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第27話 少女達の個性
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「御主人様。辛い環境に置かれた者が、痩せ細るのは当然でございます」
私が怒りを込めてそう言うと、彼は戸惑った様子でした。
「だが……お前には、充分な食事を与えていたはずだぞ?」
「仮に、目の前に山のような食料があったとしても、何も食べる気になれなければ同じです」
「俺の前で排便させるつもりはない、と言ったはずだが……?」
「私が苦痛を感じていた原因は、そのことだけではありません。そもそも、誰かに支配されて生きるということ自体が、普通の人間にとっては大変な苦痛です」
「俺のコレクションになったことが……そんなに辛かったのか?」
「当然はないですか。それに、理由は他にもございます。父が亡くなり、妹が亡くなり、御主人様の『奴隷』となったミーシャは、私のことを嫌っていました」
「前回、お前の尻を叩いた後であれば……ナナ以外の女は、お前のことを慕っているはずが?」
「生身の女であれば、辛いと感じることなど、いくらでもあるのです。旅を続けることだって、多かれ少なかれ、苦痛を伴うものです。お手洗いに行きたくなっても辛抱せねばならず、寝る時にはベッドを使うこともできないでしょう? 私には、屋外で寝た経験などなかったのです。しかしながら、御主人様は、そんな私を労わろうともしません。私達で欲望を満たすこと以外に、関心がないではありませんか」
「それは……俺が創った人格は、どれほど苦しめたとしても、食事ができなくなるようなことはないからな」
「本当にそうでしょうか?」
「何だと?」
「貴方がお創りになられた人格は、現実の少女を反映しております。過酷な環境に置かれたら、食事が喉を通らなくなり、痩せ細るおそれがあることは否定できません。マリーは私に甘えますが、ナナは私を嫌っております。女性らしく、おしゃれに興味を示すことまでも、全て計算して人格をお創りになられたのですか?」
「……」
彼は、困惑した表情をしております。
マリーが彼に文句を言ったことからも、少女達が、彼の思いどおりの人格でないことは明らかでした。
好きなだけ虐めてもよい少女達を集めたつもりだったのに、そうではないと示唆されて、どうすれば良いか分からなくなったのでしょう。
「御主人様。あの子達のことを、普通の女性だと思って、愛してあげてください」
「……余計なことを言うな!」
彼は、考えがまとまらない様子で、苛立っていました。
これ以上話しても、彼は意固地になるかもしれません。
私は、話題を変えることにしました。
「……それにしても、御主人様。私が痩せたことに、お尻を叩くまで気付かなかったのは何故でしょうか?」
「お前は、元から痩せているだろう? 胸と尻にだけはボリュームがあるから、変化が分かり易かった」
「……気付くのであれば、顔を見て気付いていただきたかったです」
「尻を触られるのは嫌か? これからは、胸の感触で確かめてやろうか?」
そう言いながら、彼は私の胸に手を伸ばしてきました。
私は、即座に感情を封印します。
「触りたいのであれば、ご自由にお触りください」
「……つまらない女だ」
彼は、すぐに私の胸から手を離しました。
私が怒りを込めてそう言うと、彼は戸惑った様子でした。
「だが……お前には、充分な食事を与えていたはずだぞ?」
「仮に、目の前に山のような食料があったとしても、何も食べる気になれなければ同じです」
「俺の前で排便させるつもりはない、と言ったはずだが……?」
「私が苦痛を感じていた原因は、そのことだけではありません。そもそも、誰かに支配されて生きるということ自体が、普通の人間にとっては大変な苦痛です」
「俺のコレクションになったことが……そんなに辛かったのか?」
「当然はないですか。それに、理由は他にもございます。父が亡くなり、妹が亡くなり、御主人様の『奴隷』となったミーシャは、私のことを嫌っていました」
「前回、お前の尻を叩いた後であれば……ナナ以外の女は、お前のことを慕っているはずが?」
「生身の女であれば、辛いと感じることなど、いくらでもあるのです。旅を続けることだって、多かれ少なかれ、苦痛を伴うものです。お手洗いに行きたくなっても辛抱せねばならず、寝る時にはベッドを使うこともできないでしょう? 私には、屋外で寝た経験などなかったのです。しかしながら、御主人様は、そんな私を労わろうともしません。私達で欲望を満たすこと以外に、関心がないではありませんか」
「それは……俺が創った人格は、どれほど苦しめたとしても、食事ができなくなるようなことはないからな」
「本当にそうでしょうか?」
「何だと?」
「貴方がお創りになられた人格は、現実の少女を反映しております。過酷な環境に置かれたら、食事が喉を通らなくなり、痩せ細るおそれがあることは否定できません。マリーは私に甘えますが、ナナは私を嫌っております。女性らしく、おしゃれに興味を示すことまでも、全て計算して人格をお創りになられたのですか?」
「……」
彼は、困惑した表情をしております。
マリーが彼に文句を言ったことからも、少女達が、彼の思いどおりの人格でないことは明らかでした。
好きなだけ虐めてもよい少女達を集めたつもりだったのに、そうではないと示唆されて、どうすれば良いか分からなくなったのでしょう。
「御主人様。あの子達のことを、普通の女性だと思って、愛してあげてください」
「……余計なことを言うな!」
彼は、考えがまとまらない様子で、苛立っていました。
これ以上話しても、彼は意固地になるかもしれません。
私は、話題を変えることにしました。
「……それにしても、御主人様。私が痩せたことに、お尻を叩くまで気付かなかったのは何故でしょうか?」
「お前は、元から痩せているだろう? 胸と尻にだけはボリュームがあるから、変化が分かり易かった」
「……気付くのであれば、顔を見て気付いていただきたかったです」
「尻を触られるのは嫌か? これからは、胸の感触で確かめてやろうか?」
そう言いながら、彼は私の胸に手を伸ばしてきました。
私は、即座に感情を封印します。
「触りたいのであれば、ご自由にお触りください」
「……つまらない女だ」
彼は、すぐに私の胸から手を離しました。
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