世界の中心は君だった

KOROU

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二章

いじめのトラウマ

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 私が受けたいじめは、方々で『酷い』とか『大変』とか言われる事が多い。
 私も、私のようないじめを受けた人の話をあまり聞かない。
 ある種、私の受けたいじめは、いじめのフルコースだったのかもしれない。

 「死ね」とか「消えろ」とかの暴言。殴られたり蹴られたりの暴力。
 物を隠されて失くされたり、待ち合わせ場所を一人だけ別の場所にされたりする嫌がらせ。
 髪の毛を引っ張られたり、上履きに画鋲が入っていたり、いじめグループのした事を被せられたりもした。
 でも、何が一番嫌だったかと言うと、服を脱がされたり、オカマとか言われたりした性的被害。

 存在を否定されたり、暴力を振るわれたりする事よりも、それは私に一番の大打撃を与えた。私はそれで自分が否定され、意味のない者に感じたのだ。

 「死ね」と言われてもなぜ死ななきゃいけないのか分からなかったからまだ良かった。
 暴力を振るわれても、反応しなければ済む事だった。
 物を隠されても失くされても、買い足せばまだ事足りた。
 待ち合わせ場所を一人だけ別の場所にされても、そういう事もあると割り切れた。
 髪の毛を引っ張られてもまた生えてくるし、上履きの画鋲は取り除けばそれで済んだ。

 しかし、服を脱がされたり、股間を触られたり、オカマと言われたり、トイレの中で水を掛けられたり覗かれたりといった事は、私には耐えがたい屈辱だった。

 性別確認してやるよとか、自分の本当の性別を否定されたり、トイレ中なのに覗かれたりといった事は、私のプライベートであり、なおかつプライバシーの侵害だ。
 それを言葉に出来ない小学生の時にされた私の世界は、一日にして一瞬で崩壊した。

 そしてそのトラウマのようないじめは、今も現存している。

 個室に入れば上や扉の鍵を確認してしまう。
 自分の本当の性別が何なのか考えて確認してしまう。
 何より、私は性行為に抵抗がある。

 そういった事が重なり、私は今まで彼氏や彼女が居た事がない。
 怖いのだ。否定されるのも、深い関係になるのも。
 恐ろしいのだ。私の世界観や価値観がボロボロ崩れていくのが。

 そのいじめの結果、私は不登校になった。
 自殺を試みた事も何回もある。
 引き籠りにもなった。
 何より、精神障害が始まったのもその頃だ。十一歳の誕生日にある事を願い、それは今も存在している願いだ。

 私の心を失くして――と。
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