50 / 57
その扉の先は3
しおりを挟む
悠の不気味な笑顔から視線をそらし、太陽くんを見る。
太陽くんの目に俺は映らない。
彼は、会長を見ているから。
「り、りくっ! これが俺のほんとの姿なんだ!! 今まで隠しててごめんっ。でもおれっ。ほんとにりくが好きだから!」
黒いウィッグと、分厚い眼鏡。
黒のカラーコンタクトが涙とながれていた。
太陽くんは、もう別人にしか見えない。
「俺、りくが好きなんだ!! だからりくも俺のことっ!!」
少しの不安と、少しの自信が混じった言葉に、会長は小さく眉をしかめる。
「何を勘違いしてんのかしらねぇが、俺はお前のことなんて好きじゃねぇ。」
「ぇ、なっ......!」
「俺が好きなのは、」
ーー瞬間。
重なる視線に、手をぎゅと握られる。
「俺が好きなのは、こいつだ。」
ほんのり赤く染まった頬に、言い様のない愛しさが募る。
「え、な、何言ってるんだよ! りくが好きなのは俺だろ!!」
目に見えて動揺する太陽くんに、俺の手を握る力を強く会長。
「なんでだよ!? 俺、りくのことが好きなのに!! なんでりくは俺のことっ」
「......太陽。」
理解できないとばかりに頭を抱える太陽くんの腕を掴んだのは、今まで空気とばかりに存在感を消していた副会長で。
あれ、副会長いままでどこにいたんだろう。
太陽くんと会長のことばっかりで、副会長のことを忘れていた。
「太陽。聞いたでしょう? 会長はあなたを好きではないんです。」
「そんなわけない!! だって! 俺が好きなんだっ。俺が好きものは、俺のことも好きに」
「太陽っ!」
「......っ、」
副会長は本物の笑顔を消して、太陽くんを見る。
太陽くんに対して、あんなに鋭い声を出す副会長を見るのは初めてかもしれない。
「で、でもっ。俺はっ......!」
「聞き分けなさい。」
ぴしゃり、と。それでいて優しく。
うずくまる太陽くんの髪をすく副会長は、今まで見てきたなかで一番優しくみえた。
だけど、俺にはそれよりも。
あの太陽くんが、あんなに落ちこんでいるのが酷く気になって。
太陽くんが、完全に顔を伏せたのと同時。立ち上がった副会長は、その顔を少ししかめて俺たちの後ろ。悠たちへと視線を......、
............ん、あれ。悠がいない。
「神崎くん。そういうことですので。太陽は私がしっかり監視します。」
え、監視?
副会長からいきなり出てきた不穏な言葉に、急ぎ副会長を伺う。
「んー、まぁそれならそれでいいんだけどねぇ。どっちみち、副会長が面倒みてくれないとぉー、その転校生退学になっちゃうしぃ。」
その言葉を、なんとも思っていないように話す会計に思わず息が漏れた。
太陽くんの目に俺は映らない。
彼は、会長を見ているから。
「り、りくっ! これが俺のほんとの姿なんだ!! 今まで隠しててごめんっ。でもおれっ。ほんとにりくが好きだから!」
黒いウィッグと、分厚い眼鏡。
黒のカラーコンタクトが涙とながれていた。
太陽くんは、もう別人にしか見えない。
「俺、りくが好きなんだ!! だからりくも俺のことっ!!」
少しの不安と、少しの自信が混じった言葉に、会長は小さく眉をしかめる。
「何を勘違いしてんのかしらねぇが、俺はお前のことなんて好きじゃねぇ。」
「ぇ、なっ......!」
「俺が好きなのは、」
ーー瞬間。
重なる視線に、手をぎゅと握られる。
「俺が好きなのは、こいつだ。」
ほんのり赤く染まった頬に、言い様のない愛しさが募る。
「え、な、何言ってるんだよ! りくが好きなのは俺だろ!!」
目に見えて動揺する太陽くんに、俺の手を握る力を強く会長。
「なんでだよ!? 俺、りくのことが好きなのに!! なんでりくは俺のことっ」
「......太陽。」
理解できないとばかりに頭を抱える太陽くんの腕を掴んだのは、今まで空気とばかりに存在感を消していた副会長で。
あれ、副会長いままでどこにいたんだろう。
太陽くんと会長のことばっかりで、副会長のことを忘れていた。
「太陽。聞いたでしょう? 会長はあなたを好きではないんです。」
「そんなわけない!! だって! 俺が好きなんだっ。俺が好きものは、俺のことも好きに」
「太陽っ!」
「......っ、」
副会長は本物の笑顔を消して、太陽くんを見る。
太陽くんに対して、あんなに鋭い声を出す副会長を見るのは初めてかもしれない。
「で、でもっ。俺はっ......!」
「聞き分けなさい。」
ぴしゃり、と。それでいて優しく。
うずくまる太陽くんの髪をすく副会長は、今まで見てきたなかで一番優しくみえた。
だけど、俺にはそれよりも。
あの太陽くんが、あんなに落ちこんでいるのが酷く気になって。
太陽くんが、完全に顔を伏せたのと同時。立ち上がった副会長は、その顔を少ししかめて俺たちの後ろ。悠たちへと視線を......、
............ん、あれ。悠がいない。
「神崎くん。そういうことですので。太陽は私がしっかり監視します。」
え、監視?
