異世界に来たんだから自分の欲望に忠実に生きる!

修ですが

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32話 本性を現す

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 お待たせしましたとマチルダが俺を小屋に手招きする。

 「最近料理を作ってなくて手間取ってしまいましたが味には自信があります。」

 マチルダが照れたように話す。
 味には自信があるのか、塩味だよね?他に調味料がないし。只の塩味なのに味に自信があると…笑える。
 笑っては駄目だが笑えた。味が薄ければ塩を足して濃ければ食材を追加すれば味は調う。
 この娘は相当な腕前なのだろう、悪い意味で。天は二物を与えずと言う事か。

 テーブルに座り運ばれてきた物を見た時に俺の想像を越えた出来の物が現れた。

 「えっと、何これ?」

 今後の方針は褒めるで決まったはずなのだが思わず本音を漏らしてしまった。

 「お口に合うかどうか。」
 
 と、微笑む。素晴らしい笑顔なのだが今は邪悪に見えた。


 肉と野草とキノコと塩に水。材料はこれだけ。
 なのに出てきたのはイカ墨色の液体に何かが浮かんでいた。
 何かが肉なのかキノコなのかは解らないが真っ黒で炭のようだ。

 「冷めない内にどうぞ。」
 「私は味が心配だったので味見がてら先に頂きました。」

 やられた、冷静に考えればこの展開は読めたはずだ。時間が掛かり過ぎたと思ったがこれ程の物が出て来るとは。
 俯いていたのは落ち込んでいる訳ではなくてどうやって復讐してやろうか考えていたのか。恐ろしい女だ。
 どうする?美味しいと言ってやるのか?明らかにその発言は拙いだろう。

 俺の少ない脳ミソ達は警鐘を鳴らす。
 罠だ罠だと何も言うな!と。

 たとえ罠だと解っていても敢えて罠を破って診せると言う選択肢はこの場合も有効なのか。
 この得たいの知れない物の威力はどれ程のものなのか想像も出来ない。
 これを完食した後にお決まりの台詞を吐くのだろう。
 「沢山作り過ぎちゃった、てへ。」

 ここにある物よりも大量に作って在るのだろう。
 それ程まであの晩の俺の行為を恨んでいるのだろう。

 地獄だ、俺は悪夢を見ているのか夢なら早く覚めて欲しい。

 「どうしました?」

 「独創的な料理だね。」

 「母から教わった我が家の秘伝の味なんですよ。ふふ」

 最後のふふが怖いよ。

 食べなければ終わらない。
 食べたら命が終わるなんて事はないよね。『状態異常耐性』今こそ働いてくれよと頭の中で願う。

 不味そうに見えても味は美味いというミラクルは起こるのか。

 意を決してスプーンで口に運ぶ。
 

 「!!!!」

 奇跡、奇跡は滅多に起こりえないから奇跡と呼ぶ。が、俺は奇跡を願う。

 奇跡は起きなかった。味は見たままではなくもっと辛い物だった

 苦くて辛い。多分キノコと肉を直火で炭になるまで焦がしてそれをスープの中に投入し大量の塩をぶち込む。
 これは味もだが体に悪そうだ。

 「ふふふ、どうですか?」

 女神、見た目は。心は邪神か。
 復讐を遂げたマチルダはとても嬉しそうだ。

 我慢した、苦くて辛いけど我慢して全て平らげた。ゆっくりと味わいながらだと苦しい時間が増すだけなのでガツガツとさも腹が減っている風を装い急いで食べた。

 「田村さん、料理は味わって食べる物ですよ。」

 「すまない、腹が減ってたから」

 祈る、俺は祈ったあの神に。オカワリが在りませんように。

 まだ、神に見捨てられては居ないようだ。オカワリは無かった。
 神様ありがとう。

 苦難に満ちた食事を終えて暫くは邪神と雑談をする。

 そろそろ外の作業に戻ろうかとその時異変が起きた。

 そう、起きたのだ。全開だ。

 俺は勃起したのを悟られないように前屈みになり扉へ行こうとする。

 「田村さん、お待ち下さい。」

 俺は振り向きもせずに声だけで応えた。

 「なんでしょうか?」

 振り向かずに応えるのは失礼だと思うが振り向けば勃起した事がバレてしまう。

 「急ぎの仕事ではないですよね?暫く横になられては?」

 「あと少しなので先に片付けます。」

 仕事?仕事は方便で早く勃起を鎮めなくてはと出て行こうとする。
 
 「田村さん、私は調剤士です。」

 「は?はあ、そう聞きましたが。」

 「調剤士は医療の心得もあります。この世界に来て慣れない環境に戸惑って見えます。今は休息が必要なんです。」
 
 「あ、あと少しで終わります。」

 マチルダはあと何をするのか聞いてくるので答える。外に干してある肉を室内に運び込みなめした毛皮を風通しが良い場所に移すと。

 「私が替わります!」

 ベッドで横になって下さいと代わりに外へ出て行く。
 
 チャンスだ、外に行っている間に処理をしよう。ティッシュが無いので替わりにタオルで代用する。
 ティッシュなら出しても捨てるだけで済むがタオルはこの小屋では貴重品だ、捨てるわけにはいかないので後で洗おう。
 急げ急げと逸る気持ちになりながらズボンを下ろした。

