神様に告白された件。

香川 昂輝

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出会い編

決心する件

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え…?神使…?神使って確か、神に使える者の事だよね?山岸一族が神使の家系…つまり神に使えている家系…?それなら俺が白神を視認できることには合点がいく…しかし。
「本当にそんな一族っているのか?」
「事実として私達山岸家がいるんだ。私の父…郷の叔父が言うには大体の神使の家系はもうほとんど残ってないらしい。私達山岸家もその一つだ。言う必要が無いと思っていて、隠していた。すまんな、郷。」
「ほほぅ。まさか郷が神使の家系とは。我のことを視認できるのも納得だ。」
ん?これって転機じゃね?
「つまり、俺は白神と縁が深いという訳では無く、単純に神使の血を引いているからということになるな。つまり、俺が夫になる意味は無い!」
「は?何を言っておる。我は単純にお主を気に入った。だから夫にするつもりなのだぞ。」
…………は?
「いやいやいや!そんな事言ってなかったよね!?」「あぁ、言ってないぞ。お主と暮らしてく内に思った事なわけだしな。」「あのー、お父さん無視しないd」「俺は現人神になんてならないからな!」「何!現人神だと!?お父さんにちょっとそのはn」「私はお主と一生を添い遂げたい。それか我の神使となり、一緒に暮らさぬか?」「ちょっと?お父さん無視しないで!お願いだk」「急に神使になれとか言われても困るんだよ。」「…」「心配いらん。我が手取り足取り教えよう。おい。郷の父君よ。」「…………」
ん?
「おーい。父さん?」
「…ん?なんだ。」
「山岸一族が神使を辞退した理由はなんだ。大体予想はつくがな。」
あ、確かに気になる。でも、大体予想がつく?
「……私は話しか聞いていない。」
「昔、大正時代に神様が怒り狂い、一つの村が災害により滅びた。それでも神様の怒りは治まらない。その時、一人の神使が鎮めようと儀式をした。結果的に神様の怒りは鎮まったがその代償に儀式を行った神使が亡くなった。それが原因で神使という役にいることを怖がり、恐れ、様々な家系が辞めていった。私達も、その一つ。私の祖父は、将来、息子達にそんな不幸をさせたくないから辞めたと言っていたらしい。」
…なるほど…そんな事が。……ん?白神がなんか落ち着いてる。というより…
「なぁ、郷よ。無理にとは言わん。だが、我と居てくれぬか?我とて一人は寂しい。郷よ。この際、現人神にならなくてもいい。せめてお主が人間の生を全うするまででよい。お願いだ。」
うっ。そんな上目遣い(涙ぐんで)で言われたら…ていうか白神って異性の前に神様だから考えていなかったが、凄く可愛い。上目遣いも相まって凄くキュンとくる。
……神とはいえ、一人は悲しい…か。
「…山岸家に居ると言うのはどうでしょう。土地神様。」
「父さん!?」
「郷。土地神様のお願いだ。聞くべきだろう。それに、こんなにお前の事を想ってくれる方がいるんだ。ないがしろにしたら、罰が当たるってもんだ。」
「よいのか?郷の父君よ。」
「喜んで。土地神様。」
「我の事は白神と呼んでほしい。せっかく郷につけてもらった名だからな。」
「分かりました。白神様。」
ん…なんか勝手に話が進んでいる。しかし、父さんの言うことももっともだ。白神も害悪な訳では無い。それにこんなに可愛い神様を見放したら男が廃る。…白神の寂しいという感情もほんとに思ってる事だろうし見放せない。
「そうだね。白神。俺は現人神にはなれない。だが、君と一緒に暮らすことはできる。それでいいかな?」
「…!」
その時、白神は涙を流し、そして笑って言った。


「ありがとう…郷…」


そう言って、白神は俺に抱きついた。
きっと白神はつまらなかったのだろう。寂しかったのだろう。同じ土地神が他にもいても、いつも会う訳では無い。いつも一緒にいてくれる人が必要だったのだ。そして、山岸 郷に出会った。彼女にとって唯一だと思ったのだろう。だから、あんなにも必死になって、俺を引き込もうとした。

もう一度言う。
俺は現人神にはなれない。しかし白神と一緒に暮らしていく。せめて俺が生きてる間、寂しくないよう。

―――――出会い編―――~完~―――――――――











繊巳 東から、
今後は日常ラブコメ的な感じになると思います。読んでくれる方は極小数ですが、読んで下さり、ありがとうございます。初心者なりに今後も頑張りさせていただきます。


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