ちびっ子異世界遊戯

khu@bunny

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異世界はもふもふ?

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 白で統一された神殿の建物は、滑らかな曲線で形造られている。
 芽依は、クリームみたいでかわいいと思い、その建造物を空から見下ろした。
 あっという間に空中散歩は終わり、ゆっくりと白く可愛らしい神殿の中庭に降り立った。

 中庭に着いた時、芽依はふわっと、風を纏っているように感じた。

『大事無いか?降ろすぞ』
「うん、大丈夫。ありがと~」

 蒼龍は、そっと地面に手を下ろし、芽依を中庭に促した。
 中庭は芝が敷き詰められ、芽依はふかふかの地面を楽しんだ。

「すご~い、ふかふかだよ!キレイなグリーン、癒されるね~」

 芽依は、もともと草花や木々が好きだっため、よく手入れされた芝生の感触に興奮していた。

『そうか、よかったな』

 蒼龍は、無邪気な芽依を微笑ましく見ていた。

 芽依は、芝生から目線を上げた。
 白い壁、小さな噴水、花壇もある。
 そして、中庭から建物の中へ通じる扉に複数の人がいた。
 芽依は、彼らの頭に目が釘付けになる。そこには、犬の様な耳があったのだ。

「もふもふ…」

 パラダイスですか??

 芽依は、動物も大好きだったのだ。

『どうした?…あぁ、彼らのはクランの住人狼族の神官たちだろう』

「おおかみ…もふもふ」

 芽依は、狼族の耳と時折見える尻尾から目が離せなくなっていた。

「失礼ながら、貴方様は我らクランの民の守護神、蒼龍様でございますね?」

 1人の神官が前に出ると、意を決して声をかけた。蒼龍は、芽依から目を離し神官に向かい合う。
 神官たちは、みな最上の礼をとっていた。

『そうだ、久しく地上には来ておらなんだが、ここは変わらぬな』

 蒼龍は、頻繁に地上を訪れていた時を思い出していた。地上の獣人と、精霊や神との距離は、今よりも遥かに近かった。
 龍体のままでは、神殿内には入れない。
 蒼龍は、芽依に少し離れる様に告げ、龍人へと姿を変えた。
 虹色の輝きを、芽依はうっとりと眺めた。
 初めての時には驚いたが、その光は今まで見たことのない輝きで、美しい。

 神官たちは、文献や伝承の知識で、守護神は龍体や龍人の姿を持っていることを知ってはいた。しかし、初めて目にするその光景に、思わず礼をといて魅入っている。

「これでよいか、さぁ行くか…。あぁ、我としたことが…まだ其方の名を聞いてなかったな」

 蒼龍は、離れていた芽依に近付き、その手をとろうとした。その時、まだ名前を聞いていなかったことに気がついた。
 芽依も、突然のことに、自己紹介などという余裕はなかった。

「あ!忘れてました!わたし、木野芽依っていいます。芽依って呼んでください。これから、よろしくお願いします」

 ぺこりと、芽依は頭を下げる。

「そうか、メイだな。我の事はエーラッハと呼ぶがよい」
「はい、エーラッハさん」

 蒼龍は、芽依に自身の名を告げ、その小さな手をとると、片腕に乗せる様に抱き上げる。急に高くなった視線に、芽依は「ひやぁぁ…」と声を上げ、エーラッハの首に抱きついた。
 エーラッハは、それを確認すると、神官たちの方へと向かった。

「待たせたな、頼みがある故、邪魔するぞ」
「承知しております。私は、神官長を務めておりますコルムと申します。なんなりと、このコルムに申し付けくださいませ」

 神官の代表として、神官長は名乗り出た。
 その毛色は薄いグレーで、声や物腰は柔らかい。

「おぬし、精霊に好かれておるな。なかなか良い気を持っておるな」
「ありがたきことでございます。こちらへどうぞ」

 コルムは、その言葉に恐縮したが、すぐさま周りの者に目配せをし、エーラッハと芽依を神殿の内部へと促した。

 エーラッハは、うむと頷き芽依を抱えて神殿内へと足を進めた。

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