高校教師◆近所のガキんちょがJKになったら高校教師の俺が担当するクラスの生徒になった◆

猫カレーฅ^•ω•^ฅ

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01_入学式

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「お邪魔しまーす。先生においしくいただかれに来ました」

おかずをタッパーに入れて持ってきた制服姿の紗弓。

「ちょっと待て。それ聞き方によっては俺が社会的に抹殺されるんだが」

「言い直します。先生にぐっちょんぐっちょんにヤられに来ました」

「それは誰がどう聞いてもダメなやつだろう!」

「てへっ」




■俺と十連地紗弓のこと―――
この子は、十連地紗弓(じゅうれんじさゆみ)、俺が住んでいるアパートの大家さんの娘さんだ。

俺がこのアパートに引っ越してきた大学生の頃、近所でひとりで遊んでいたのが紗弓。
大家さんとも比較的仲が良いので、当時小学生だった紗弓を子守的に遊んでやっていた。
近所のいいお兄さんと、大家さんの子供さんという関係だった。

数年後、俺は大学を卒業して比較的近所の高校の教師になった。
それで今年やっとクラスを担当させてもらえるようになった。
自分の成長を喜んでいた矢先のことだった。



紗弓が俺の勤めている高校に入学してきた。
言っちゃあなんだが、割と偏差値高めの進学校。
紗弓はそんなに成績が良かった方じゃなかったのに・・・

紗弓が入学してくるなんて、夢にも思っていなかった。
そして、あろうことか、俺が担当するクラスに紗弓がいた!





