんでしまう。

俺が会長を思うのと同じ思いで、彼も。彼も、会長を思っているのが分かるから。



「りくっ! りくっ!」


それでも、


「りく! どうしたんだよっ!! なんか、へん」


「太陽くん。」


「......うん?」



それでもーー。



「太陽くん。会長から離れてくれないかな。」




会長のことが好きだから。


俺だって、誰より会長のことが好きだから。



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