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憑かれる彼女はプラトニックラブを見届けたい
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「美味しそうなのが2人…。少し足りないけれどないよりマシね」
絡新婦はペロリと舌舐めずりしながら、私以外の二人を舐めるように見つめた。
「お前たちは、今からこの子たちの餌になるのよ」
絡新婦がそう言った後、絡新婦の尻のほうでざわりと何かが蠢いた。
「ひぃ…っ」
それを目にしたさつきさんが、小さく悲鳴を上げる。
私もそのおぞましさにぞわりと総毛立ち、思わず手で口を覆った。
そこには、何百何千という小さな蜘蛛の子どもがびっしりと張り付いていたのである。
それらは、私たちを自分たちの餌だと認識したのか、目を爛々と光らせ、待ちきれないように忙しなく動き回る。
恐ろしさに足を竦ませる私たちに、絡新婦はニヤリと気味の悪い笑みを浮かべながら、ゆっくりとさつきさんと小山くんに視線を定めた。
「霊体の方は私がいただくとしようかね。男の方は子供たちの贄だ」
「…!」
口からシュルシュルと糸を吐き出しながら、呟く絡新婦の言葉に身をこわばらせる二人とは別に、私は先程から絡新婦が私を認識していないことに気付いた。
ーーーもしかして、このお守りのお陰…?
チャリっと胸元で揺れる守護の石のペンダントにそっと触れる。
ーーーいっくんが守ってくれてる。
そのことに胸が温かくなり勇気付けられた私は、恐怖に竦む足を叱咤しつつ、さつきさんと小山くんの傍へと急ぐ。
あともう少しで二人の元へ辿り着くというところで、絡新婦は二人に向かって勢いよく糸を吐き出した。
「…っ!」
「いや…!」
「だめぇぇぇ!」
互いを守るように身を寄せあった二人と迫り来る糸の間に、間一髪私が身を滑らせた瞬間、眩しい光が周囲を包み込んだ。
「なんだ…!?」
絡新婦の動揺した声が聞こえ、恐る恐る目を開けると、光の壁が守るように私たちの周りを囲み、蜘蛛の糸を弾いていた。
「大人しく食べられればいいものを、結界を張るとは忌ま忌ましい!」
絡新婦の怒りに満ちた声が辺りを包む中、結界に守られた私たちはホッと息をついた。
「籠池さん、これは一体…?」
小山くんが戸惑ったように聞いてくる。
私は胸元から守護の石のペンダントを出して、二人を安心させるようににっこり笑った。
「きっとこれのお陰。いっくんが端正込めて作ってくれた守護の石なの」
「そっか、さすが榊先輩。やっぱり籠池さんのこととなると抜かりはないね」
小山くんが苦笑しながら言った。
納得しつつ、やけにいっくんのことを分かっているというような小山くんの言葉に、私はいっくんと小山くんの間に親交なんてあったっけと首を傾げる。
考え込もうと、ふと下げたその視線の先の光景に、思わず息を飲んだ。
「…さつきさん、手が…!」
私の言葉に同じく視線を下げた小山くんが今にも泣き出しそうに顔を歪める。
ーーーさつきさんの指先が消えた…。
「もう、こんなところで時間切れなのね」
さつきさんは、諦めたような、だけど落ち着いた様子でポツリと呟く。
「できれば、もう一度生まれ変わって、小山くんに会いに行きたかったんだけど…」
無理そうね、と小さく囁かれた声に胸が締め付けられる。
一定の期間以上現し世に留まった魂は、輪廻の輪に戻る道を見失っている。
さつきさんもそうだった。
だから、輪廻の輪に戻るためには、そこへ導いてくれる導き手が必要なのだ。
さつきさんが覚悟を決めてから、いっくんに頼もうと思っていたのに、このままだと間に合わない。
こんなことなら、早いうちにいっくんに相談しておけば良かった。
自分の不甲斐なさに唇を噛み締める。
「嫌だ、さつきさん…。置いていかないで…!」
小山くんの悲痛な叫びに、さつきさんの目から一筋の涙が溢れた。
その瞬間、結界の外からビシリ、ビシリと何かがガラスに当たるような音が聞こえる。
はっと、結界の外に目を向けると憤怒に燃える絡新婦が、蜘蛛の足で結界を割ろうとするように攻撃を仕掛けていた。
「何を中でごちゃごちゃと…!このまますごすごと引き下がると思ったら、大間違いだよ!」
「…っ、こんな時に!」
さつきさんと小山くんが、お別れをする時間を邪魔する絡新婦に怒りがこみ上げる。
「ちょっと!絡新婦!!
