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story 1
quiet entrance
しおりを挟む生徒用玄関に近づくにつれて、どんどん周りの生徒が増え始めザワザワとざわつき始める。
「友くん。俺、本当に変じゃない?」
俺の心配をよそに友くんはにこやかに笑う。
「変じゃないよ。寧ろ可愛いくらい」
友くんは紳士だ。こんな俺にもお世辞が言えちゃう。凄い、こんな綺麗なお顔立ちしてるのに性格まで……!っと感動しているが、周りの目は完璧に俺と友くんの方を見ているではないか。
何でだ、俺は確かに変人だけど。見る価値ないじゃんっと思いに浸りながら、口が滑る。
「うちのクラス、可愛い子多いよねー!」
「後ろの席の速水くん。すごい親切でね」
「入学式で俺を引っ張った先生。凄い人気みたいでさー」
言葉を紡ぐ俺に友くんは相槌を打ってくれてはいるがやはり、周りの様子が気になってるらしく歩きながらも周りを見渡し始めた。
俺のせいで友くんに不快な思いをさせてしまっている事に申し訳なく。楽しい話題作りをしたのだが、全く無理だったらしい。
玄関に入ると友くんは、周りを完璧に見つめていた。
「すみません。茜は見世物じゃないんです」
そう言って友くんはキッと睨み付けた顔を周りの生徒に浴びせた。
いや、俺なんて見世物になってなってないものだし?麗しいのは友くんでは??
「あと茜、男性恐怖症で、さっきから怯えて饒舌になってるんですよ。黙って貰えますか?」
まあ、確かに恐怖症ではあるけどもソレ今バラしちゃう?ん?まって、これどんな状況??っと周りを見渡す。
友くんの言った言葉に周りにいた生徒達は静まり返った。
周りにいた生徒達の視線が針のように俺と友くんに刺さりそうなくらいだった。
耐えきれなかった俺は友くんの手を引っ張ると、友くんはハッと俺に気づいた様子で申し訳なさそうな顔をした。
静まり返った玄関を出て校門から出ると、友くんが思いっきり頭を下げた。
「ごめん!茜に許可なく勝手に色々言ってしまって…!!」
そんな友くんに申し訳ないのは俺の方だ。俺がこんな顔でなければ変人でなければ、友くんにあんな視線を浴びらせる必要なんてなかったはずなのに……っと悔しくてグッと歯を食いしばった。
「そんなこと言わせたのは俺が悪いじゃん。変人でごめんね」
申し訳ない。俺に関わらない方がいいのに。奇怪な目で見られるのは俺だけでいいのだ。だから俺は友くんとは一緒にいてはいけない。1人でいなくては…っと言葉を発した。
「友くん。俺と関わらない方がいいよ」
そう俺が言った言葉に友くんは悲しい表情を見せた。なんでそんな顔をするのか俺には分からない。
「なんで?僕、茜と友達になりたいのに」
その言葉はむず痒く嬉しい筈なのに拒むしか出来ない。
「だって、俺と仲良くしてると今日みたいに皆に見られるよ?」
俺の言葉に友くんは優しく微笑んで首を左右に振った。
「僕は気にしないよ。1人で見られるより、2人の方がきっといいと思うよ?」
なんで友くんはそんな事を言うのだろう…奇怪な目で見られるんだよ? 関わらない方が身のためなのに、気にしないなんて無理に決まっているのに。
「茜は気にするだろうけど。僕は気にしないよ。元々、こんな容姿だし視線には慣れてるから」
慣れているっと言葉に俺はハッとなってしまった。友くんの容姿は確かに目を引くものだった。まるで童話の王子様そのものだったから。
「俺も友くんみたいに慣れるかな…?」
その言葉に友くんはクスッと笑う。
「慣れなくても、僕が全て遮るから大丈夫だよ」
頼もしい友くんの言葉に俺は今にも泣きそうである。
「申し訳ないので、出来る限り慣れる様に努力を惜しまない所存です」
うぅっと唸りながらも俺が発する言葉に友くんは爆笑しているようだ。
「努力しなくても、僕が茜を守るよ」
まるでお姫様に言うような台詞を俺に言ってくる友くんは言う人間違ってるよっと言いたくなったが、あまりに綺麗に笑うから何も言えなくなった。
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