 下ろし終わったと同時にマチルダが部屋に戻って来た。
 此方を見て一言。

 「な、何をなさってるんですか?…まさか…。」

 すいません、そのまさかです。

 「早かったね」

 仕事早いねって意味ではなく空気を読めよ!的な意味を込めたんだが伝わったかな。
 マチルダがジト目でこちらを見ている。

 「いや、違うんだよ、俺の育った世界ではベッドで寝る時は下を脱ぐから。つい癖でさ、ハハハ」

 勿論、嘘である。乾いた笑いで誤魔化そうとしているだけだ。

 「そうなんですね、良かった。体力が落ちてる時に自慰行為かと精神を疑ってしまい、すいません。」

 自慰とか言ったよマチルダが。

 何にも知らない小娘的な振る舞いだったけど知識はあるんだ。
 あんな顔をしてるけど凄い知識や技を持ってるのかも。

 「こっちこそ、ごめん。」

 もう休みますと毛布に包まった。
 マチルダが小屋を出た隙に今度こそはと
モノを上下に擦った。
 早く出さねばと焦る、若さと一緒に耐久性も増してしまったのか、発射まで至らない。
 普段ならもっと頑張れと叱咤する処を今は頑張らないでと願う。
 やがて気持ちが高ぶり滾ってきた。

 「お!そろそろだ。」

 気を持たせやがってと安堵した。
 カウントダウンが始まり発射態勢を作る。亀頭をタオルでしっかりと包む。

 「これなら一滴も逃さない。」

 と、呟いた時にまた扉があく。

 「何を逃さないんですか?」

 緊急事態発生、動力は直ちに停止せよ!
 高まったモノを止める事は出来ない。

 出来ないが遅らせる事は出来ると胴の部分を握る手に圧力を込め右手はタオルを上から精一杯押し当てた。

 黙り込む、ここはダンマリで押し通す。

 「何を逃さないんですか?」

 「ああ、俺、寝言を言ってた?恥ずかしいなぁ。」

 誤魔化す。
 誤魔化す事に成功したか否かは定かではないが追求は逃れた。
 
 だが、臨界寸前であり俺の意思とは無関係に暴走しそうなのにマチルダは近くに来る。
 「どうですか?落ち着きました?」

 もう臨界間近だというのに奥歯をかみしめて耐えているのに返事など出来はしない。

 暫く俺を眺めていたマチルダは小屋からやっと出て行く。
 バタンと扉が閉じる音と同時に漏れた。
 幸いベッドにも毛布にも付着しなかったがタオル全体が濡れている。物凄い量だ。

 量も凄いが臭いも凄い。慌てて毛布をまくり上げ毛布を仰いで風を起こす。匂いを拡散させる為に風を送り続ける。

 「バタン」

 扉が空いた。

 「何をしてるんですか?」

 マチルダは俺の一部分をガン見しながら聞いて来た。

 「で、何をしてるんですか!」

 確かに聞くよね、フルチンで毛布で風を送っている行動をしていれば。

 「しちゃったんですか?」
 「出しちゃったんですね?」

 マチルダはニヤリと笑う。

 「クククッ」

 マチルダの笑い方が変わった!ような気がしてならない。

 「出しちゃったものは仕方ないですよ、クククッ」

 「オナラは私もしますから。」

 そっち!そっちか。
 そっちで済まして貰える方が助かるが。

 俺はオナラしてすまないと謝罪して毛布に包まる。
 
 「クンクン」
 「何か匂いますよね。この匂いは何だったかな?最近、嗅いだ気がします。」

 嗅いでないよ、飲んだじゃんと教えてあげたい。
 
 俺は毛布に包まって本当に寝てしまった。
 深夜、お腹がキュルキュルと鳴り出した下半身丸出しで寝たから冷えたようだ。
 
 「や、ヤバいかも」

 俺はベッドから降りようとして横を向いたらマチルダが寝ていた。同じベッドに。

 そしてマチルダが起き出した。

 「田村さん、こんな深夜にどうしたんですか?」

 「ちょっと冷えちゃって用を足しに。」

 たが、マチルダは反対する。

 「夜は危ないですよ。体調が悪いのに外に出るなんて自殺行為です。」

 そう言い扉の前で両手を広げる。

 「直ぐですから、本当に。」

 俺には『気配察知』のスキルがあるから問題ない。危険は事前に解るがスキルの事は伏せていたので反対された。

 「これにして下さい。」

 言ってから出してきたのは水を汲んだ桶をだった。

 「その、大きい方がなんだ。」

 俺はすまなそうに伝えた。

 「私は医療の心得もあると言いましたよね。問題ないです、慣れてますから。」

 何このプレイは女性の前で(大)をするって初心者にはハード過ぎます。

 そろそろ本当にヤバいとマチルダを押しのけ外に出ようとしたが空かない。

 「忍び込まれないように鍵を掛けて置いたんですよ。防犯は怠りなく。」

 満面の笑みを浮かべこちらをみている。

 俺は腹の痛みで動けなくなっていた。もう、一歩も動けない。格好悪い姿を晒している。
 中腰で片手の手の平をケツに当てて。

 マチルダは遂に笑い出した。そして…

 「あははは、何その格好!」

 「我慢しないでその桶にドバッと出しちゃって下さい。汁を零さないようにもっとしゃがんでして下さいよ。」

 マチルダは俺の周りを踊るように移動しだした。両手を上に下げては上げ下げてはまた上げる。
 「出あせ!それ出あせ!出せ!」

 マチルダの顔が狂気に染まる、実に楽しそうだ。
 俺はまだ耐えていた。耐えてはいたが何時までも耐え続ける事は出来ないだろう。終わりは必ず訪れるのに俺は耐えた。
 女性の前で立ちションすらした事がないのに立ちウン、立ちグソとは。
 新たな性癖に目覚めてしまいそうだ。

 俺の踏ん張りも終わりを告げた。

 「出たああああああ!」

 マチルダが歓喜の雄叫びを上げた。

 俺は暫く桶の上から動けなかった。屈辱に震え。
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