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西 竜牙~西を治める者~
西のshort episode1
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「似合わねぇな」
渡された真っ赤な薔薇の花束を見ていると、登坂透志〝とうさか とうし〟が隣からソレを覗き込んできた。
「似合わなくて悪かったな」
「顔は良いんだけどな」
同性に容姿を認められ、ゾッとした。
「気持ち悪い」
西竜牙は2月14日が嫌いだった。思い返すのもおぞましい。チョコという意思表示を押し付けられ、男子には何故か反感を喰らい、女子からは嫉妬を買う。
だが、2月14日をバレンタインデーなんてイベントで終わらせたくなかった。今日はバレンタインデーであると共に、誕生日でもあるのだ。それを知っているのは友人複数程度だ。
「アレ、お前にやるよ」
西は靴箱を指さし登坂に言った。
「遠慮なく頂くぞ」
登坂は自分宛てでもないのに嬉しそうだった。
さて、食べ物は良いとしてコレはどうしようか。
この薔薇に似合う人物を探したところ、とある青年の姿が現れる。彼に会うべく、西竜牙は区会議という名の誕生日会をよそに秋川高校へ向かった。
「ヘクシュンっ!」
背中がゾクゾクし、寒気がした。誰かが噂でもしているのだろうか?いや、そんな事を言っている場合では無い。風邪をひいたんだな。
紅月は観念すると、市販の風邪薬を飲む。
ココ最近、蒼原の長電が続いていてロクに眠れていない。体調を崩しかけているのはそのせいだろう。
話題は彼と恋人の話だ。ほとんどが惚気で退屈しのぎにもならない。そんなものはサッサと切ってマナーモードにでもして寝てしまえば良いのだが、どこかで、女性との交際に興味があるのだろう。うっかり聞いてしまうのが現実だ。
トントンッ
そんなノック音が聞こえたかと思うと、乱暴にドアが開けられた。バーコードかと思ったが、こんな乱暴にドアを扱わない。ならば……
「遊びに来てやったぜ!紅月!」
偉そうな声音が聞こえたかと思うとズカズカと手なずけた一同が入ってきた。
「どーも」
背格好のある東龍牙の陰から、染谷あゆめが顔を出した。彼女は何故か大きな鞄を抱き抱えていた。
「今日はどうした?3Pなんてお断りだぞ」
俺の言葉に2人はやれやれといった表情だった。
「私とアズマ先輩からのバレンタインデーチョコです!」
あゆめは両手で持っていた鞄を前に突き出した。
「これは空野ちゃんから」
続いて東が手提げ袋を渡してきた。紅月はただキョトンとしていたがとりあえずそれらを受け取り、机に置いた。
「空野ちゃん、手作りらしいですよっ。早く見てあげて下さい!」
あゆめに促され、渋々可愛らしい柄の手提げ袋を手に取る。
『紅月先生に、渡してもらえないかな?』
東とあゆめは空野叶にソレを渡された時、驚きを隠せなかった。
『紅月先生に?ですか?何で自分達に?』
そう尋ねると彼女は、青春時代の少女の様に赤面になりながら言った。
『あなた達、よく先生のところへ行くでしょ?今からも行きそうだし。それに、市販ならまだしも、手作りを手渡すなんて……』
語尾は恥ずかしさからほとんど聞こえない声だった。この時、2人は空野先生、可愛いなと思った。愛らしいとはこの事を言うのだろう。
だが、同時に空野がイメージする紅月と自分達が知っている裏の紅月がイコールになり、心が痛んだ。空野先生は騙されている、と。
かくして、2人はついででその手提げ袋を受け取ったのだ。
「空野先生は器用だな…」
紅月は表の顔でそんな罪を犯しているとは知らずに、カップケーキを取り出すと眺める。2人もそのカップケーキを見て感心した。見た目通り、女子力が高い様だ。
紅月はカップケーキを一口食べると、しばらく咀嚼していたが飲み込んで言った。
