禁断のrainbow rose

秋村篠弥

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東 龍牙~東を治める者~

東のshort episode1

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ジリリリリ
「うるせぇ」
 アラームが鳴り、東龍牙は手探りで時計を探す。見つけたが、それは倒れてしまい、ギリギリ手が届かない。
「くそっ」
 ベッドから身体を少し出すと、時計を掴んで止めた。
 ジリリリリッ
しかし、アラームはまた鳴り出す。
「あァー」
 奇声に似た声を発すると、東はまたアラームを掴み今度はスヌーズも切る。が、目に入った時刻に心臓が飛び出そうになる。
「なっ、もう7時かよ!」
 飛び起きると共に、ドアが開いた。
「いつまで寝てるの、この寝坊助」
 そう言って呆れた顔でため息をついたは、姉のカスミ。外では大人しそうな少女に見えるが、結構雑なところがある。だが、一般的なイメージが良いせいか、恋人と長持ちしているらしい。ちなみに今年で20歳になり、東とは3つ離れている。
「今、起きるつーの!」
 東は髪を掻きながら、姉に反抗する。カスミはそれを聞いて起きたと確認したのでリビングに向かった。
 今日は久しぶりの土曜登校で、今週は6日間学校がある事になる。バックレたいのはやまやまだが、煩い姉と成績が心配で寝てもいられないのだ。
 制服とバッグを持つと、入浴所へ入る。適当に全身を洗うと着替えた。
 リビングに一足遅く行くと、スクランブルエッグが置いてあった。しかし、向かいに座るカスミの顔が化粧じみていると感じた。
「朝からケバイな」
 そんな茶化しも化粧の理由には勝てない。
「デートよ、アンタと違って!」
 その言葉に東は墓穴を掘ったと理解した。
「行ってくる」
 朝は基本平日は両親とも、仕事に出ている。そのため小さい頃から姉と自分だった。
「行ってらっしゃい!気を付けてね」
 わざとらしくウィンクをするが、本来それを受けるべき相手は数時間後に会う人物だろうと予測する。
 別に恋人がいらない訳では無いんだが。南遼を見れば羨ましいと思う。告られる西竜牙を見る度に羨ましいと思う。何故、自分だけ告白できず、告白されないのか。
 無意識にため息が出る。
 東は知らない、彼の容姿に惚れていても告白出来ない女子が居るということを。

 土曜授業は午前で終わり、12時には学校は終わった。今日の区会議までにはまだ、2時間ほどある。
 今日は物理がなかったため、紅月の姿を見ていない。
 その足は物理学準備室へと向かっていた。
 東には珍しく、ノックをした。しかし、応答がない。居ないのかと諦め半分にドアに手を掛けるが難なく開く。
 わざと無視しているのだろうと理解し、東は勝手に入り込んだ。
 だが、その先にあった光景に東はバッグを落とした。
「嘘、だろ……」
 視線がソレから離れない。むしろ、引き寄せられるようにソレに歩み寄る。
 スヤスヤと静かに寝息をたて、ワイシャツ姿の紅月が無防備に白衣を適当に掛けて寝ていた。
「あ、紅月っ」
 思わず名前を呼んでしまうが、起こしたくないと思い呼びかけをやめる。
 白衣を退かすと、ワイシャツから腹部が露出していた。とても涼し気に気持ちよく寝ている姿は、何とも美しかった。
 東の胸の内に膨らむ感情は、
「可愛い」
 だった。つり上がっているキツイ瞼が閉ざされ、いつも仏頂面か、片方だけ引き上がっている生意気な口元は緩んでいた。
「ぅん」
 寝返りを打つとまたスヤスヤと寝息が聞こえてくる。そんな可愛い紅月の寝ているベッドに腰掛ける。
 東はいつもの仕返しに、飛びっきりのプレイを思い付いた。ので実行することにした。

