世界の中心は君だった

KOROU

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四章

過去―不登校―

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 不登校になった狐を待ち受けていたのは、双極性障害ことそううつ病だ。
 気分が高揚するそう状態と気分が落ち込むうつ状態を繰り返し、それは後に速いサイクルになる。夜に眠れなくなり、昼夜逆転もした。
 夜の闇に紛れている方が落ち着くとの事で、しばらく昼夜逆転生活と同時に引き籠り生活も送っていた。

 そう状態の時は何かしら出来る事をやっていたが、うつ状態の時は意欲が低下してぼんやり月や星空を眺めて過ごす事もあった。
 また、狐が昼夜逆転生活で良いと思ったのは、登下校する子供達を見なくて良い事だ。登下校している子供達を見ていると、狐はそれだけで心が穏やかではなかったのだ。
 なぜ自身が行けなくて、なぜあんな目に遭ったのか。それを考えたり思い出したりしなくて良いという事が、狐を長い昼夜逆転生活に閉じ込める。

 十一歳から十四歳まで、狐の昼夜逆転生活は続いた。見たい物を見なくて良い宵闇は、狐を落ち着かせる一種のクスリだったのだ。

 しかし、狐も段々と不安になっていた。ずっとこのままの生活を送るのか。それともどこかで死ぬのか。
 その思いに囚われ、ちょうど就職氷河期というニュースを見た頃だ。狐はある決心をする。昼夜逆転生活に終止符を打つ事に決めたのだ。
 就職すれば、学校とはもう関係なくなる。仕事をすれば、社会人になれる。就職氷河期に無駄に大学へ行って奨学金という借金を背負う必要もない。何より、もうあの子達に会うか会わないかという事に怯える必要もない。

 そんな思いから、狐は高校と大学へは行かずに就職する事を決意した。
 そのために、母親から教えてもらった高卒認定を取る事に全力を掛けたのだ。今まで行っていた勉強を終えて、高卒認定を取るための勉強を始めた。

 試験は年に二回。その試験を通じて最初の一年で取る事に集中した。
 結果は合格。晴れて狐は就職への道を進む事になる。
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