「味は美味いな」
「味はってどういう意味だ」
東の問いに紅月はため息をついた。
「何か重いんだよな、胃にじゃなくて。なんか重い」
あゆめは、きっと空野先生の紅月先生への想いが重いのだろうな、と乙女心を悟った。
下校時間だからか、パラパラと校門から生徒が出てきた。この間と同様に裏から入り、窓から侵入し物理準備室へと歩を進めた。
階段を駆け上がっていると、踊り場で人とすれ違う。彼は驚いた様に振り返った。
「紅月」
「……誰だっけ?」
人は認識しているが名前が思い出せないような、複雑な顔をしていた。
「…西だ、西竜牙」
「あぁ、久しぶり。転入でもして来たのか?」
探し求めていた青年は、自分が持っている物を見て変な表情をした。お前には似合わない、と言うように。
「私立から公立に成り下がるかよ、俺はお前にこれを渡しに来たんだ」
そう言って薔薇の花束を押し付け、階段を下がろうとする。が、手首を掴まれた。
「待て、せっかく遊びに来たんだから遊んで行けよ」
そう言われ紅月に腕を掴まれたまま階段を上がる。
「乗り気じゃないな?」
西は紅月の背中を見守りながらどこに連れて行かれるのか疑問を持っていた。
最上階の階段を上がり切り、ピタッと紅月の歩みが止まる。
しばらく不審に思っていると、突然紅月は振り返り西の腕を引っ張ると壁際に寄せた。背中に付いた壁が嫌にヒヤッとした。
頭と同じくらいの高さに肘を付けられる。紅月の吐息が顔にかかる。生暖かく、甘ったるいチョコの匂いがする。
「お前もだいぶ貰いそうだな」
今日はバレンタインデーだ、コイツはきっとモテそうだから、チョコを貰うに違いない。先程までそれを食べていたのだろう。
だが、実際に紅月が先程食べていたのはカップケーキだ。それはチョコ味ではない。
西はそれを知らずに自分の中で勝手に納得した。
紅月は壁に付いてない方の手を西の顎に添えた。西がキョトンとした瞬間、口内に甘ったるいチョコの感覚が流れてくる。
「ンッ」
紅月が口にチョコを含んでいた事に今更気が付いた西だが、特に意味はなかった。
今、彼は何故早く気が付かなかったのか、なんて疑問じゃない。何故これ程までに甘く美味しく感じるのか、そんな事に思考と感覚が奪われていた。
段々とチョコの味は薄れていくが、西を襲う快楽は増していく一方だった。
「……ハァ」
ため息にも似た声を漏らし、紅月はゆっくりと離した。西は口元を拭う。だが、壁ドンという距離は変わらない。
西は不意打ちにより、脱力した。しゃがみ込んだ、のだが目の前に居る淫乱魔がそれだけで満足する訳がない。
紅月はわざわざしゃがんで西と視線を揃える。その時にニヤニヤと悪魔の様な笑みを浮かべているのは言うまでもない。
紅月は西の乱れているシャツに指を入れ、はだけさせた。そこに優しく口付けをした。
西は変に生々しい行為に、目を見開いたがやはり抵抗はしなかった。抵抗が億劫だったというのもある、が1番の理由は期待していた。どのようにどのような快楽をもたらされるのかを。
舌を首筋に這わせ、西の反応を楽しんでいる様に見える。
紅月の舌と共に生暖かい息が、優しく触れる。その不思議な触感に西は自然に目を閉じた。
「食われたいのか?」
鼻で笑うように言うと、紅月は立ち上がった。西は目を開け、壁に完全に身体を預けた。
「今日はやけに大人しいな、お前。あゆめだったりしないよな?」
「誰だよそれ。俺だってたまには…」
西はそこで初めてガラでもなく紅月のやりたい放題やらせていたと自覚した。が、今の西にプライドなんてものは無かった。
「悪いか…?」
西の口から出た言葉に紅月は答えず、手を差し伸べた。
「お前はお前だし、俺は俺だ。胸はってりゃいいだろ。弱気になるなよ」
紅月は微笑む。西は目を逸らすと自分で立ち上がる。
「あ、紅月!居やがった!」
