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準備編
第3話 自由都市ニッカウ
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暗転した世界が突然と色の付いた世界に切り替わる。
ふと、あれは夢だったのでは? と思ったが、手にあるスマホを見るとアップデートされている外見だった。
どうやら、初期サポートという名のチュートリアルが終わったのだろう。
「さて、ゼロから始めるとしますか!」
ミチオは何も思わずに管理人より依頼された食文化を向上を目指し、動き始めた..
とはいえ、先ずは生存圏を獲得し生きなければならない。崇高な使命を得ていても死んでしまっては意味がない。
「先ずは、衣食住を確保せねば.. 良い方法はないかな?」
色々と考えてみると確保するにはお金が必要になる。
あ! そうだ!! 思いだした事を試してみようと、カバンの中にある財布を取り出した。
「どうか、この1万円札がチャージ出来ますように!!」
アプリを起動して残金を確認、やはり0だった。それならと1万円札をスマホに近づけた.. チャリーン!と響く音が鳴る。
0P → 10,000P
「よっしゃー! いけた!!」
チャージができて興奮状態のミチオだった。
「これで、何とか飯にありつける」
早速と言うんばかりに、HIT CHEFのおにぎりと唐揚げ、ペットボトルのお茶を購入して食欲を満たす。
10分後.. 腹が落ち着いた所で、ある事を思い出した。
「レコ、返事して!」
スマホに呼びかける。
【ミチオ様、先程ぶりです】
耳にではなく、頭にささやくような感じで聞こえた。
「もしかして、レコの声って他の人には聞こえないの?」
【ミチオ様、正解でございます。なので声を出す際には周りにご注意を!】
「レコ、できれば呼び捨てして欲しいのだが?」
【申し訳ございませんがミチオ様のサポートを任じられておりますので、呼び捨てすることはできません】
う~ん、そうなるのね~ ならば..
「レコ、名前ではなくマスターと呼んでくれないか?」
【マスターと呼称するのは可能です。マスター】
おお! 上手くいった!!
ご主人様も良かったかもしれないが、こちらの方が良い。
「それではレコ、大まかで構わないので、この場所について教えてくれ」
【ここは初期サポートのプログラムでもご説明した通り、東大陸にある自由都市ニッカウです。
自由都市の名の通り、他の国から独立している都市であり商業特化となっております。
西大陸との貿易も盛んな為、ここでは他の都市と比べて手に入らない商品はないと言われております】
日本だと戦国時代の堺に近いのかな?
「レコ、ありがとう。所でこれからどのような行動を取ればいいかな?」
【マスター、申し訳ございませんが私の権限ではお答えできません】
ありゃ、何かに引っかかるのか? う~ん
「レコ、ごめんね。自分でなんとかするよ」
キョロキョロと忙しなくメイン通りを歩いている。
住人が見たこともない衣装を着ている黒髪黒目の青年が一人いた。
それは異世界から来たミチオだった。
「う~ん、黒髪と黒目が揃っている人はいないな.. となると目立つか?」
自由都市ニッカウは交易が盛んな為、種族のサラダボウルと言ったところだが、アジア人的な黒髪黒目の人族は希少である。
「それにしても、イヌミミやネコミミ、トカゲに熊とくるかい..」
すれ違う人々を見ていると元の世界ではあり得ない光景ばかりが広がっている。
冒険者風のいで立ちで闊歩する亜人達や大量生産で作られた服を着る人、雑多で多種多量に置かれている店、時折感じる潮風と潮の匂いをお供に歩いていると、広場らしき所に着いた。
「おお! すごい熱気!!」
広場に露天商が所狭しと並んでおり、商人の掛け声と客との取引をしている光景を目の当たりする。
更に少し離れたところには海と船が拝見できる。
「港だろうか? 気になるが先ずは露店を見てみよう」
早速、露店をウィンドショッピングする。
露店を何件か回った所でミチオはある事に気付く。
「質の悪いものしかないな.. 特にあれは酷かった..」
一部を除き、商品の品質が良くない、最も酷いのは屋台で試飲した酒だ。
香りもなく、味も酸味とえぐみが強く、とても飲み干せるものではなかった。
話を聞くとこの酒は【庶民のエール】と呼ばれている低所得者が飲む酒で、大半の労働者が美味しいと思っているらしい。
「まぁ、収穫できたことはある」
ミチオにとって必要な情報を得たのである。当初は普通に質問したのだが、思いのほか口が堅く聞き出せなかったが、酒を試飲した後で閃いた事を実践したら、皆様、口が軽くなり情報を引き出せたのである。方法は簡単だ。セポマからおビール様【バーム】と紙コップを購入して飲ませたである。情報としては、
◆◆
・この都市で商売をするには、商人協会に入会する事。
入会していないものが商売した場合は罪人となる。詳しくは協会に聞いた方が良い。
・露店より良いものが欲しければ、商店で購入する。
・この都市での支払いは、東大陸共同貨(R:レラ)がメインだが、西大陸共同貨(L:ルッカ)でも一部可能。双方とも最近、紙幣に切り替えられたとのこと。
なので、円札を出すと偽造紙幣と認定される可能性あり。
・おビール様の評価が高いなど..
◆◆
「では、商人協会へ参りますか!」
場所は聞いているので、迷わないように進むべし!