「んん」
 伸びをしようと両足手を伸ばした。のだが、伸びたのは胴体だけで、腕と脚は何故か動かない。妙に体に受ける空気がヒンヤリしている気がする。
 ゆっくりと瞼を開ける。眩しい日の光が起きたての目には痛い。
「起きたか、紅月」
 その声がした先を見ると、東龍牙がにやりと笑いこちらを見下げていた。
「東か…ん?」
 目が慣れてくると同時に、自分の置かれている立場が理解出来てくる。
 シャツははだけ、下はパンツのみ。
「おい、何やってんだ」
 東は楽しくてたまらないのか、ニヤニヤしながら勿体ぶる。
「さぁー何をされてるか少し考えたらどうだ?」
 紅月は何をされているのか、理解する。
「拘束プレイは一方的だろ。だからおれはあまり好まない。ことに俺が受けになる分には更にだ」
 東は聞いてるのかいないのか、聞く気がないように紅月の瞳を見据えていた。
「西ならともかく、お前は論外だ」
「言ってくれるじゃねぇか」
 東はそう言うとたまたま持っていた手ぬぐいで、紅月に目隠しをした。
 紅月は抵抗しようとするが、手を後ろに固定され動かせない。足は横にした棒に足首を固定されているため、閉じることさえできない。
「紅月、お前はウケでも相当イケる」
「目隠しなんかしたらレイプだぞ、アウトだろ」
 身をよじりながら言う紅月に、東はゆっくりとボディラインをナゾる。
「いや、紅月だって淫薬嗅がせたかと思ったらいきなり襲ってきただろ、同意がなけりゃレイプになんだよ」
「知るか、にしたってこの状況は」
 珍しくうるさい紅月に、東は首筋にキスをした。
「ッ」
 涼しげに寝ていた紅月は、今では頬を少し赤らめていた。
「なぁ、何かいつも淫薬プンプンなのに、今日は空気が新鮮だな」
「そんなに淫薬が好きか、この下に並んでるヤツの一つや二つ使ったらどうだ?」
 紅月も何だか乗り気でそう提案した。東はそんな事に驚きつつも、ベッドの下を覗き込む。
 シーツで見えるか、見えないかのところに、いくつかの半透明な入れ物がいくつか並んでいた。瓶の物もある。
 何となくイヤラシイ赤色の瓶と紫色の入れ物を取った。使い方は裏にシールで書いてあるのでそれを読む。
「はぁ、何で俺がお前の実験台にならなきゃいけないんだ」
 紅月はため息混じりに言うが、彼だって本当はどんな事をされるのか気になって、楽しみで仕方無いのだ。
「ふむふむ、分かったぞ」
 東はとりあえず赤色の瓶を開け、傾ける。手のひらにヒンヤリと液体が乗っかると同時にフワッと甘ったるい匂いが鼻腔を刺激した。
 その匂いに、何を選んだのか理解した紅月は顔をしかめたのだが、そのことを東は知らない。
「よし」
 東は何も分かっていなかったが、両手で液体を紅月の上半身に伸ばしながら塗っていく。紅月は顔を壁側に背けていた。
「これって塗ると何なんだ?」
 そう聞くと同時に、手のひらが段々と熱を帯びてきた。
 紅月は苦しそうに歯を食いしばりながら、肩で息をし始める。きっと紅月の身体にも熱が帯び始めているのだろう。
「ぁ……はぁ、っ」
「紅月、やっぱり目隠しして良かったんじゃないか?辱めを想像で感じる、良いじゃんか」
 東はいつもの仕返しとばかりに紅月に跨り覆い被さる形になった。そして耳元で囁く。
「今日はずっと俺のターンだ」
 そう囁くと、じれったいのか紅月は身体をまたよじり始める。
「紅月って受けになると案外可愛いよな」
「お前、マジでっ、覚えてろよ」
 東は身軽になりたい気持ちと、服が身体にまとわりつき鬱陶しく感じ、学ランをカバンの傍に投げた。脱いでいる途中で、自分のモノが久々にそそり立っていた事に気がつく。
「この間、紅月、下責めてきたよな?だったら、下も行けるってことか」
 紅月は息の合間合間に苦しそうに言う。
「襲う事に…上も下も、あるかっ」
「なるほど、じゃ今日はじっくり責めていくからな」
 今日が午前授業で良かったと思う。
 東は紅月の顎を持つと、自分の舌を差し入れ掻き回した。これは紅月が東に序盤からやってくる定番のものだ。
「ふぐっ、んんっ、んっ」
 紅月はビクビクとしながら息遣い荒く抵抗してくる。が、淫薬が効いているのか、何とも力弱い。
 少し離し息を整えるが、そのまま舌を耳元、首筋、ついに乳首まで這わせゆっくりとボディラインを堪能する。
 その間の紅月の喘ぎは、今までで一番だった。触れられる所全てが敏感になってしまっているため、意識をしても声を止めることが出来ない。