空気を読みなさいよ!空気を!今あんたの相手してる場合じゃないのよ!」
「何だと?!己…、いつの間にそこにいたか知らぬが、我を愚弄する気か…!!」
ぎょっと私を見つめる二人の視線と、怒りに燃える絡新婦の視線を感じながら、私も負けじと絡新婦を睨み付ける。
「あんたなんか、いっくんが来たらけちょんけちょんに倒されるんだから!」
「ほう?そのいっくんとやらが来なければ、何もできぬというのに良く吠える。
よし、分かった。そなたから我が子の贄にしてやろう!」
私の言葉に怒り狂った絡新婦が、渾身の力を込めて結界へ向かって足を振り下ろそうとしたその時。
「縛」
どこからともなく聞こえたいっくんの声とともに、絡新婦の動きがピタリと止まった。
「な、なんだ!?」
焦ったような絡新婦の声を横目に、周囲を見渡していっくんの姿を探す。
すると、図書室の入り口で、少し息を切らしたいっくんの姿を見つけた。
「いっくん!!」
嬉しさに声を弾ませる私に、一瞬だけ目を配ると、いっくんはいつものように右手の手刀で素早く四縦五横の破邪の印を結びながら、なめらかに呪文を唱え始めた。
「朱雀・玄武・白虎・勾陣・帝久・文王・三台・玉女・青龍」
「お、のれ!己己己ぇぇぇぇえ!」
「はっ!」
いっくんが放った眩しい閃光とともに、絡新婦とその子どもたちは跡形もなく消えた。
「いっぐーん!」
泣きながらいっくんへと突進した私を、いっくんは鬼のような形相で受け止めた。
「こ、っんの!バカ!!」
キーンと響く怒声に思わず耳を塞ぐ。
「相手を挑発して、更に怒らせてどうすんだ!」
「だって、あまりにもタイミングが悪すぎてムカついちゃって…。って、いっくん!それどころじゃないの!」
私は怒り収まらぬ様子のいっくんを無理矢理さつきさんのところへ引っ張っていく。
さつきさんを抱き締める小山くんに、いっくんが驚いたように目を見開く。
「お前は…」
「ご無沙汰してます、榊先輩」
挨拶を交わす二人に、あれ、やっぱり知り合いだったっけと私は首を傾げるが、肘まで消え始めたさつきさんの姿に、そんな疑問は吹っ飛んだ。
「いっくん!さつきさんを輪廻の輪に戻してあげてほしいの!」
いっくんは、小山くんの腕の中にいるさつきさんに視線を向けると、眉間にシワを寄せて難しい顔をした。
「…無理だ」
いっくんから放たれた信じられない言葉に、私も小山くんも呆然といっくんを見つめる。
「…どうして…?」
絶望的な気持ちでいっくんへ問いかける私に、いっくんは困ったように言った。
「どうしてもこうしても、その人はまだ死んでいない。体から魂が抜けてるが、体はまだ生きてる」
「え…?」
さつきさんが驚いたように声を上げる。
「私、死んでないの…?」
「魂が体から離れて結構経っているから、体は弱っていると思うが、まだ死んではいない。だが、早く体に戻った方がいいのは確実だ」
「どうしたら、どうしたら戻れるんですか?!」
小山くんが焦ったようにいっくんに尋ねるが、いっくんはさも当然とばかりに消えたら戻ると答える。
「だがまぁ、これくらいのお膳立てなら許されるか」
そう言いながら、いっくんはさつきさんの額に人差し指と中指を添えた。
「オン マカ ラギャ バゾロ シュウニシャ バザラ サトバ ジャク ウン バン コク」
いっくんは呪文を唱え終わると、私を図書室の外へと促す。
後は二人きりにしてあげようということだろう。
「っ、さつきさん!…、また、また会える日を楽しみにしてます」
さつきさんが体へ戻って、またどこかで再び会えることを願って、私はさつきさんに声を掛ける。
「ありがとう」
私が見た最後のさつきさんの笑顔は、とても優しくて綺麗だった。
絡新婦はペロリと舌舐めずりしながら、私以外の二人を舐めるように見つめた。
「お前たちは、今からこの子たちの餌になるのよ」
