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10 破滅の前の静けさ
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一方、サポートキャラのリリアナはといえば
相変わらずジェイド様と生徒会室で昼食を共にしている。変わったことといえば時々マリエッタ様、殿下の側近であり攻略対象者のマイケル様が加わったことだろう。
護衛のカイル様は殿下についているのでほとんど来られない。
来るのは殿下がヒロインと2人っきりになりたい時だけ邪魔者扱いされた時だ。それも最近では頻度が高くなってきている。
まあ私はジェイド様と2人っきりでいたのを見られて苦し紛れに生徒会に誘われていたと言い、渋々生徒会に入ったのだ。だからお昼休みに生徒会室にいても何も問題はない。
渋々入った生徒会だが、生徒会メンバーは学年も家格も上の方々だが、優しく接してくれる。
「リリィ、ヒロインは明日の卒業式の事を何か言っていましたか?」
そう、もう一つ変わったのはジェイド様の態度。リリアナ嬢からいつの間にかリリアナと呼び捨てになった。まあ、相手は侯爵子息だし、気にしていなかった。
放っておいたらそのうち、リリィとなった。愛称は家族や恋人、婚約者など親しい人しか呼ばないものなのだが、わかっているのだろうか?一度それとなく忠告したが、仲が良かったら愛称で呼ぶだろう。私にリリィと呼ばれるのは嫌か?ダメなのか?仲が良いと思っていたのは私だけなのか?と言われてしまいダメです。とは言えなくなってしまった。
ジェイド様の距離感が近いのと頭を撫でたりのスキンシップが多いのが気になったが、妹感覚か、身分を気にせず気を許してくれているのだろうと気にしない事にした。
マリエッタ様も私の事をリリアナと呼んで姉妹のように仲良くしてくださっている。決してヒロインの言うような意地悪な人ではない。私も姉のように慕っている。
マキナイル家は侯爵なのにどなたにも気安くしてくださるフレンドリーな家風なのね。と言うと生徒会の人達がたまに可哀想な人を見る目で私を見ているがなぜだろう?
他の生徒会メンバーは私を頑なに呼び捨てにしていない。一度カイル様が「リリアナちゃん」と呼んだが、何故かジェイド様の方を見て顔色を悪くし「ご、ごめん。もう呼ばないよ。」と言われた。
そうそう、ヒロインの動向ね。
「明日の卒業式後パーティー開始前に婚約破棄を宣言すると言っていました。なんでも、憂いなくパーティーを楽しみたいからだそうです。
マリエッタ様の処遇は取り巻きを使ったイジメだそうで、婚約破棄と侯爵家からの追放らしいです。
殿下は側近候補の御三方も解任されるそうです。なんでもヒロインに色目を使っているという理由で。
なので婚約破棄宣言をしてその場で婚約を発表することも視野に入れているそうです。
勿論殿下のエスコートの相手はヒロインです。パーティードレスとアクセサリーは殿下から贈られたそうです。ドレスの色はパステルピンクで、アクセサリーはピンクダイヤモンドです。見せられましたがかなり高価な物でした。」
「マリエッタ。殿下からドレスやアクセサリーは勿論贈られてきただろうね?」
ジェイド様がごく自然に訊かれたが、声は低かった。それに対しマリエッタ様は淡々とお応えになられた。
「いいえ、何も贈られてきておりません。なので侯爵家で全て用意しました。色は予めリリアナに聞いていたのでパステルピンクは避けましたわ。勿論、殿下の衣装の色とも被らないようにしました。」
ジェイドはニヤリと黒い笑みを浮かべ
「殿下の私財ではヒロインにそれらを贈るのは到底無理だろうね。そのお金はどこから出てるのやら?」
ジェイドの言わんとしている事はここにいるメンバーはすぐわかった。
サリントン殿下の私財からではなく、王族として婚約者に贈る為のお金を使っているのだろう。
相変わらずジェイド様と生徒会室で昼食を共にしている。変わったことといえば時々マリエッタ様、殿下の側近であり攻略対象者のマイケル様が加わったことだろう。
護衛のカイル様は殿下についているのでほとんど来られない。
来るのは殿下がヒロインと2人っきりになりたい時だけ邪魔者扱いされた時だ。それも最近では頻度が高くなってきている。
まあ私はジェイド様と2人っきりでいたのを見られて苦し紛れに生徒会に誘われていたと言い、渋々生徒会に入ったのだ。だからお昼休みに生徒会室にいても何も問題はない。
渋々入った生徒会だが、生徒会メンバーは学年も家格も上の方々だが、優しく接してくれる。
「リリィ、ヒロインは明日の卒業式の事を何か言っていましたか?」
そう、もう一つ変わったのはジェイド様の態度。リリアナ嬢からいつの間にかリリアナと呼び捨てになった。まあ、相手は侯爵子息だし、気にしていなかった。
放っておいたらそのうち、リリィとなった。愛称は家族や恋人、婚約者など親しい人しか呼ばないものなのだが、わかっているのだろうか?一度それとなく忠告したが、仲が良かったら愛称で呼ぶだろう。私にリリィと呼ばれるのは嫌か?ダメなのか?仲が良いと思っていたのは私だけなのか?と言われてしまいダメです。とは言えなくなってしまった。
ジェイド様の距離感が近いのと頭を撫でたりのスキンシップが多いのが気になったが、妹感覚か、身分を気にせず気を許してくれているのだろうと気にしない事にした。
マリエッタ様も私の事をリリアナと呼んで姉妹のように仲良くしてくださっている。決してヒロインの言うような意地悪な人ではない。私も姉のように慕っている。
マキナイル家は侯爵なのにどなたにも気安くしてくださるフレンドリーな家風なのね。と言うと生徒会の人達がたまに可哀想な人を見る目で私を見ているがなぜだろう?
他の生徒会メンバーは私を頑なに呼び捨てにしていない。一度カイル様が「リリアナちゃん」と呼んだが、何故かジェイド様の方を見て顔色を悪くし「ご、ごめん。もう呼ばないよ。」と言われた。
そうそう、ヒロインの動向ね。
「明日の卒業式後パーティー開始前に婚約破棄を宣言すると言っていました。なんでも、憂いなくパーティーを楽しみたいからだそうです。
マリエッタ様の処遇は取り巻きを使ったイジメだそうで、婚約破棄と侯爵家からの追放らしいです。
殿下は側近候補の御三方も解任されるそうです。なんでもヒロインに色目を使っているという理由で。
なので婚約破棄宣言をしてその場で婚約を発表することも視野に入れているそうです。
勿論殿下のエスコートの相手はヒロインです。パーティードレスとアクセサリーは殿下から贈られたそうです。ドレスの色はパステルピンクで、アクセサリーはピンクダイヤモンドです。見せられましたがかなり高価な物でした。」
「マリエッタ。殿下からドレスやアクセサリーは勿論贈られてきただろうね?」
ジェイド様がごく自然に訊かれたが、声は低かった。それに対しマリエッタ様は淡々とお応えになられた。
「いいえ、何も贈られてきておりません。なので侯爵家で全て用意しました。色は予めリリアナに聞いていたのでパステルピンクは避けましたわ。勿論、殿下の衣装の色とも被らないようにしました。」
ジェイドはニヤリと黒い笑みを浮かべ
「殿下の私財ではヒロインにそれらを贈るのは到底無理だろうね。そのお金はどこから出てるのやら?」
ジェイドの言わんとしている事はここにいるメンバーはすぐわかった。
サリントン殿下の私財からではなく、王族として婚約者に贈る為のお金を使っているのだろう。
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