6 / 6
異世界はもふもふ?
しおりを挟む
白で統一された神殿の建物は、滑らかな曲線で形造られている。
芽依は、クリームみたいでかわいいと思い、その建造物を空から見下ろした。
あっという間に空中散歩は終わり、ゆっくりと白く可愛らしい神殿の中庭に降り立った。
中庭に着いた時、芽依はふわっと、風を纏っているように感じた。
『大事無いか?降ろすぞ』
「うん、大丈夫。ありがと~」
蒼龍は、そっと地面に手を下ろし、芽依を中庭に促した。
中庭は芝が敷き詰められ、芽依はふかふかの地面を楽しんだ。
「すご~い、ふかふかだよ!キレイなグリーン、癒されるね~」
芽依は、もともと草花や木々が好きだっため、よく手入れされた芝生の感触に興奮していた。
『そうか、よかったな』
蒼龍は、無邪気な芽依を微笑ましく見ていた。
芽依は、芝生から目線を上げた。
白い壁、小さな噴水、花壇もある。
そして、中庭から建物の中へ通じる扉に複数の人がいた。
芽依は、彼らの頭に目が釘付けになる。そこには、犬の様な耳があったのだ。
「もふもふ…」
パラダイスですか??
芽依は、動物も大好きだったのだ。
『どうした?…あぁ、彼らのはクランの住人狼族の神官たちだろう』
「おおかみ…もふもふ」
芽依は、狼族の耳と時折見える尻尾から目が離せなくなっていた。
「失礼ながら、貴方様は我らクランの民の守護神、蒼龍様でございますね?」
1人の神官が前に出ると、意を決して声をかけた。蒼龍は、芽依から目を離し神官に向かい合う。
神官たちは、みな最上の礼をとっていた。
『そうだ、久しく地上には来ておらなんだが、ここは変わらぬな』
蒼龍は、頻繁に地上を訪れていた時を思い出していた。地上の獣人と、精霊や神との距離は、今よりも遥かに近かった。
龍体のままでは、神殿内には入れない。
蒼龍は、芽依に少し離れる様に告げ、龍人へと姿を変えた。
虹色の輝きを、芽依はうっとりと眺めた。
初めての時には驚いたが、その光は今まで見たことのない輝きで、美しい。
神官たちは、文献や伝承の知識で、守護神は龍体や龍人の姿を持っていることを知ってはいた。しかし、初めて目にするその光景に、思わず礼をといて魅入っている。
「これでよいか、さぁ行くか…。あぁ、我としたことが…まだ其方の名を聞いてなかったな」
蒼龍は、離れていた芽依に近付き、その手をとろうとした。その時、まだ名前を聞いていなかったことに気がついた。
芽依も、突然のことに、自己紹介などという余裕はなかった。
「あ!忘れてました!わたし、木野芽依っていいます。芽依って呼んでください。これから、よろしくお願いします」
ぺこりと、芽依は頭を下げる。
「そうか、メイだな。我の事はエーラッハと呼ぶがよい」
「はい、エーラッハさん」
蒼龍は、芽依に自身の名を告げ、その小さな手をとると、片腕に乗せる様に抱き上げる。急に高くなった視線に、芽依は「ひやぁぁ…」と声を上げ、エーラッハの首に抱きついた。
エーラッハは、それを確認すると、神官たちの方へと向かった。
「待たせたな、頼みがある故、邪魔するぞ」
「承知しております。私は、神官長を務めておりますコルムと申します。なんなりと、このコルムに申し付けくださいませ」
神官の代表として、神官長は名乗り出た。
その毛色は薄いグレーで、声や物腰は柔らかい。
「おぬし、精霊に好かれておるな。なかなか良い気を持っておるな」
「ありがたきことでございます。こちらへどうぞ」
コルムは、その言葉に恐縮したが、すぐさま周りの者に目配せをし、エーラッハと芽依を神殿の内部へと促した。
エーラッハは、うむと頷き芽依を抱えて神殿内へと足を進めた。
