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ラシードの事情
おまけのおまけ9(終)
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結局、面会を許可したのは1ヶ月経ってからだった。バースィルったら戸口に突っ立ったままで固まっちゃっているんだもの。まともに会話を交わすのが10年ぶりだと言っていたから無理もないけど、話が進まないから後ろから蹴って中に押し込んでやったわ。それでも自分の想いをちゃんと伝えたんだから上出来よね。
立場に遠慮してパトラはなかなかそれに応じなかったけど、バースィルの訪れを心待ちにし、はた目から見れば彼のことが好きなのはまるわかり。バースィルも決して引くつもりがないのは分かっていたので、救護院のみんなと協力して彼女の為に晴れ着を用意した。
半年後、医術院の移転が決まり、その引っ越し作業の最中に事件は起きた。あろうことかその作業員に扮してパトラを襲おうとしたのだ。
以前からバースィル狙いのバカな貴族が権威を笠に着てパトラに身を引かせようという動きはあったけど、救護院が正式に国の施設となり、ライラ様がみんなの後見となることを知らしめたことでそれは沈静化していた。だからアタシもちょっと油断した。
諦めきれない1人が強行したわけだが、それは駆け付けたバースィルによって寸でのところで防がれた。彼は後始末を部下に任せると、襲われたショックで震える彼女をなだめるために自分の家に連れ帰った。
「一緒に暮らすことになった」
2人からその報告があったのは事件から2日後の事だった。婚姻の手続きを済ませた帰りに置いたままの彼女の荷物を引き取りに寄ってくれたのだ。
寄り添う2人の雰囲気から結ばれたのはありありと伝わってくる。この日来るのがあらかじめわかっていればお祝いの準備をしていたのだけれど、医術院の引っ越しでまだバタバタしていたのもあって彼らは挨拶を済ませるとすぐに帰ってしまった。
そこで3日後に改めてお祝いの席を設けることにした。バースィルに伝えるとちょうど事件の後始末もあってその日は宮城に上がらないといけないらしい。仕事帰りに寄ってくれるというので、アタシはパトラを誘って救護院に連れ出した。
「どうしたの、これ……」
みんなの力作を目にした彼女は驚いた様子で固まった。そこでアタシが2人をお祝いしたい旨を伝えると、彼女は感極まって涙を流した。
せっかくの晴れの日に腫れぼったい顔では化粧も映えなくなる。アタシは明るい声で彼女をなだめ、控えていた女性陣に後を任せた。
お祝いは大成功だった。瑠璃色の晴れ着はパトラによく似合っていたし、バースィルの儀礼用の衣装も惚れ直すくらいにかっこよかった。
ただ、視察と銘打って陛下が突然いらしたのには驚いたけど。でも、陛下が2人を祝福したことで、誰も異を唱えることができなくなった。パトラはもしかしたら気づいていないかもしれないけれど。
花で飾られた席で仲良く寄り添う2人の姿を見て、アタシもようやく気持ちに区切りをつけることができた。アタシが割り込む余地は初めから無いと分かっていたのに、認めるのがちょっと怖かったのね。
「おめでとう、バースィル、パトラ」
だけど、この半年間の2人の葛藤を間近で見守ってきた今なら笑って祝福できる。アタシは用意していたお祝いの品を手渡し、笑顔で2人を祝福した。
アタシも新しい恋を見つけようかしら……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ちなみにバースィル編5でバースィルの身代わりに子供達の鍛錬に付き合わされた若い兵士が狙われることに……。
立場に遠慮してパトラはなかなかそれに応じなかったけど、バースィルの訪れを心待ちにし、はた目から見れば彼のことが好きなのはまるわかり。バースィルも決して引くつもりがないのは分かっていたので、救護院のみんなと協力して彼女の為に晴れ着を用意した。
半年後、医術院の移転が決まり、その引っ越し作業の最中に事件は起きた。あろうことかその作業員に扮してパトラを襲おうとしたのだ。
以前からバースィル狙いのバカな貴族が権威を笠に着てパトラに身を引かせようという動きはあったけど、救護院が正式に国の施設となり、ライラ様がみんなの後見となることを知らしめたことでそれは沈静化していた。だからアタシもちょっと油断した。
諦めきれない1人が強行したわけだが、それは駆け付けたバースィルによって寸でのところで防がれた。彼は後始末を部下に任せると、襲われたショックで震える彼女をなだめるために自分の家に連れ帰った。
「一緒に暮らすことになった」
2人からその報告があったのは事件から2日後の事だった。婚姻の手続きを済ませた帰りに置いたままの彼女の荷物を引き取りに寄ってくれたのだ。
寄り添う2人の雰囲気から結ばれたのはありありと伝わってくる。この日来るのがあらかじめわかっていればお祝いの準備をしていたのだけれど、医術院の引っ越しでまだバタバタしていたのもあって彼らは挨拶を済ませるとすぐに帰ってしまった。
そこで3日後に改めてお祝いの席を設けることにした。バースィルに伝えるとちょうど事件の後始末もあってその日は宮城に上がらないといけないらしい。仕事帰りに寄ってくれるというので、アタシはパトラを誘って救護院に連れ出した。
「どうしたの、これ……」
みんなの力作を目にした彼女は驚いた様子で固まった。そこでアタシが2人をお祝いしたい旨を伝えると、彼女は感極まって涙を流した。
せっかくの晴れの日に腫れぼったい顔では化粧も映えなくなる。アタシは明るい声で彼女をなだめ、控えていた女性陣に後を任せた。
お祝いは大成功だった。瑠璃色の晴れ着はパトラによく似合っていたし、バースィルの儀礼用の衣装も惚れ直すくらいにかっこよかった。
ただ、視察と銘打って陛下が突然いらしたのには驚いたけど。でも、陛下が2人を祝福したことで、誰も異を唱えることができなくなった。パトラはもしかしたら気づいていないかもしれないけれど。
花で飾られた席で仲良く寄り添う2人の姿を見て、アタシもようやく気持ちに区切りをつけることができた。アタシが割り込む余地は初めから無いと分かっていたのに、認めるのがちょっと怖かったのね。
「おめでとう、バースィル、パトラ」
だけど、この半年間の2人の葛藤を間近で見守ってきた今なら笑って祝福できる。アタシは用意していたお祝いの品を手渡し、笑顔で2人を祝福した。
アタシも新しい恋を見つけようかしら……。
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ちなみにバースィル編5でバースィルの身代わりに子供達の鍛錬に付き合わされた若い兵士が狙われることに……。
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