意気揚々して歩いていった。
ふと、あれは夢だったのでは? と思ったが、手にあるスマホを見るとアップデートされている外見だった。
どうやら、初期サポートという名のチュートリアルが終わったのだろう。
「さて、ゼロから始めるとしますか!」
ミチオは何も思わずに管理人より依頼された食文化を向上を目指し、動き始めた..
とはいえ、先ずは生存圏を獲得し生きなければならない。崇高な使命を得ていても死んでしまっては意味がない。
「先ずは、衣食住を確保せねば.. 良い方法はないかな?」
色々と考えてみると確保するにはお金が必要になる。
あ! そうだ!! 思いだした事を試してみようと、カバンの中にある財布を取り出した。
「どうか、この1万円札がチャージ出来ますように!!」
アプリを起動して残金を確認、やはり0だった。それならと1万円札をスマホに近づけた.. チャリーン!と響く音が鳴る。
0P → 10,000P
「よっしゃー! いけた!!」
チャージができて興奮状態のミチオだった。
「これで、何とか飯にありつける」
早速と言うんばかりに、HIT CHEFのおにぎりと唐揚げ、ペットボトルのお茶を購入して食欲を満たす。
10分後.. 腹が落ち着いた所で、ある事を思い出した。
「レコ、返事して!」
スマホに呼びかける。
【ミチオ様、先程ぶりです】
耳にではなく、頭にささやくような感じで聞こえた。
「もしかして、レコの声って他の人には聞こえないの?」
【ミチオ様、正解でございます。なので声を出す際には周りにご注意を!】
「レコ、できれば呼び捨てして欲しいのだが?」
【申し訳ございませんがミチオ様のサポートを任じられておりますので、呼び捨てすることはできません】
う~ん、そうなるのね~ ならば..
「レコ、名前ではなくマスターと呼んでくれないか?」
【マスターと呼称するのは可能です。マスター】
おお! 上手くいった!!
ご主人様も良かったかもしれないが、こちらの方が良い。
「それではレコ、大まかで構わないので、この場所について教えてくれ」
【ここは初期サポートのプログラムでもご説明した通り、東大陸にある自由都市ニッカウです。
自由都市の名の通り、他の国から独立している都市であり商業特化となっております。
西大陸との貿易も盛んな為、ここでは他の都市と比べて手に入らない商品はないと言われております】
日本だと戦国時代の堺に近いのかな?
「レコ、ありがとう。所でこれからどのような行動を取ればいいかな?」
【マスター、申し訳ございませんが私の権限ではお答えできません】
ありゃ、何かに引っかかるのか? う~ん
「レコ、ごめんね。自分でなんとかするよ」
キョロキョロと忙しなくメイン通りを歩いている。
住人が見たこともない衣装を着ている黒髪黒目の青年が一人いた。
それは異世界から来たミチオだった。
「う~ん、黒髪と黒目が揃っている人はいないな.. となると目立つか?」
自由都市ニッカウは交易が盛んな為、種族のサラダボウルと言ったところだが、アジア人的な黒髪黒目の人族は希少である。
「それにしても、イヌミミやネコミミ、トカゲに熊とくるかい..」
すれ違う人々を見ていると元の世界ではあり得ない光景ばかりが広がっている。
冒険者風のいで立ちで闊歩する亜人達や大量生産で作られた服を着る人、雑多で多種多量に置かれている店、時折感じる潮風と潮の匂いをお供に歩いていると、広場らしき所に着いた。
「おお! すごい熱気!!」
広場に露天商が所狭しと並んでおり、商人の掛け声と客との取引をしている光景を目の当たりする。
更に少し離れたところには海と船が拝見できる。
「港だろうか? 気になるが先ずは露店を見てみよう」
早速、露店をウィンドショッピングする。
露店を何件か回った所でミチオはある事に気付く。
「質の悪いものしかないな.. 特にあれは酷かった..」
一部を除き、商品の品質が良くない、最も酷いのは屋台で試飲した酒だ。
香りもなく、味も酸味とえぐみが強く、とても飲み干せるものではなかった。
話を聞くとこの酒は【庶民のエール】と呼ばれている低所得者が飲む酒で、大半の労働者が美味しいと思っているらしい。
「まぁ、収穫できたことはある」
ミチオにとって必要な情報を得たのである。当初は普通に質問したのだが、思いのほか口が堅く聞き出せなかったが、酒を試飲した後で閃いた事を実践したら、皆様、口が軽くなり情報を引き出せたのである。方法は簡単だ。セポマからおビール様【バーム】と紙コップを購入して飲ませたである。情報としては、
◆◆
・この都市で商売をするには、商人協会に入会する事。
入会していないものが商売した場合は罪人となる。詳しくは協会に聞いた方が良い。
・露店より良いものが欲しければ、商店で購入する。
・この都市での支払いは、東大陸共同貨(R:レラ)がメインだが、西大陸共同貨(L:ルッカ)でも一部可能。双方とも最近、紙幣に切り替えられたとのこと。
なので、円札を出すと偽造紙幣と認定される可能性あり。
・おビール様の評価が高いなど..
◆◆
「では、商人協会へ参りますか!」
場所は聞いているので、迷わないように進むべし!
意気揚々して歩いていった。
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