絡新婦がそう言った後、絡新婦の尻のほうでざわりと何かが蠢いた。
「ひぃ…っ」
それを目にしたさつきさんが、小さく悲鳴を上げる。
私もそのおぞましさにぞわりと総毛立ち、思わず手で口を覆った。
そこには、何百何千という小さな蜘蛛の子どもがびっしりと張り付いていたのである。
それらは、私たちを自分たちの餌だと認識したのか、目を爛々と光らせ、待ちきれないように忙しなく動き回る。
恐ろしさに足を竦ませる私たちに、絡新婦はニヤリと気味の悪い笑みを浮かべながら、ゆっくりとさつきさんと小山くんに視線を定めた。
「霊体の方は私がいただくとしようかね。男の方は子供たちの贄だ」
「…!」
口からシュルシュルと糸を吐き出しながら、呟く絡新婦の言葉に身をこわばらせる二人とは別に、私は先程から絡新婦が私を認識していないことに気付いた。
ーーーもしかして、このお守りのお陰…?
チャリっと胸元で揺れる守護の石のペンダントにそっと触れる。
ーーーいっくんが守ってくれてる。
そのことに胸が温かくなり勇気付けられた私は、恐怖に竦む足を叱咤しつつ、さつきさんと小山くんの傍へと急ぐ。
あともう少しで二人の元へ辿り着くというところで、絡新婦は二人に向かって勢いよく糸を吐き出した。
「…っ!」
「いや…!」
「だめぇぇぇ!」
互いを守るように身を寄せあった二人と迫り来る糸の間に、間一髪私が身を滑らせた瞬間、眩しい光が周囲を包み込んだ。
「なんだ…!?」
絡新婦の動揺した声が聞こえ、恐る恐る目を開けると、光の壁が守るように私たちの周りを囲み、蜘蛛の糸を弾いていた。
「大人しく食べられればいいものを、結界を張るとは忌ま忌ましい!」
絡新婦の怒りに満ちた声が辺りを包む中、結界に守られた私たちはホッと息をついた。
「籠池さん、これは一体…?」
小山くんが戸惑ったように聞いてくる。
私は胸元から守護の石のペンダントを出して、二人を安心させるようににっこり笑った。
「きっとこれのお陰。いっくんが端正込めて作ってくれた守護の石なの」
「そっか、さすが榊先輩。やっぱり籠池さんのこととなると抜かりはないね」
小山くんが苦笑しながら言った。
納得しつつ、やけにいっくんのことを分かっているというような小山くんの言葉に、私はいっくんと小山くんの間に親交なんてあったっけと首を傾げる。
考え込もうと、ふと下げたその視線の先の光景に、思わず息を飲んだ。
「…さつきさん、手が…!」
私の言葉に同じく視線を下げた小山くんが今にも泣き出しそうに顔を歪める。
ーーーさつきさんの指先が消えた…。
「もう、こんなところで時間切れなのね」
さつきさんは、諦めたような、だけど落ち着いた様子でポツリと呟く。
「できれば、もう一度生まれ変わって、小山くんに会いに行きたかったんだけど…」
無理そうね、と小さく囁かれた声に胸が締め付けられる。
一定の期間以上現し世に留まった魂は、輪廻の輪に戻る道を見失っている。
さつきさんもそうだった。
だから、輪廻の輪に戻るためには、そこへ導いてくれる導き手が必要なのだ。
さつきさんが覚悟を決めてから、いっくんに頼もうと思っていたのに、このままだと間に合わない。
こんなことなら、早いうちにいっくんに相談しておけば良かった。
自分の不甲斐なさに唇を噛み締める。
「嫌だ、さつきさん…。置いていかないで…!」
小山くんの悲痛な叫びに、さつきさんの目から一筋の涙が溢れた。
その瞬間、結界の外からビシリ、ビシリと何かがガラスに当たるような音が聞こえる。
はっと、結界の外に目を向けると憤怒に燃える絡新婦が、蜘蛛の足で結界を割ろうとするように攻撃を仕掛けていた。
「何を中でごちゃごちゃと…!このまますごすごと引き下がると思ったら、大間違いだよ!」
「…っ、こんな時に!」
さつきさんと小山くんが、お別れをする時間を邪魔する絡新婦に怒りがこみ上げる。
「ちょっと!絡新婦!!
