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父の憂鬱
父の憂鬱
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「この人、とっても綺麗!」
少年は、それを見た瞬間、幼い小さな瞳を輝かせた。その輝きこそ、今の自分を懲らしめる種となり、芽生えてしまった。
自分の息子であり、長男の戸田新快は、自分の作品に執着心を抱いた。それも、異常なまでの。それを、恋心だと周囲が気が付いた時には全てが遅かった。
だが、作品である「彼女」はまだ試作品。研究され、実験されたら、ゴミ箱行きだろう。それを拾うことも分かっている自分はどうしようも出来ない。どうあがいても、この試作品とはおさらば出来ない。
ある日、試作品で終わるはずの「彼女」がなんと、完成した。まだまだ研究し足りないという結論から、「彼女」を生かしてみよう、となったのだ。
「彼女」の年は新快の弟、次男の斗真と同じ。彼は…兄ほど「彼女」に興味を示さず、むしろどうでも良さげだった。
だが、生きた事によって新快の「彼女」への想いはもっと深まってしまった。
誰か、息子を元の人間らしい人間に戻してくれ!誰でもいい、いっそ「彼女」をもらってくれて構わない!いや、そうしてくれ!
1人の男性が、そう今日も研究をしながらモヤモヤしている。救世主等……現れないのだろうか?
少年は、それを見た瞬間、幼い小さな瞳を輝かせた。その輝きこそ、今の自分を懲らしめる種となり、芽生えてしまった。
自分の息子であり、長男の戸田新快は、自分の作品に執着心を抱いた。それも、異常なまでの。それを、恋心だと周囲が気が付いた時には全てが遅かった。
だが、作品である「彼女」はまだ試作品。研究され、実験されたら、ゴミ箱行きだろう。それを拾うことも分かっている自分はどうしようも出来ない。どうあがいても、この試作品とはおさらば出来ない。
ある日、試作品で終わるはずの「彼女」がなんと、完成した。まだまだ研究し足りないという結論から、「彼女」を生かしてみよう、となったのだ。
「彼女」の年は新快の弟、次男の斗真と同じ。彼は…兄ほど「彼女」に興味を示さず、むしろどうでも良さげだった。
だが、生きた事によって新快の「彼女」への想いはもっと深まってしまった。
誰か、息子を元の人間らしい人間に戻してくれ!誰でもいい、いっそ「彼女」をもらってくれて構わない!いや、そうしてくれ!
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