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四章
鈴城さんの一案
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秋の始まり。自分は鈴城さんと大事な話をしていた。
それは、狐に関する”真実”の話だ。
自分は管理者であり、それを伝える義務がある事。管理者として、他の人格も狐も管理しないといけない事。自分の役目や役割がある事。そして、”真実”の話。
それを伝えると、鈴城さんはこう言った。
「私は、何かを間違えていたんですね」
その言葉を自分は理解してくれたと受け取った。鈴城さんは、理解したかのように何回も無言で頷いていた。
「統合するようにすれば良いのではない……だとしたら、今後はどうしましょう?」
「分からないです。自分達は、狐に”真実”を伝える事は出来ても、その後のサポートは出来ないので」
行き詰まる会話と思考。お互いが出せる案を出し合うなど要らない。
なぜなら、”真実”を知った人は誰もがどうしろと言うのか、と行き詰まるからだ。
二十年付き合いのある自分が困っているのだから、間違いはない。
そんな中、鈴城さんは唐突にこう言った。
「狼さん、一度私に任せていただけませんでしょうか?
「任せるというのは?」
「狐さんの”真実”の事です。私に考えがあるので任せて頂けないでしょうか。条件として、もしそれが失敗に終わったのであれば、訪問看護は終わりにしましょう。いかがですか?」
どうやら鈴城さんには秘策があるらしい。
しかし、それが上手くいくかどうかは五分五分なのだろう。
「分かりました。ここまで付き合っていただいたのもあるので、鈴城さんに一任します」
「ありがとうございます。では、次回は狐さんの時に伺います。それまでこちらも少しお時間頂いても宜しいですか?」
「……はい。何かあるという事であれば、ご準備して頂いて構いません」
そうしてその日の訪問看護は終わり、次回に持ち越しとなった。
そしてそれから暫くして、狐が目覚める。
それは、狐に関する”真実”の話だ。
自分は管理者であり、それを伝える義務がある事。管理者として、他の人格も狐も管理しないといけない事。自分の役目や役割がある事。そして、”真実”の話。
それを伝えると、鈴城さんはこう言った。
「私は、何かを間違えていたんですね」
その言葉を自分は理解してくれたと受け取った。鈴城さんは、理解したかのように何回も無言で頷いていた。
「統合するようにすれば良いのではない……だとしたら、今後はどうしましょう?」
「分からないです。自分達は、狐に”真実”を伝える事は出来ても、その後のサポートは出来ないので」
行き詰まる会話と思考。お互いが出せる案を出し合うなど要らない。
なぜなら、”真実”を知った人は誰もがどうしろと言うのか、と行き詰まるからだ。
二十年付き合いのある自分が困っているのだから、間違いはない。
そんな中、鈴城さんは唐突にこう言った。
「狼さん、一度私に任せていただけませんでしょうか?
「任せるというのは?」
「狐さんの”真実”の事です。私に考えがあるので任せて頂けないでしょうか。条件として、もしそれが失敗に終わったのであれば、訪問看護は終わりにしましょう。いかがですか?」
どうやら鈴城さんには秘策があるらしい。
しかし、それが上手くいくかどうかは五分五分なのだろう。
「分かりました。ここまで付き合っていただいたのもあるので、鈴城さんに一任します」
「ありがとうございます。では、次回は狐さんの時に伺います。それまでこちらも少しお時間頂いても宜しいですか?」
「……はい。何かあるという事であれば、ご準備して頂いて構いません」
そうしてその日の訪問看護は終わり、次回に持ち越しとなった。
そしてそれから暫くして、狐が目覚める。
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