東が駆け寄ってくるが、あゆめの姿は無かった。
「に、西!?何やってんだ?」
東は何となく悟ったが、それを顔に出さずなるべく自然に聞いた。
「コイツにコレを渡しに来ただけッスよ、東さん。今日の区会議、忘れないで下さいよ」
西は紅月の持っている花束を指さす。東はその言葉に人懐こい笑みを浮かべて言った。
「当たり前だ!可愛い後輩の誕生日くらい俺らが祝ってやるよ!」
まるで自分の誕生日の様に無邪気に喜んでいる。
西は踵を返すと片手を上げ、じゃあと言って階段を降りていった。
紅月は東に静かに言った。
「お前の誕生日は?」
「は?」
東は紅月が何を言っているのか分からなかったが、間を置くと理解し頭を掻きながら答えた。
「俺はクリスマスイブだ」
「イベント被りってヤダな」
紅月は茶化すように言った。
PM6:00
西が会議に出席すると、すでに南、東、それに部下達が揃っていた。
「待たせましたか」
「勿体ぶりやがって」
東が毒を吐いて何かを投げてきた。何とかキャッチする。それはプレゼントらしき物だった。
「おめでとうございます。やっと17ですか」
歳下にも敬語を忘れない南。
「南は5月で18だもんねぇー♪」
そう言ったのは彼の恋人である神咲瑠子。座っているのは南の膝上。
ちなみに東と西には恋人が居ない、リア充を見せつけられているようだが、2人は特に気にしていなかった。それはきっと2人はモテているからだろう。今は恋人と自分の生活を両立出来なさそうだと思っているから告白を受けても断ってしまう。
「18までには彼女作ろーな」
にこやかな東は、同じ紅月依存症のためそうは言っても作らないだろうと予想がつく。
そんなこんなで西の誕生日会はガヤガヤと、なんの形も残さず終わった。
西の心には先輩に祝ってもらった事より、紅月との事の方が鮮明に記憶に残されていた。
もちろん、西が大人しかったのはこの日だけだ。次の日には竹刀を振り回し恐喝をし、区を騒がせていた。その騒ぎがまた、紅月の耳に入る、のは時間の問題だ。
渡された真っ赤な薔薇の花束を見ていると、登坂透志〝とうさか とうし〟が隣からソレを覗き込んできた。
「似合わなくて悪かったな」
「顔は良いんだけどな」
同性に容姿を認められ、ゾッとした。
「気持ち悪い」
西竜牙は2月14日が嫌いだった。思い返すのもおぞましい。チョコという意思表示を押し付けられ、男子には何故か反感を喰らい、女子からは嫉妬を買う。
だが、2月14日をバレンタインデーなんてイベントで終わらせたくなかった。今日はバレンタインデーであると共に、誕生日でもあるのだ。それを知っているのは友人複数程度だ。
「アレ、お前にやるよ」
西は靴箱を指さし登坂に言った。
「遠慮なく頂くぞ」
登坂は自分宛てでもないのに嬉しそうだった。
さて、食べ物は良いとしてコレはどうしようか。
この薔薇に似合う人物を探したところ、とある青年の姿が現れる。彼に会うべく、西竜牙は区会議という名の誕生日会をよそに秋川高校へ向かった。
「ヘクシュンっ!」
背中がゾクゾクし、寒気がした。誰かが噂でもしているのだろうか?いや、そんな事を言っている場合では無い。風邪をひいたんだな。
紅月は観念すると、市販の風邪薬を飲む。
ココ最近、蒼原の長電が続いていてロクに眠れていない。体調を崩しかけているのはそのせいだろう。
話題は彼と恋人の話だ。ほとんどが惚気で退屈しのぎにもならない。そんなものはサッサと切ってマナーモードにでもして寝てしまえば良いのだが、どこかで、女性との交際に興味があるのだろう。うっかり聞いてしまうのが現実だ。
トントンッ
そんなノック音が聞こえたかと思うと、乱暴にドアが開けられた。バーコードかと思ったが、こんな乱暴にドアを扱わない。ならば……
「遊びに来てやったぜ!紅月!」
偉そうな声音が聞こえたかと思うとズカズカと手なずけた一同が入ってきた。
