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準備編
第1話 嘘だと言ってよ!とっつぁん
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「ヤバイ、遅刻する」
急いで、出勤の支度している俺は揚野 満生あげの みちお
ここから徒歩10分程にある、唐揚げ専門店のキッチンクルー
揚げ物とビールをこよなく愛する俺にとっては、天国とも言える職場だ。
栄養飲料を口で咥えながら靴を履き、玄関を開け放ち外へと飛び込んだ。
するとミチオに照り付ける日光と行き交う人々? 更には見慣れない景色。
「ん? なにこれ、寝ぼけているのか?」
戸惑うミチオ。
それもそのはず、いつもならばコンクリートで固められた道が土むき出し状態だ。
道を歩く人を見てみると、どこかの南国を彷彿させるハワイアン的な服装。
この時間帯だと普通ならば、通勤でスーツを身にまとった成人男性や
学生服を身にまとった学生があちらこちで見られるはずだ。
「一旦、部屋に戻って二度寝でもするか~」
軽く現実逃避したミチオだった。
後ろ向いて部屋に戻ろうとしたが、先程まであった玄関は無く、
只々そこにあるのは路地裏に続く道しかなかった。
「何これ!?」
と満生が呟いた途端、乾いた笑いが響き渡る。
(そうですか、異世界ですか~)
と心の中で絶叫した。
「は! 職場に連絡せねば!!」
と独り言をつぶやくミチオ。
そして、カバンに入れていたスマホを取り出し、職場に連絡をしてみるが、
「圏外ですかそうですか、まぁ、なんとなく思ってましたがw」
と笑うしかない状況だった。
(はぁ~、電波はねぇ、wifiねぇ、おまけに5Gありゃしない!)
と満生は頭の中で軽くリフレインしていくのであった。
……
(うん、現実逃避?は終了しよう!)
多少の時間を有する事により、錯乱状態から何とか復帰することができたミチオ。
(せっかく、異世界に来たんだ。 あれを試してみねば..)
「ステータスオープン!!」
少し待っても雑踏の音しか鳴り響かない..
「ならば、スキルオープン!!」
以下略..
「嘘だろう、何も出ない(涙)」
落胆するミチオ。
すると、じゃー、じゃ、じゃ、じゃーら、じゃん♪
ミチオのスマホの通知音が鳴り響く!!
「圏外で何故、音が鳴る! もしかして…」
淡い期待を持ちつつミチオはスマホを確認する。
何度確認しても圏外..
気が落ちたミチオは通知欄を見るとメールが1通受信されている。
「うわ、圏外なのにメールがきている」
【件名:こちら、世界管理局 第9世界でございます。】
「まぁ、日本から異世界へ迷惑メールを送る奴はいないよな? というより送信できるのか?」
無理やり引き出した勇気をもってメールを開封してみる。
-以下、メール本文-
はじめまして、こちらはこの第9世界の管理者でございます。
第4世界から世界落下をされた揚野 満生様へ
この度は世界管理局 第4世界管理者の間違えでミチオ様が第9世界に到達してしまいました。
元の世界に戻ることは現状では不可能となっております。
尚、不可能な理由についての説明は長くなるので、この場では割愛します。
誠に申し訳ございません。
このままでは申し訳ないので、特別に管理者権限を利用してミチオ様を一時的にサポートいたします。
心の準備が終えましたら、「ウェイアップ」と叫んでください。
P.S 第4世界の管理者には本当に付ける薬がない..
-以上、メール本文-
「なにこれ? ツッコミどころ満載過ぎて草はゆるんですけどw」
まずなんだ、世界管理局?管理者?第4世界?第9世界?
何となくは理解できるが、この世界落下ってなんじゃ?
サポートしてくれるのはいいけど、心の準備ってなんだよ。
しばし情報を落とし込むミチオだった。
「ヨシ! 聞きたいことも整理できたことだし、勇気を絞って」
「ウェイアップ!!」
…
「あれ? 何も起きない!?」
【世界落下サポートプログラムの要請シグナルを感知】
【対象をアップデートいたします】
そこで、俺は気を失った..
急いで、出勤の支度している俺は揚野 満生あげの みちお
ここから徒歩10分程にある、唐揚げ専門店のキッチンクルー
揚げ物とビールをこよなく愛する俺にとっては、天国とも言える職場だ。
栄養飲料を口で咥えながら靴を履き、玄関を開け放ち外へと飛び込んだ。
するとミチオに照り付ける日光と行き交う人々? 更には見慣れない景色。
「ん? なにこれ、寝ぼけているのか?」
戸惑うミチオ。
それもそのはず、いつもならばコンクリートで固められた道が土むき出し状態だ。
道を歩く人を見てみると、どこかの南国を彷彿させるハワイアン的な服装。
この時間帯だと普通ならば、通勤でスーツを身にまとった成人男性や
学生服を身にまとった学生があちらこちで見られるはずだ。
「一旦、部屋に戻って二度寝でもするか~」
軽く現実逃避したミチオだった。
後ろ向いて部屋に戻ろうとしたが、先程まであった玄関は無く、
只々そこにあるのは路地裏に続く道しかなかった。
「何これ!?」
と満生が呟いた途端、乾いた笑いが響き渡る。
(そうですか、異世界ですか~)
と心の中で絶叫した。
「は! 職場に連絡せねば!!」
と独り言をつぶやくミチオ。
そして、カバンに入れていたスマホを取り出し、職場に連絡をしてみるが、
「圏外ですかそうですか、まぁ、なんとなく思ってましたがw」
と笑うしかない状況だった。
(はぁ~、電波はねぇ、wifiねぇ、おまけに5Gありゃしない!)
と満生は頭の中で軽くリフレインしていくのであった。
……
(うん、現実逃避?は終了しよう!)
多少の時間を有する事により、錯乱状態から何とか復帰することができたミチオ。
(せっかく、異世界に来たんだ。 あれを試してみねば..)
「ステータスオープン!!」
少し待っても雑踏の音しか鳴り響かない..
「ならば、スキルオープン!!」
以下略..
「嘘だろう、何も出ない(涙)」
落胆するミチオ。
すると、じゃー、じゃ、じゃ、じゃーら、じゃん♪
ミチオのスマホの通知音が鳴り響く!!
「圏外で何故、音が鳴る! もしかして…」
淡い期待を持ちつつミチオはスマホを確認する。
何度確認しても圏外..
気が落ちたミチオは通知欄を見るとメールが1通受信されている。
「うわ、圏外なのにメールがきている」
【件名:こちら、世界管理局 第9世界でございます。】
「まぁ、日本から異世界へ迷惑メールを送る奴はいないよな? というより送信できるのか?」
無理やり引き出した勇気をもってメールを開封してみる。
-以下、メール本文-
はじめまして、こちらはこの第9世界の管理者でございます。
第4世界から世界落下をされた揚野 満生様へ
この度は世界管理局 第4世界管理者の間違えでミチオ様が第9世界に到達してしまいました。
元の世界に戻ることは現状では不可能となっております。
尚、不可能な理由についての説明は長くなるので、この場では割愛します。
誠に申し訳ございません。
このままでは申し訳ないので、特別に管理者権限を利用してミチオ様を一時的にサポートいたします。
心の準備が終えましたら、「ウェイアップ」と叫んでください。
P.S 第4世界の管理者には本当に付ける薬がない..
-以上、メール本文-
「なにこれ? ツッコミどころ満載過ぎて草はゆるんですけどw」
まずなんだ、世界管理局?管理者?第4世界?第9世界?
何となくは理解できるが、この世界落下ってなんじゃ?
サポートしてくれるのはいいけど、心の準備ってなんだよ。
しばし情報を落とし込むミチオだった。
「ヨシ! 聞きたいことも整理できたことだし、勇気を絞って」
「ウェイアップ!!」
…
「あれ? 何も起きない!?」
【世界落下サポートプログラムの要請シグナルを感知】
【対象をアップデートいたします】
そこで、俺は気を失った..
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