世界の中心は君だった

KOROU

文字の大きさ
7 / 45
一章

就業だけは出来るんです

しおりを挟む
 私は、仕事に就いては辞めてを繰り返している。
 その理由は様々だ。体力的に続かなかったり、人間関係で揉めたり、契約の事でトラブルになったりと、自他に原因があって辞めている。
 結果、まともな収入になったのはたかが知れていて、ほとんどは収入にもならない収入になって終わっている。

 それについて本間先生はストレス過多だと指摘している。母は継続性のなさだと言っている。今まで付き合いのあった人達も言う事が様々で、正直私はどれが本当なのか分からない。
 しかし、どれも本当なのかもしれない。

 実際私はストレス過多になると、自分自身の中に閉じこもるし、愚痴が多くなる。それが母曰く徴候らしく、結果続かず辞めている。故に、継続性のなさはそこから来ていると思われる。
 他にも、人間関係を長く断ってきた事やら、正義感が邪魔するやらと言われて、私は何が原因なのか自分自身定かではない。

 正直に言えば、仕事ってどうやって続けるのだろうと真面目に悩んでいる節もある。他の人はどうやって仕事を続けているのだろうと。
 皆生活が懸かっているとか、趣味やお金のためとか言うが、それを言うなら私も同じだ。趣味のため、お金のため、生活のために頑張ろうとしているが、その途中でどうも前述の事で辞めてしまう。

 そのためか、これまで職種も転々とした。データ入力、一般事務、接客販売、営業、介護、工場作業員、建築作業員、オペレーター、リーダー、SV。
 それのどれでも長続きせず、何かしらの理由で辞めている。およそ、一般的な仕事はおおかた就いた。これ以上何の職業に就けというのか。

 そんな私の事を理解してくれた本間先生や地域活動支援センターの市川さんはこう言った。

「まぁ、仕事は出来るんでしょうね」と本間先生。
「どのお仕事でも仕事を任されるのは才能ですよ」と市川さん。

 それで自信がついたとしても私の疑問符は解けない。
 それで続かないってなんですか。それも才能や個性ですか。この先ずっとこうなんですかね――と。
 市川さんは定年退職していてもう尋ねる事は出来ない。本間先生には一度尋ねたら「う~ん」と渋られた。いや、先生そこで渋っちゃダメでしょ、とまでは言わなかったが、先生が何かをかわそうとしたというのは受け取った。

 つまりは、私の続かなさは病的で、人間関係なのかストレス過多から来るものなのか。とかく、何かしらの原因があるけれど、分からないというのが本音なのだろう。
 それを機に本間先生からは日記だけは継続するように言われて、市川さんには今後の目標は三か月ですねと言われた。仕事三か月頑張ったらご褒美が貰えるらしいが、はっきり言う。私はおままごとでもしてるのかっ――と。

 しかし、それくらいダメダメなのだ。仕事の継続性に関してだけで言えば。

 次のお仕事はどうしようこうしようと考えているうちに、訪問看護の訪問日がやってくる。
 私は憂鬱な気持ちになる。福祉関係のサービスを利用する度に同じような事を話している気がするからだ。

 とりあえず、近いうちにお仕事には就こう。就業だけは出来るから――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

母の下着 タンスと洗濯籠の秘密

MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。 颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。 物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。 しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。 センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。 これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。 どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

虚無・神様のメール・その他の短編

れつだん先生
現代文学
20年間で書き溜めた短編やショートショートをまとめました。 公募一次通過作などもあります。 今見返すと文章も内容も難ありですが、それを楽しんでいただけると幸いです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる

まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」 父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。 清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。 なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。 学校では誰もが憧れる高嶺の花。 家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。 しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。 「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」 秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。 彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。 「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」 これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。 完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。 『著者より』 もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。 https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858

処理中です...