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恋するご令嬢は洞穴ちゃんに語り掛ける。

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 あぁ!この洞穴ちゃんはいつ見てもちょこんと空いていてかわいいわね!今日も私をすっぽり包み込んでくれているわ!しかも、なんか香しい匂いがする♪きっと私を祝福してるのね♪今日あった素敵な出来事を、洞穴ちゃんに報告しなくちゃ!


「ねぇねぇ洞穴ちゃん、聞いて?今日私ね、お遊戯会で王子様に告白されたのよ!」

 うふふふ。今思い出しただけでも胸がドキドキしちゃう!


「それでね、なんて告白されたと思う?うふふふふ」

 ああ、王子様に告白されてしまうなんて、罪作りなわ・た・し♪


「正解は~・・・『ドラゴンよ!姫を返せ!』よ!きゃ~~」

 王子様ったらかっこいい♪私を見つめて情熱的なイケボを放ったのよ!もう私の目も耳も幸せすぎるぅぅ♪


「それでね、王子様はこの後、どうしたと思う?」

 もう私、思い出しただけで卒倒しそうよ♪


「正解は~・・・私の胸に剣を突き刺した、でした!もちろんお遊戯会だから剣はおもちゃで引っ込むようになってるのよ♪」

 王子様の凛々しいお顔が私のすぐ近くまできて・・・あああ!思い出しただけで鼻血がでてきちゃったわ♪もう幸せすぎて訳わかんなくなっちゃった♪


「こんなに王子様に抱きしめてもらえるなら、明日からドラゴンの着ぐるみ、毎日着ちゃおうかしら♪」

 うへへへw想像したら涎が垂れてきちゃうわ・・・・


ぽたぽた


 あ!そろそろおやつの時間だわ!もう帰らなくっちゃ!

「洞穴ちゃん、ばいば~い♪」

 今日のおやつは何かしら♪
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