空気を読みなさいよ!空気を!今あんたの相手してる場合じゃないのよ!」
「何だと?!己…、いつの間にそこにいたか知らぬが、我を愚弄する気か…!!」
ぎょっと私を見つめる二人の視線と、怒りに燃える絡新婦の視線を感じながら、私も負けじと絡新婦を睨み付ける。
「あんたなんか、いっくんが来たらけちょんけちょんに倒されるんだから!」
「ほう?そのいっくんとやらが来なければ、何もできぬというのに良く吠える。
よし、分かった。そなたから我が子の贄にしてやろう!」
私の言葉に怒り狂った絡新婦が、渾身の力を込めて結界へ向かって足を振り下ろそうとしたその時。
「縛」
どこからともなく聞こえたいっくんの声とともに、絡新婦の動きがピタリと止まった。
「な、なんだ!?」
焦ったような絡新婦の声を横目に、周囲を見渡していっくんの姿を探す。
すると、図書室の入り口で、少し息を切らしたいっくんの姿を見つけた。
「いっくん!!」
嬉しさに声を弾ませる私に、一瞬だけ目を配ると、いっくんはいつものように右手の手刀で素早く四縦五横の破邪の印を結びながら、なめらかに呪文を唱え始めた。
「朱雀・玄武・白虎・勾陣・帝久・文王・三台・玉女・青龍」
「お、のれ!己己己ぇぇぇぇえ!」
「はっ!」
いっくんが放った眩しい閃光とともに、絡新婦とその子どもたちは跡形もなく消えた。
「いっぐーん!」
泣きながらいっくんへと突進した私を、いっくんは鬼のような形相で受け止めた。
「こ、っんの!バカ!!」
キーンと響く怒声に思わず耳を塞ぐ。
「相手を挑発して、更に怒らせてどうすんだ!」
「だって、あまりにもタイミングが悪すぎてムカついちゃって…。って、いっくん!それどころじゃないの!」
私は怒り収まらぬ様子のいっくんを無理矢理さつきさんのところへ引っ張っていく。
さつきさんを抱き締める小山くんに、いっくんが驚いたように目を見開く。
「お前は…」
「ご無沙汰してます、榊先輩」
挨拶を交わす二人に、あれ、やっぱり知り合いだったっけと私は首を傾げるが、肘まで消え始めたさつきさんの姿に、そんな疑問は吹っ飛んだ。
「いっくん!さつきさんを輪廻の輪に戻してあげてほしいの!」
いっくんは、小山くんの腕の中にいるさつきさんに視線を向けると、眉間にシワを寄せて難しい顔をした。
「…無理だ」
いっくんから放たれた信じられない言葉に、私も小山くんも呆然といっくんを見つめる。
「…どうして…?」
絶望的な気持ちでいっくんへ問いかける私に、いっくんは困ったように言った。
「どうしてもこうしても、その人はまだ死んでいない。体から魂が抜けてるが、体はまだ生きてる」
「え…?」
さつきさんが驚いたように声を上げる。
「私、死んでないの…?」
「魂が体から離れて結構経っているから、体は弱っていると思うが、まだ死んではいない。だが、早く体に戻った方がいいのは確実だ」
「どうしたら、どうしたら戻れるんですか?!」
小山くんが焦ったようにいっくんに尋ねるが、いっくんはさも当然とばかりに消えたら戻ると答える。
「だがまぁ、これくらいのお膳立てなら許されるか」
そう言いながら、いっくんはさつきさんの額に人差し指と中指を添えた。
「オン マカ ラギャ バゾロ シュウニシャ バザラ サトバ ジャク ウン バン コク」
いっくんは呪文を唱え終わると、私を図書室の外へと促す。
後は二人きりにしてあげようということだろう。
「っ、さつきさん!…、また、また会える日を楽しみにしてます」
さつきさんが体へ戻って、またどこかで再び会えることを願って、私はさつきさんに声を掛ける。
「ありがとう」
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