「どーも」
背格好のある東龍牙の陰から、染谷あゆめが顔を出した。彼女は何故か大きな鞄を抱き抱えていた。
「今日はどうした?3Pなんてお断りだぞ」
俺の言葉に2人はやれやれといった表情だった。
「私とアズマ先輩からのバレンタインデーチョコです!」
あゆめは両手で持っていた鞄を前に突き出した。
「これは空野ちゃんから」
続いて東が手提げ袋を渡してきた。紅月はただキョトンとしていたがとりあえずそれらを受け取り、机に置いた。
「空野ちゃん、手作りらしいですよっ。早く見てあげて下さい!」
あゆめに促され、渋々可愛らしい柄の手提げ袋を手に取る。
『紅月先生に、渡してもらえないかな?』
東とあゆめは空野叶にソレを渡された時、驚きを隠せなかった。
『紅月先生に?ですか?何で自分達に?』
そう尋ねると彼女は、青春時代の少女の様に赤面になりながら言った。
『あなた達、よく先生のところへ行くでしょ?今からも行きそうだし。それに、市販ならまだしも、手作りを手渡すなんて……』
語尾は恥ずかしさからほとんど聞こえない声だった。この時、2人は空野先生、可愛いなと思った。愛らしいとはこの事を言うのだろう。
だが、同時に空野がイメージする紅月と自分達が知っている裏の紅月がイコールになり、心が痛んだ。空野先生は騙されている、と。
かくして、2人はついででその手提げ袋を受け取ったのだ。
「空野先生は器用だな…」
紅月は表の顔でそんな罪を犯しているとは知らずに、カップケーキを取り出すと眺める。2人もそのカップケーキを見て感心した。見た目通り、女子力が高い様だ。
紅月はカップケーキを一口食べると、しばらく咀嚼していたが飲み込んで言った。
「味は美味いな」
「味はってどういう意味だ」
東の問いに紅月はため息をついた。
「何か重いんだよな、胃にじゃなくて。なんか重い」
あゆめは、きっと空野先生の紅月先生への想いが重いのだろうな、と乙女心を悟った。
下校時間だからか、パラパラと校門から生徒が出てきた。この間と同様に裏から入り、窓から侵入し物理準備室へと歩を進めた。
階段を駆け上がっていると、踊り場で人とすれ違う。彼は驚いた様に振り返った。
「紅月」
「……誰だっけ?」
人は認識しているが名前が思い出せないような、複雑な顔をしていた。
「…西だ、西竜牙」
「あぁ、久しぶり。転入でもして来たのか?」
探し求めていた青年は、自分が持っている物を見て変な表情をした。お前には似合わない、と言うように。
「私立から公立に成り下がるかよ、俺はお前にこれを渡しに来たんだ」
そう言って薔薇の花束を押し付け、階段を下がろうとする。が、手首を掴まれた。
「待て、せっかく遊びに来たんだから遊んで行けよ」
そう言われ紅月に腕を掴まれたまま階段を上がる。
「乗り気じゃないな?」
西は紅月の背中を見守りながらどこに連れて行かれるのか疑問を持っていた。
最上階の階段を上がり切り、ピタッと紅月の歩みが止まる。
しばらく不審に思っていると、突然紅月は振り返り西の腕を引っ張ると壁際に寄せた。背中に付いた壁が嫌にヒヤッとした。
頭と同じくらいの高さに肘を付けられる。紅月の吐息が顔にかかる。生暖かく、甘ったるいチョコの匂いがする。
「お前もだいぶ貰いそうだな」
今日はバレンタインデーだ、コイツはきっとモテそうだから、チョコを貰うに違いない。先程までそれを食べていたのだろう。
だが、実際に紅月が先程食べていたのはカップケーキだ。それはチョコ味ではない。
西はそれを知らずに自分の中で勝手に納得した。
紅月は壁に付いてない方の手を西の顎に添えた。西がキョトンとした瞬間、口内に甘ったるいチョコの感覚が流れてくる。
「ンッ」
紅月が口にチョコを含んでいた事に今更気が付いた西だが、特に意味はなかった。