■俺たちの関係―――
紗弓は、日常的にうちに遊びに来きていた。
お母さんの百合子さんは、遅くまで働きに出ているから、ひとりで寂しかったのかもしれない。

家で料理を作って、母親の帰りを待つのが彼女の日常だが、そのおかずの一部をよく届けてくれる。

今日もただ、お裾分けのおかずを持ってきてくれただけだから。
ただ、どこでどう歪んだのか、ちょいちょい気になる言い方をする。


「それにしても、先生驚きましたね。先生が担任なんて」


勝手知ったる・・・当たり前のように俺の部屋に入ってきてくつろぐ紗弓。

紗弓は俺のことを高校入学前から『先生』と呼んでいる。
俺が高校に勤めを始めた頃から呼び名が変わった。

ちなみに、それまでは『お兄ちゃん』と呼ばれていた。
俺の名前、富成晃大(とみなりこうだい)は、富成も晃大もどちらも全然呼ばれない。


「学校に話すかどうか考えたけど、俺は知らぬ存ぜぬで通すことにした」

「秘密の関係ですね」


俺の部屋は安アパートの8畳一間。
JKが入り浸っているなんて噂がたったら、俺が社会的に抹殺されてしまう。


「紗弓、お前が高校に通っている間は、あんまりうちに来ない方がいいんじゃないか?」

「それは、結婚して同居するのは、私が高校を卒業したころ、という意味ですか?」

「違う違う!お前だって学校で変な噂になったら困るだろ?」


ちょっと間をおいて、続けた。


「教師と生徒が付き合ってる・・・みたいなさあ」

「あー、でも、それは事実だからバレたらしょうがないですねぇ」


あごに人差し指を当てて少し遠くを見ながら答えた。
一応、想像したみたいだ。


「おまっ、付き合ってないから!俺社会人だからね!」

「そんな寂しいこと言わないでくださいよぉ。長い付き合いじゃないですか」


ニヤリと子供がいいおもちゃを見つけた時のような笑顔を浮かべた。


「以前(まえ)にOKもらいましたよ?」


紗弓が四つん這いで猫のように近づいてくる。

それはまだ紗弓が小学生のころ。
あそびの延長と思って『付き合う』と言ったことがある。
本気だったら大学生と小学生って、完全にロリコン認定だ。事案だ。



「そうだ!先生、これは確認のために、お布団敷きましょうか」


そう言って、テーブルをどけようとする紗弓。


「なぜ、布団を敷く!?」


テーブルを戻す俺。


「ここは純潔をささげて先生との関係を強化しておこうかと・・・」


制服のブラウスに手をかけボタンを外し始める紗弓。


「ちょっ!何してる!?」


急いでやめさせる俺。


「脱がないとできないですよね。あ、もしかして、先生は着たままがいいという趣味が・・・?」

「そういう事じゃない!」



「では、こういうのはどうでしょう?」

紗弓が人差し指を立てて『ひらめいた』のポーズをした。

「なに?どんなの?」

「学校では、私が先生と付き合っていることは一切言いません。普通の生徒として振舞います」

「まあ、そうしてくれた方が面倒ごとにならなくて嬉しいけど・・・」

「代わりに、今、キスをするということで」

「しないしない!」

「それだと私、寂しいです。せっかく一緒の学校になれたのに」


紗弓は眉をハの字にして訴える。


「同級生みたいに言ってるけどさ、俺担任だから!た・ん・に・ん。先生だからね?」

「付き合っていることを秘密にした恋愛・・・なんかこう、キューンとしちゃいますね」

「楽しんでるだろ?俺の方がリスクがデカいんだからな?」

「確かに可愛いJKが毎日部屋に入り浸って、あられもない姿を晒してますからねぇ」


自分の肩を抱いてくねくねする紗弓。


「もう、どっからツッコんでいいのか分かんねえよ」

「あ、やっぱりツッコみますか?お布団を・・・」

「やめれ」


紗弓の頭を鷲掴みにする。
これが無ければ、非の打ち所がない可愛い高校生なのだが・・・


「先生は、もう少しこう・・・髪をボサボサにして、ズボンからシャツを出して、目ヤニとかをつけていた方が良いと思います」

「なに、お前は俺を何とかして社会的に抹殺しようとしているのか!?」

「昼間の先生はイケてました。イケすぎてました。あれではファンができてしまいます」

「ファンって・・・」

「私が嫉妬の炎に焼かれてしまわないためには、先生をイケてない先生にするしかないのです」

「はぁ・・・」





■入学式直後(今日の昼間)―――
入学式が終わって、生徒たちが教室に入っている。
俺の最初のホームルーム。
記念すべき最初の担当クラス。


≪担任、たんにん、TANNIN・・・≫


いい響きだ。
教師になってやっとクラスを任せてもらえるようになった。


(ガラガラガラ)「おはようございまーす」


ドアを開け教室に入る。
最初が肝心だ。
少し緊張していたかもしれない。


『富成晃大(とみなりこうだい)』


カッカッカッと黒板に名前を書く。
書いている間の『間』がもどかしい。

教室がざわついてきている。
俺はくるりと振り返り、教卓に手をついて、自己紹介を始めた。


「富成といいます。今日から1年間皆さんの担任になります」


よし、ここまでは練習通り。
ここで、生徒の顔を見渡した。


「!!」


声にならない驚きがあった。
時間が止まった。
教室中央に、見慣れた顔が!

十連地紗弓がいる!


「あ・・あ・・・」


驚いて、次の言葉が続かない・・・

紗弓は満面の笑顔。
『してやったり』の顔だ。

そう言えば、高校はどこに進んだのか頑なに教えてくれなかった。
出来上がった制服も入学式まで秘密と言って見せてくれなかった。

慌てて出席簿のリストを見る。
たしかに、彼女の名前がある。
なぜ、俺はもっと事前に出席簿を見なかったのか。

もう一度、顔を上げる。

『んー』と紗弓が静かにキス顔でこちらに合図を送る。

あいつアホだ。

俺は全身から汗が噴き出るのを感じた。
教室がわずかにざわつき始めた。


「じゃ、じゃあ、みんなの自己紹介をお願いします・・・」


なんとか他に振ることで俺から目線を逸らすしかない。
その間に、精神的に立て直す。


「じゃあ、レディーファーストで相沢から・・・」

「先生、俺、男だし!」


(多分)相沢が即座に答える。


「「「あははははは」」」

クラスが爆笑に包まれてしまった。
教頭に見つかったら怒られる(汗)


ひそひそひそ・・・


『先生面白い』
『若い!』
『ウケる』
『トミー、超ウケる』


その後はもう、覚えていない。
この日は入学式と自己紹介だけだから、解散して全員帰した。

職員室に着いて、LINEを見るとメッセージが。


『どっきり大成功です!』
『担任になったのは知らなかった』
『もしかして、先生のどっきり!?』


紗弓からだった。
ああ・・・夢じゃなかった・・・最低でもこれから1年間、俺の魂を削るような学校生活が始まったのだった。
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