 むしろ、堪えようと力む事で更に敏感に感じてしまう様に思えた。
 上半身の突起の片方を舌で転がし、片方を手で弄ぶ。紅月はたえず、腰を動かそうとしていた。
「もうそろそろ、中盤だな」
 東は紅月を壁に寄り掛からせるように座らせると、紫色の入れ物を手にする。
「はぁっ……まだ、続くのか…」
 紅月の疲労感が伝わってくる。感じっぱなしはかえって辛いかもしれない。でも、いつも自分がやられてる分、今日は逆に仕返しをしてやる。
 紫色の入れ物を傾け、液体を出すがこちらは透明で無臭だった。
 紅月が、見えない目隠しの中の目で問うてくる。一体今度は何を使われるのか、と。
 それには反応しないで、パンツの中に手を突っ込み、それを塗りたくる。主に、紅月の普段はしとやかにたたずんでいるモノに。
「なっ、ぁぁぁあああっ!」
 いきなりの事だったからか、それともすでに果てるギリギリだったからか、紅月は簡単にイッた。これには東が驚いた。
「紅月?」
「ぁっ…な、んだ…?」
「大丈夫か?」
 パンツに出来たシミを指でナゾる。紅月はそれをまた感じてしまい、必死に堪える。
「大丈夫。じゃ。ないっ」
 東はそんな必死な紅月にまた興奮する。弄ってもないのに、紅月を見ているだけでイキそうになる。しかしそのままにして置きたくもない。
 そこで東は自分で扱くのも嫌だったので、紅月の口に入れることにした。いわゆるフェラとか言うものだ。衛生的は問題ない、朝風呂派だから。風呂に入ってから7時間は経っていない。
 適当に自分の中で納得し、とりあえず手で紅月の口を開けた。手にはまだ液体が付いていたのでそれを利用する。
「なっ、ん、だっ」
 抵抗しようとはするのだが、腹部に触れるとビクッとなり、力が抜ける。
「とりあえずお前のせいで立ったこっちをどうにかしてくれ」
 その言葉に紅月は悟った、そして大人しく咥える。予想外に素直な態度に東はまた驚かされる。
 改めて見ると本当にイヤラシイ。ベッドの上に腕は後ろに組まされ、脚は固定されている紅月が、自分のモノを咥えているのだ。
「っ!」
 と、紅月に見とれている場合ではなかった。紅月は妙にフェラが上手い。舌遣いが手の様に動く。そんな思いがけない奉仕に東は果ててしまった。
 紅月は東が出した濁汁を何回かに分けて飲み込む。東は仕方なく紅月から自分のモノを出した。
「お前、自慰って知ってるか」
 東は短くあぁ、と答えた。
「最近してなかっただろ?」
「何でそう思う?」
 まともに、紅月以外に欲情しない東はそれを含め、図星を悟られない様、冷静に聞く。紅月は口の端に笑みを浮かべ言った。
「味が濃かったからな」
 やっぱり、紅月はこのような事はやり慣れているのだろうか?基準がなければら濃い薄いの話は出てこないとおもうのだが。
「もうイイだろ、俺が先にイッた事は謝る」
「チッ」
 東は一回出した事により、興奮がだいぶ収まったので紅月を解放する。
 紅月は欠伸をすると、自分にこびり付いた媚薬をタオルで拭き取り始める。ある程度拭くと東に仏頂面を向け、
「それとお前、本気で覚えてろよ?」
と言ってきた。ので、東は紅月から目を逸らした。


 何だかんだで、家に帰ってくると、やけに静かに感じた。先程、有り得ないくらい興奮していたからだろうか?
 カスミは今日なんかはきっと彼氏と夕飯まで食べてくるだろうから……。
 そんなことを考えながら、冷蔵庫を開ける。
 普通はそれが正しい。異性交遊が正しいのだ。自分は、だいぶアウトだ。同性どころか、教師と生徒の仲だ。
 ドアを開けて漂う冷気に寒気を感じ、理性が今更ながら完全に戻ってきた。
 そうだ、紅月のあんな寝顔を見てしまったから理性がどこかに行ってしまったのだ。
「はぁ」
 同性の教師の寝顔見て理性飛ぶとか、どんだけ欲求不満なんだよ。
 東は自分に密かに絶望しながら、まともな恋をしようと思った。それこそ、カスミや南の様に。
 紅月だって、早く空野ちゃんの気持ちに気が付いてあげればいいのにな。
 と、自分が異常に紅月に執着している事を自覚しているのか、いないのか…そんな事を考える。
 にしても……変な1日だったな。
 東は冷蔵庫から出した牛乳をコップに注がないまま、パックに口を付けて飲んだ。


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