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最終話 Let It Be あるがままに
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◇ 結城 誠 Side ◇
6月の吉日、真希との結婚式を執り行なった。
真希の前回の式が神前式だった為、今回は教会式での結婚式となった。ウェディングドレス姿の真希は息が詰まるほど綺麗で感極まったお義父さんが、
「綺麗だよ真希……、でもなんで真希は何度もお嫁に行ってしまうんだい……」
と宣って周りを凍りつかせて、お義母さんに張っ倒されていた。
その後の披露宴で牧田さんが新婦側の友人代表で挨拶したとき、さめざめと泣きながら俺達のケンカに見せかけた惚気あいの一番の被害者であると訴えて周囲の同情を買っていたが最後に、
「実は私もこの度結婚することが決まりました!だから真希!次はあんたがここに立つんだよ?」
とサプライズをカマしたため真希がポカンとしてたのが印象的だった。
◆ 結城真希 Side ◆
みどりの無駄なサプライズであ然とした。後で問い詰めたら、お相手が本山弁護士だったので誠と二人でさらにポカンとした。
「どこで知り合ったのよ」
「ナ・イ・ショ!」
「彼氏いること教えもしないでこの子は……」
みどりのことは一旦放置して新婚旅行へ、帰ったらさらに問い詰めてやるんだから……
イタリアのローマにある真実の口で「ローマの休日」ごっこをしたり、フィレンツェのウフィツィ美術館で「ヴィーナスの誕生」の観覧をして、ヴェネチアでゴンドラ遊覧を楽しんだりとイタリア旅行を満喫。
その後フランスはパリに移ってエッフェル塔やルーブル美術館等お決まりのコースを巡る。
夜は誠のたっての希望でンドバシュの観戦、なんでも日本人選手同士の対戦らしい。私はあまり興味がなかったのだけど、目をキラキラさせてる誠が可愛かったからついいいかと思って付き合った。
誠は対戦相手のドイツのチームを応援してる、なんでも「皇帝」と呼ばれる日本人選手がいるんだって……ふーん。でもフランスのチームの日本人選手は凄い二枚目ねって言ったら誠がちょっと拗ねた。もう、可愛いんだから。
たっぷり新婚旅行を満喫して帰国、今日は東京のホテルに泊まって明日帰宅する予定。
ホテルのレストランで夕食を取りながらこの旅行のことやこれまでの事、そしてこれからの事をとりとめもなく話していく……
「あー楽しかったわ!」
「おう、いろいろ回ったし最後にいい試合を見れたしな!」
「あなたもホント好きねー?」
でも確かにルールをあまり知らない私でも楽しめたんだから、いい試合だったのかしらね?選手も男前だったし。
「帰ったらふたりの新生活が始まるわ、でもホントに良いの?」
「なにが?」
「ほら?前の話し合いで、あなたも家事を分担してくれるって……」
「まだ気にしてる……一緒に生活するんだ、分担するのは当たり前」
「でも私、専業主婦になるんだよ?」
「だから悪いとは思ったけど、多めに家事を受け持ってもらうじゃん?」
本当に申し訳無さそうに言うのね……こんな事言っちゃいけないのは分かってるけど……伸吾のときと全然違う。伸吾は家事は私がやって当然って顔してた。トイレ掃除も自分が汚すくせにやってくれないし……
「なんだか申し訳ないわ……そうね、私がいっぱい御奉仕・し・ちゃ・う・ネ♡」
「ヴォフォホ!バカかお前は!場所を弁えろ!!」
「フフフ、ウブねぇ~。可愛いわよあ・な・た♡」
誠ってばなんかこのての話題に弱いみたいで、攻めると笑かしてくれるのよねぇ。
「たくっ、からかいやがって……あとその呼び名」
「なに、あなた?」
「そうそれ、あなたってやつ。お前籍入れてから名前呼びやめて、その呼び方に変えたよな?」
「うん……嫌だった?」
「お前がそれでいいなら別に良いんだけど、無理してないか?」
「え?」
「なんかさ、お前いい奥さんになろうとか、俺を支えなきゃとか考えてね?」
「なんで?考えちゃダメ?」
「いや、嬉しいよ?だけど急がなくても良くないか?」
「急がなくてもいい?」
どういう事?私はこの人を支えるいい奥さんにならなきゃいけないのに……
「俺達はこれからずっと一緒だ、式の誓いの言葉でもあっただろ?健やかなるときも、病めるときもってな。だからあるがままでいい」
「あるがまま……」
「そうそう、あるがままに過ごしてぶつかったところはすり合わせて、そんで出来るのが夫婦の形なんじゃね?」
「誠……」
「まっ、ケンカも有るだろうさ、嫌になることもな。だけど急がなくていい、ゆっくり行こうぜ?俺達には一緒の時間がいっぱい有るんだから」
あぁ神さまありがとうございます……私とこの人をもう一度巡り合わせてくれて。
「そうね……ゆっくりいきましょう。誠?」
「そういうことだ。まっ、真面目な話はこれくらいにしてバー行こうぜ?」
「ハイハイ、弱いくせにお酒好きなんだから」
新居である引っ越しして間もないマンションの入口で、
「ここから始まるのね」
「そうだ、ここから始まるんだ」
「頑張りましょう」
「ああ、ふたりでな」
「「目指せ夢のマイホーム!!」」
◇◆◇◆
お読みいただきありがとうございます。
これにて本編は終了です。
拙作にお付き合いくださいましてありがとうございます!
ちなみに、ンドバシュとは作者が別サイトで連載していた作品に出てくる架空スポォーツです。
機会があったらお読みいただければ嬉しいです!