芽依は、クリームみたいでかわいいと思い、その建造物を空から見下ろした。
あっという間に空中散歩は終わり、ゆっくりと白く可愛らしい神殿の中庭に降り立った。
中庭に着いた時、芽依はふわっと、風を纏っているように感じた。
『大事無いか?降ろすぞ』
「うん、大丈夫。ありがと~」
蒼龍は、そっと地面に手を下ろし、芽依を中庭に促した。
中庭は芝が敷き詰められ、芽依はふかふかの地面を楽しんだ。
「すご~い、ふかふかだよ!キレイなグリーン、癒されるね~」
芽依は、もともと草花や木々が好きだっため、よく手入れされた芝生の感触に興奮していた。
『そうか、よかったな』
蒼龍は、無邪気な芽依を微笑ましく見ていた。
芽依は、芝生から目線を上げた。
白い壁、小さな噴水、花壇もある。
そして、中庭から建物の中へ通じる扉に複数の人がいた。
芽依は、彼らの頭に目が釘付けになる。そこには、犬の様な耳があったのだ。
「もふもふ…」
パラダイスですか??
芽依は、動物も大好きだったのだ。
『どうした?…あぁ、彼らのはクランの住人狼族の神官たちだろう』
「おおかみ…もふもふ」
芽依は、狼族の耳と時折見える尻尾から目が離せなくなっていた。
「失礼ながら、貴方様は我らクランの民の守護神、蒼龍様でございますね?」
1人の神官が前に出ると、意を決して声をかけた。蒼龍は、芽依から目を離し神官に向かい合う。
神官たちは、みな最上の礼をとっていた。
『そうだ、久しく地上には来ておらなんだが、ここは変わらぬな』
蒼龍は、頻繁に地上を訪れていた時を思い出していた。地上の獣人と、精霊や神との距離は、今よりも遥かに近かった。
龍体のままでは、神殿内には入れない。
蒼龍は、芽依に少し離れる様に告げ、龍人へと姿を変えた。
虹色の輝きを、芽依はうっとりと眺めた。
初めての時には驚いたが、その光は今まで見たことのない輝きで、美しい。
神官たちは、文献や伝承の知識で、守護神は龍体や龍人の姿を持っていることを知ってはいた。しかし、初めて目にするその光景に、思わず礼をといて魅入っている。
「これでよいか、さぁ行くか…。あぁ、我としたことが…まだ其方の名を聞いてなかったな」
蒼龍は、離れていた芽依に近付き、その手をとろうとした。その時、まだ名前を聞いていなかったことに気がついた。
芽依も、突然のことに、自己紹介などという余裕はなかった。
「あ!忘れてました!わたし、木野芽依っていいます。芽依って呼んでください。これから、よろしくお願いします」
ぺこりと、芽依は頭を下げる。
「そうか、メイだな。我の事はエーラッハと呼ぶがよい」
「はい、エーラッハさん」
蒼龍は、芽依に自身の名を告げ、その小さな手をとると、片腕に乗せる様に抱き上げる。急に高くなった視線に、芽依は「ひやぁぁ…」と声を上げ、エーラッハの首に抱きついた。
エーラッハは、それを確認すると、神官たちの方へと向かった。
「待たせたな、頼みがある故、邪魔するぞ」
「承知しております。私は、神官長を務めておりますコルムと申します。なんなりと、このコルムに申し付けくださいませ」
神官の代表として、神官長は名乗り出た。
その毛色は薄いグレーで、声や物腰は柔らかい。
「おぬし、精霊に好かれておるな。なかなか良い気を持っておるな」
「ありがたきことでございます。こちらへどうぞ」
コルムは、その言葉に恐縮したが、すぐさま周りの者に目配せをし、エーラッハと芽依を神殿の内部へと促した。
エーラッハは、うむと頷き芽依を抱えて神殿内へと足を進めた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる