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しおりを挟む大きな蒼い瞳。
澄んだ湖面のようでいつも綺麗だと思っていた。大好きな瞳だ。
---あきらちゃん。
あの瞳が私の名前を呼んで優しく緩むのを知っている。
「ア、リス…?」
私が鏡に向かって手を伸ばすと、鏡に映る逆さまになった女の子も同じ動きを真似した。
「アリス! やっぱりアリスだ!」
ベッドに残した脚を床に下ろして、姿見に飛び付く。逆さまでなくなった女の子の顔を改めてじっと見つめる。その容貌は間違いなくアリスだった。
「アリス様の指輪…? まさか…いや、だが確かに今…」
ぶつぶつ呟いて考え込んでいる様子の銀髪さんに駆け寄る。
「ねえ! アリスは?」
ぎょっとしたように銀髪さんがたじろぐ。
「アリスはどこに行っちゃったの? あなた知ってる?」
「待て待て! わかったから落ち着いてくれ…」
さも頭が痛そうに銀髪さんが額に手を充てる。
「アリス様が何処にいるかだと? …お前、自分の姿が見えていないのか?」
「え?」
心底訝しげに言われ、自分の姿を見下ろす。でも目に映るのは変わらない自分の姿だ。
「何も変わらない私の姿だけど」
私の返答に銀髪さんは少し思案する素振りを見せると「あの鏡を見ろ」と指差した。
指し示された先を素直に辿る。
そこにあるのは、さっきも見た姿見だ。
銀髪の男の隣にいるのは可憐な女の子だ。綺麗な金髪に、蒼い瞳。すらりと伸びた腕は白く細い。
……あれ?
バッと音がしそうな程勢いよく再び全身を見下ろす。
ソフトボール部に所属しているから、私の両腕は朝夕と太陽の下でグラウンドを駆け回って日に焼けている。もちろん、金髪なんて持っていない。もっと言えば、私は動きづらいからいつも短髪だ。
再び姿見を見る。呆然とした表情のアリスが私を見返している。
…もしかして。
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