あとはエピローグを投稿したら完結です。
あと1話お付き合いいただけると嬉しいです。
6月の吉日、真希との結婚式を執り行なった。
真希の前回の式が神前式だった為、今回は教会式での結婚式となった。ウェディングドレス姿の真希は息が詰まるほど綺麗で感極まったお義父さんが、
「綺麗だよ真希……、でもなんで真希は何度もお嫁に行ってしまうんだい……」
と宣って周りを凍りつかせて、お義母さんに張っ倒されていた。
その後の披露宴で牧田さんが新婦側の友人代表で挨拶したとき、さめざめと泣きながら俺達のケンカに見せかけた惚気あいの一番の被害者であると訴えて周囲の同情を買っていたが最後に、
「実は私もこの度結婚することが決まりました!だから真希!次はあんたがここに立つんだよ?」
とサプライズをカマしたため真希がポカンとしてたのが印象的だった。
◆ 結城真希 Side ◆
みどりの無駄なサプライズであ然とした。後で問い詰めたら、お相手が本山弁護士だったので誠と二人でさらにポカンとした。
「どこで知り合ったのよ」
「ナ・イ・ショ!」
「彼氏いること教えもしないでこの子は……」
みどりのことは一旦放置して新婚旅行へ、帰ったらさらに問い詰めてやるんだから……
イタリアのローマにある真実の口で「ローマの休日」ごっこをしたり、フィレンツェのウフィツィ美術館で「ヴィーナスの誕生」の観覧をして、ヴェネチアでゴンドラ遊覧を楽しんだりとイタリア旅行を満喫。
その後フランスはパリに移ってエッフェル塔やルーブル美術館等お決まりのコースを巡る。
夜は誠のたっての希望でンドバシュの観戦、なんでも日本人選手同士の対戦らしい。私はあまり興味がなかったのだけど、目をキラキラさせてる誠が可愛かったからついいいかと思って付き合った。
誠は対戦相手のドイツのチームを応援してる、なんでも「皇帝」と呼ばれる日本人選手がいるんだって……ふーん。でもフランスのチームの日本人選手は凄い二枚目ねって言ったら誠がちょっと拗ねた。もう、可愛いんだから。
たっぷり新婚旅行を満喫して帰国、今日は東京のホテルに泊まって明日帰宅する予定。
ホテルのレストランで夕食を取りながらこの旅行のことやこれまでの事、そしてこれからの事をとりとめもなく話していく……
「あー楽しかったわ!」
「おう、いろいろ回ったし最後にいい試合を見れたしな!」
「あなたもホント好きねー?」
でも確かにルールをあまり知らない私でも楽しめたんだから、いい試合だったのかしらね?選手も男前だったし。
「帰ったらふたりの新生活が始まるわ、でもホントに良いの?」
「なにが?」
「ほら?前の話し合いで、あなたも家事を分担してくれるって……」
「まだ気にしてる……一緒に生活するんだ、分担するのは当たり前」
「でも私、専業主婦になるんだよ?」
「だから悪いとは思ったけど、多めに家事を受け持ってもらうじゃん?」
本当に申し訳無さそうに言うのね……こんな事言っちゃいけないのは分かってるけど……伸吾のときと全然違う。伸吾は家事は私がやって当然って顔してた。トイレ掃除も自分が汚すくせにやってくれないし……
「なんだか申し訳ないわ……そうね、私がいっぱい御奉仕・し・ちゃ・う・ネ♡」
「ヴォフォホ!バカかお前は!場所を弁えろ!!」
「フフフ、ウブねぇ~。可愛いわよあ・な・た♡」
誠ってばなんかこのての話題に弱いみたいで、攻めると笑かしてくれるのよねぇ。
「たくっ、からかいやがって……あとその呼び名」
「なに、あなた?」
「そうそれ、あなたってやつ。お前籍入れてから名前呼びやめて、その呼び方に変えたよな?」
「うん……嫌だった?」
「お前がそれでいいなら別に良いんだけど、無理してないか?」
「え?」
「なんかさ、お前いい奥さんになろうとか、俺を支えなきゃとか考えてね?」
「なんで?考えちゃダメ?」
「いや、嬉しいよ?だけど急がなくても良くないか?」
「急がなくてもいい?」
どういう事?私はこの人を支えるいい奥さんにならなきゃいけないのに……
「俺達はこれからずっと一緒だ、式の誓いの言葉でもあっただろ?健やかなるときも、病めるときもってな。だからあるがままでいい」
「あるがまま……」
「そうそう、あるがままに過ごしてぶつかったところはすり合わせて、そんで出来るのが夫婦の形なんじゃね?」
「誠……」
「まっ、ケンカも有るだろうさ、嫌になることもな。だけど急がなくていい、ゆっくり行こうぜ?俺達には一緒の時間がいっぱい有るんだから」
あぁ神さまありがとうございます……私とこの人をもう一度巡り合わせてくれて。
「そうね……ゆっくりいきましょう。誠?」
「そういうことだ。まっ、真面目な話はこれくらいにしてバー行こうぜ?」
「ハイハイ、弱いくせにお酒好きなんだから」
新居である引っ越しして間もないマンションの入口で、
「ここから始まるのね」
「そうだ、ここから始まるんだ」
「頑張りましょう」
「ああ、ふたりでな」
「「目指せ夢のマイホーム!!」」
◇◆◇◆
お読みいただきありがとうございます。
これにて本編は終了です。
拙作にお付き合いくださいましてありがとうございます!
ちなみに、ンドバシュとは作者が別サイトで連載していた作品に出てくる架空スポォーツです。
機会があったらお読みいただければ嬉しいです!
あとはエピローグを投稿したら完結です。
あと1話お付き合いいただけると嬉しいです。
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