限界社畜さんは怪異となかよし

あさの

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からすが鳴いたらかえりましょう

5.

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まあ確かに足腰には自信あるけどさあ。

「大丈夫だって断言されるほど鉄人ではないんだぞ」

軽口を叩きながら来た道を取って返す。

ばさばさと羽ばたく音がさっきより増えている。夕方近くになって、皆ねぐらに帰ってきているのだろう。

からすが鳴いたらなんとやらだ。

不意に聞き覚えのあるぶきっちょな鳴き声がしたような気がした。
あいつも帰ってきたのかな。

なんて考えていたのも束の間、俄に異変に気付く。

「なんだ…?」

いつも通りの鳴き声に聞こえる。けれど、うまく表現出来ないが、…なんだか、焦っているような、急かしているような…。
誰かを呼んでいる?

まさか、助けを呼んでいるのか…?

思い至った時、私の脚は進んでいた方向とは違う方を向いていた。鳴き声のする方へ向かう。早足だったのが、駆け足になったのは直ぐだ。

寄り道をして上司にバレたらまたどやされる?

バレなきゃいいんだよ!
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