今、彼は何故早く気が付かなかったのか、なんて疑問じゃない。何故これ程までに甘く美味しく感じるのか、そんな事に思考と感覚が奪われていた。
段々とチョコの味は薄れていくが、西を襲う快楽は増していく一方だった。
「……ハァ」
ため息にも似た声を漏らし、紅月はゆっくりと離した。西は口元を拭う。だが、壁ドンという距離は変わらない。
西は不意打ちにより、脱力した。しゃがみ込んだ、のだが目の前に居る淫乱魔がそれだけで満足する訳がない。
紅月はわざわざしゃがんで西と視線を揃える。その時にニヤニヤと悪魔の様な笑みを浮かべているのは言うまでもない。
紅月は西の乱れているシャツに指を入れ、はだけさせた。そこに優しく口付けをした。
西は変に生々しい行為に、目を見開いたがやはり抵抗はしなかった。抵抗が億劫だったというのもある、が1番の理由は期待していた。どのようにどのような快楽をもたらされるのかを。
舌を首筋に這わせ、西の反応を楽しんでいる様に見える。
紅月の舌と共に生暖かい息が、優しく触れる。その不思議な触感に西は自然に目を閉じた。
「食われたいのか?」
鼻で笑うように言うと、紅月は立ち上がった。西は目を開け、壁に完全に身体を預けた。
「今日はやけに大人しいな、お前。あゆめだったりしないよな?」
「誰だよそれ。俺だってたまには…」
西はそこで初めてガラでもなく紅月のやりたい放題やらせていたと自覚した。が、今の西にプライドなんてものは無かった。
「悪いか…?」
西の口から出た言葉に紅月は答えず、手を差し伸べた。
「お前はお前だし、俺は俺だ。胸はってりゃいいだろ。弱気になるなよ」
紅月は微笑む。西は目を逸らすと自分で立ち上がる。
「あ、紅月!居やがった!」
東が駆け寄ってくるが、あゆめの姿は無かった。
「に、西!?何やってんだ?」
東は何となく悟ったが、それを顔に出さずなるべく自然に聞いた。
「コイツにコレを渡しに来ただけッスよ、東さん。今日の区会議、忘れないで下さいよ」
西は紅月の持っている花束を指さす。東はその言葉に人懐こい笑みを浮かべて言った。
「当たり前だ!可愛い後輩の誕生日くらい俺らが祝ってやるよ!」
まるで自分の誕生日の様に無邪気に喜んでいる。
西は踵を返すと片手を上げ、じゃあと言って階段を降りていった。
紅月は東に静かに言った。
「お前の誕生日は?」
「は?」
東は紅月が何を言っているのか分からなかったが、間を置くと理解し頭を掻きながら答えた。
「俺はクリスマスイブだ」
「イベント被りってヤダな」
紅月は茶化すように言った。
PM6:00
西が会議に出席すると、すでに南、東、それに部下達が揃っていた。
「待たせましたか」
「勿体ぶりやがって」
東が毒を吐いて何かを投げてきた。何とかキャッチする。それはプレゼントらしき物だった。
「おめでとうございます。やっと17ですか」
歳下にも敬語を忘れない南。
「南は5月で18だもんねぇー♪」
そう言ったのは彼の恋人である神咲瑠子。座っているのは南の膝上。
ちなみに東と西には恋人が居ない、リア充を見せつけられているようだが、2人は特に気にしていなかった。それはきっと2人はモテているからだろう。今は恋人と自分の生活を両立出来なさそうだと思っているから告白を受けても断ってしまう。
「18までには彼女作ろーな」
にこやかな東は、同じ紅月依存症のためそうは言っても作らないだろうと予想がつく。
そんなこんなで西の誕生日会はガヤガヤと、なんの形も残さず終わった。
西の心には先輩に祝ってもらった事より、紅月との事の方が鮮明に記憶に残されていた。
もちろん、西が大人しかったのはこの日だけだ。次の日には竹刀を振り回し恐喝をし、区を騒がせていた。その騒ぎがまた、紅月の耳に入る、のは時間の問題だ。
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