副会長からいきなり出てきた不穏な言葉に、急ぎ副会長を伺う。
「んー、まぁそれならそれでいいんだけどねぇ。どっちみち、副会長が面倒みてくれないとぉー、その転校生退学になっちゃうしぃ。」
その言葉を、なんとも思っていないように話す会計に思わず息が漏れた。
24
あなたにおすすめの小説
【完結済】俺のモノだと言わない彼氏
竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?!
■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
【完結】君を上手に振る方法
社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」
「………はいっ?」
ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。
スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。
お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが――
「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」
偽物の恋人から始まった不思議な関係。
デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。
この関係って、一体なに?
「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」
年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。
✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語
好きな人がカッコ良すぎて俺はそろそろ天に召されるかもしれない
豆ちよこ
BL
男子校に通う棚橋学斗にはとってもとっても気になる人がいた。同じクラスの葛西宏樹。
とにかく目を惹く葛西は超絶カッコいいんだ!
神様のご褒美か、はたまた気紛れかは知らないけど、隣同士の席になっちゃったからもう大変。ついつい気になってチラチラと見てしまう。
そんな学斗に、葛西もどうやら気付いているようで……。
□チャラ王子攻め
□天然おとぼけ受け
□ほのぼのスクールBL
タイトル前に◆◇のマークが付いてるものは、飛ばし読みしても問題ありません。
◆…葛西視点
◇…てっちゃん視点
pixivで連載中の私のお気に入りCPを、アルファさんのフォントで読みたくてお引越しさせました。
所々修正と大幅な加筆を加えながら、少しづつ公開していこうと思います。転載…、というより筋書きが同じの、新しいお話になってしまったかも。支部はプロット、こちらが本編と捉えて頂けたら良いかと思います。
血のつながらない弟に誘惑されてしまいました。【完結】
まつも☆きらら
BL
突然できたかわいい弟。素直でおとなしくてすぐに仲良くなったけれど、むじゃきなその弟には実は人には言えない秘密があった。ある夜、俺のベッドに潜り込んできた弟は信じられない告白をする。
【完結】口遊むのはいつもブルージー 〜双子の兄に惚れている後輩から、弟の俺が迫られています〜
星寝むぎ
BL
お気に入りやハートを押してくださって本当にありがとうございます! 心から嬉しいです( ; ; )
――ただ幸せを願うことが美しい愛なら、これはみっともない恋だ――
“隠しごとありの年下イケメン攻め×双子の兄に劣等感を持つ年上受け”
音楽が好きで、SNSにひっそりと歌ってみた動画を投稿している桃輔。ある日、新入生から唐突な告白を受ける。学校説明会の時に一目惚れされたらしいが、出席した覚えはない。なるほど双子の兄のことか。人違いだと一蹴したが、その新入生・瀬名はめげずに毎日桃輔の元へやってくる。
イタズラ心で兄のことを隠した桃輔は、次第に瀬名と過ごす時間が楽しくなっていく――
三ヶ月だけの恋人
perari
BL
仁野(にの)は人違いで殴ってしまった。
殴った相手は――学年の先輩で、学内で知らぬ者はいない医学部の天才。
しかも、ずっと密かに想いを寄せていた松田(まつだ)先輩だった。
罪悪感にかられた仁野は、謝罪の気持ちとして松田の提案を受け入れた。
それは「三ヶ月だけ恋人として付き合う」という、まさかの提案だった――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる