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一章
人間関係は浅く少なく
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はっきり言うと、私の人間関係は浅く少ない。
今まで続いた人間関係でも二年が最長だ。それでいて私はあまり友達とかに価値観を重点的に置いていないため、人間関係は浅く少なくなってしまう。
今現在、友達や知人の類は皆無。センターや訪問看護といった精神障害に関する人間関係は片手で数えられる程度。それ以外の友達や知り合いは居ない。
なぜ私がそこまで友人の類に重点を置いていないのか。それは過去のいじめも関係あるが、人間関係に縛られるのが苦手だからだ。
友人をむやみやたらに増やす意味も分からなければ、人間関係を無理に継続する必要性もないと考えている。
それよりも、一人の時間を充実させたり、気の合う友人の類と居られればそれで良いと考えている。それが私の友人における価値観で、結果今現在友人は居ないが困っている事は特にない。
たまに遊ぶ友達が欲しいなぁと思う事はあっても、そのうちその想いの方が飽和して消えてしまう。寂しさとか侘しさは感じないから、きっと今の状況が私には合っているのだろう。
それに人間関係に悩む人が多いという事は、人間関係で面倒な事やトラブルが多いという事でもある。それを無理に続けたら破綻するのは目に見えているのに、なぜ皆そういった負の人間関係を断ち切れないのが謎でいる私だ。
ただ、そういう事を考えると昔親友だった人に言われた事を思い出す。
「狐さんみたいに人間関係を冷静にドライに見ている人はそういないですよ。そもそも、”人は人の中でしか生きられない”という考えを持ってない狐さんみたいな人はまれですよ」
そう言われて私はなんと返したのだろう。私の記憶は脆いから、そういった細かな事が思い出せない。ともすれば、急に出てくるから私自身記憶の扱いに困っている。
それでも彼の事は覚えている。親友だった。名前は忘れたけれど付けたあだ名は覚えている。問題はその人の顔がもう思い出せない事。
やっぱり私は馬鹿だなぁと自分で思う。思って笑い、思って忘れる。そしてまた唐突に思い出す。
私の記憶と日常はとうの昔に崩壊している。それでも続いているのが奇跡なくらいに。
なにせ昨日食べた夕飯はおろか、昨日した事が思い出せない事がままあるからだ。病院行った方が良いのかもしれないけれど、その件で既に病院にはかかっている。
主治医の本井先生は、この状態が問題ないようで、それが症状なのだと診断している。そこに甘んじているのか、止められないのか。それすらも分からない程に私の記憶は脆く儚い。
それはまるで、私の人間関係と同じように脆く儚い。
さて、今度訪問看護の人が来るのはいつだったろうかと、スマホのリマインダーと手帳とカレンダーを確認する。
これらがなければ私は人と会う事すら忘れる。それでいて何があったかも覚えていない。
たぶん週末の午後だ。と思ったら、訪問看護は週明けの月曜日の午前だった。
いつもの事、いつもの事と言い聞かせて私はリマインダーを閉じて思う。さて、私は何をしていたんだっけ。何を考えていたんだっけ。何か大切な事を思い出そうとして、何か大切な事を考えていた気がするのだけれど。
まぁいいか。とりあえずゲームでもしようと自分の部屋に急ぐ。
今まで続いた人間関係でも二年が最長だ。それでいて私はあまり友達とかに価値観を重点的に置いていないため、人間関係は浅く少なくなってしまう。
今現在、友達や知人の類は皆無。センターや訪問看護といった精神障害に関する人間関係は片手で数えられる程度。それ以外の友達や知り合いは居ない。
なぜ私がそこまで友人の類に重点を置いていないのか。それは過去のいじめも関係あるが、人間関係に縛られるのが苦手だからだ。
友人をむやみやたらに増やす意味も分からなければ、人間関係を無理に継続する必要性もないと考えている。
それよりも、一人の時間を充実させたり、気の合う友人の類と居られればそれで良いと考えている。それが私の友人における価値観で、結果今現在友人は居ないが困っている事は特にない。
たまに遊ぶ友達が欲しいなぁと思う事はあっても、そのうちその想いの方が飽和して消えてしまう。寂しさとか侘しさは感じないから、きっと今の状況が私には合っているのだろう。
それに人間関係に悩む人が多いという事は、人間関係で面倒な事やトラブルが多いという事でもある。それを無理に続けたら破綻するのは目に見えているのに、なぜ皆そういった負の人間関係を断ち切れないのが謎でいる私だ。
ただ、そういう事を考えると昔親友だった人に言われた事を思い出す。
「狐さんみたいに人間関係を冷静にドライに見ている人はそういないですよ。そもそも、”人は人の中でしか生きられない”という考えを持ってない狐さんみたいな人はまれですよ」
そう言われて私はなんと返したのだろう。私の記憶は脆いから、そういった細かな事が思い出せない。ともすれば、急に出てくるから私自身記憶の扱いに困っている。
それでも彼の事は覚えている。親友だった。名前は忘れたけれど付けたあだ名は覚えている。問題はその人の顔がもう思い出せない事。
やっぱり私は馬鹿だなぁと自分で思う。思って笑い、思って忘れる。そしてまた唐突に思い出す。
私の記憶と日常はとうの昔に崩壊している。それでも続いているのが奇跡なくらいに。
なにせ昨日食べた夕飯はおろか、昨日した事が思い出せない事がままあるからだ。病院行った方が良いのかもしれないけれど、その件で既に病院にはかかっている。
主治医の本井先生は、この状態が問題ないようで、それが症状なのだと診断している。そこに甘んじているのか、止められないのか。それすらも分からない程に私の記憶は脆く儚い。
それはまるで、私の人間関係と同じように脆く儚い。
さて、今度訪問看護の人が来るのはいつだったろうかと、スマホのリマインダーと手帳とカレンダーを確認する。
これらがなければ私は人と会う事すら忘れる。それでいて何があったかも覚えていない。
たぶん週末の午後だ。と思ったら、訪問看護は週明けの月曜日の午前だった。
いつもの事、いつもの事と言い聞かせて私はリマインダーを閉じて思う。さて、私は何をしていたんだっけ。何を考えていたんだっけ。何か大切な事を思い出そうとして、何か大切な事を考えていた気がするのだけれど。
まぁいいか。とりあえずゲームでもしようと自分の部屋に急ぐ。
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