掌中の珠のように Honey Days

花影

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犬は飼い主に似る?3

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えっと……犬は出てきません。


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「あの……」
 沙耶が躊躇いがちに口を開くが、義総はそれが聞こえていないかのように黙々と手を動かし続けていた。
 屋敷に着くなり義総は、雨に打たれて冷え切った沙耶の体を温めるために自室のバスルームへ彼女を連れ込んだ。問答無用で彼女の服を剥ぎ、自身も服を脱ぎ捨てると手際よく2人の体と沙耶の長い髪を洗い、湯が張られたバスタブに彼女を抱えたまま浸かる。彼の眉間には皺が寄り、終始無言で明らかに機嫌が悪い。沙耶はどうにか機嫌を直してもらおうと話しかけるが、今の所効果は無さそうだった。
「ごめんなさい……」
 彼女の謝罪の言葉に義総の眉がピクリと動く。
「謝るような事をしたのか?」
「……怒っていらっしゃるのでしょう?」
 恐る恐る尋ねるが、沙耶には彼の顔を見る勇気が出ない。
「どうしてそう思う?」
「その……ご心配をかけたから……」
「……分かってはいるみたいだな」
 不機嫌そうにしながらも、義総は沙耶を自分の膝にのせた状態でがっちりと腰に腕を回している。彼女はこれ以上彼の機嫌を損ねないように大人しくされるがままにしているが、どうにも落ち着かない。
「ん……」
 義総が沙耶の首筋に顔を埋め、その白い首筋に強く吸い付いてくる。ゾクリとした快感が背筋を伝い、全身が粟立つ。
「グレイスがお前の命令に従わなかったのは、お前もあの子猫を見捨てる事が出来ないのが分かっていたからだ。今更猫が3匹増えたところでうちの家計は傾かないし、連れ帰るのが心配なら綾乃か塚原に相談すれば済む話だ。こんなに体が冷えるまで雨に濡れて……しかも1人で。何かあってからでは遅いんだぞ」
 義総は沙耶の耳元で小言を言いながらもその大きな手は休みなく彼女の体を撫でまわしている。そして胸の先端を強くつまみ、耳朶に軽く歯を立てると彼女は快感に体を震わせる。
「ん……あぁ……」
「聞いているか?」
 沙耶は喘ぎながら辛うじて頷く。だが、義総には十分満足できる答えではなかったらしく、赤く色づいた先端に吸い付き、右手は太腿を撫でてから内側へ滑り込んで来る。
「あぁぁ……」
「反省してるのか?」
 沙耶がコクコクと頷くと、義総は再び彼女の胸に吸い付いて右手は彼女の秘めた場所の奥へ潜り込んでくる。
「あ、あ、あぁっ!」
 沙耶が強く抵抗できないのをいいことに、義総は秘所へ指を入れて動かし始める。湯の中でも指に絡みつく粘性の高い液体が溢れ出ているのに気付いた義総は、沙耶の一番感じる部分を探り出して抽送を徐々に速めていく。
「きゃぁぁぁん!」
 激しくなる水音と沙耶の喘ぎ声がバスルームに響き、沙耶はそのまま体をのけ反らせて絶頂に達していた。



 義総はそのまま沙耶の中に己の欲望を埋めてしまいたい衝動に駆られたが、辛うじて堪えた。先日、露天風呂で欲望のままに抱いて彼女を逆上せさせた教訓を生かし、ぐったりしている彼女を抱えて浴槽から出る。
 そして彼女の体を拭いてバスローブを着せ、大きな鏡と大理石の洗面台を備えた洗面スペースに用意してある椅子に優しく座らせる。自分の体も手早く拭いて同じくバスローブを羽織ると、まだ少しぼーっとしている彼女の髪を優しく拭いて乾かし始める。
「あの、自分でしますから……」
「大人しくしていろ」
 気怠いながらも少し落ち着いた沙耶は申し訳なさそうに申し出るが、義総からの冷たい返事に身を縮めて大人しくされるままになる。
 機嫌が悪い時には彼のやりたいようにさせて下手に刺激しない方がいいと沙耶にも分かっていたので、髪の水気を拭きとってドライヤーで乾かす間も、それが終わって抱き上げられても大人しくしていた。
 寝室に移動し、いつもの広いベッドに座らされ、いつの間にかベッドサイドに用意されていたスポーツドリンクのグラスを義総から手渡される。喘ぎすぎて喉が渇いていた沙耶は礼を言って受け取るとそれを飲み干していた。
「……1人での外出はやはり禁止にしよう」
「……」
 義総は沙耶の手から空になったグラスを取り上げてサイドテーブルにもどすと、徐にそう言い渡した。やっと先月から墓参りだけはグレイス同伴なら1人で行かせてもらえるようになっていたのだが、心配かけた負い目もあるので沙耶は素直に頷いた。
「随分と愁傷じゃないか」
「……ご心配かけたから……」
「その反省を態度で示してもらおうか」
 ニヤリと不敵な笑みを浮かべる彼の姿に、沙耶は身の危険を感じると同時に与えられるだろう快楽の予感に身震いをする。そして治まりかけていた体の疼きが再燃し、秘所が濡れてくるのが分かった。
「自分で入れなさい」
 義総はバスローブを脱ぐとベッドに寝転んだ。彼自身は既にそそり立ち、先端からは先走りの液が滲み出ている。沙耶は小さく頷くと自分もバスローブを脱ぎ、彼の欲望を握ると口付けた。
「……っ」
 まだたどたどしいが丁寧に舌を這わせてから彼の欲望を奥まで咥え込む。入りきらない部分は手でしごきながら頭を動かすと、義総の口から耐えるような喘ぎ声が漏れてくる。
 彼自身に十分に唾液を絡めると、沙耶は意を決して彼の体を跨ぎ、自身の秘所に宛がうとゆっくりと体を落としていく。
「あ……あっ、あっ」
 グチュッと音をたてて沙耶の秘所は義総の欲望を奥深くまで咥え込む。それだけでいっぱいなのだが、彼は一度腰をゆすって沙耶に動けと催促する。
「私がイクまでやってみろ」
「は……い……」
 沙耶は義総の胸に手をあてて体を支えると、ゆっくりと腰を動かす。だが、数回動かしただけで耐えられなくなり、横たわる義総の胸にくたりと重なる。
「もうおしまいか?」
「あぁ……もう……」
 義総はズン、ズン、と腰を突き上げて催促するが、沙耶は嬌声を上げて彼に縋りつくしかできない。
「あん、あん、あぁっ……い、イクッ!」
 グチュグチュと音をたてて激しく抽送され、沙耶は義総に縋りついたまま絶頂に達した。それでも彼は腰を動かし続け、彼女はカクカクと揺すられながら体を震わせる。
「まだまだだ」
「も、もうだめぇ……」
 義総は沙耶と繋がったまま横に転がり、今度は正常位で彼女に伸し掛かる形となる。大きく足を開かせ、もっと奥を穿つように激しく抽送する。彼女の秘所から溢れ出た蜜がシーツに次々と新しい染みを作り、それはどんどんと広がっていく。
「ひぃやぁぁぁぁん!」
 休みなく与えられる快楽に、沙耶は大きく体を撓らせて絶叫を上げる。義総も同時に中で果てたのだが、そのまま彼女は意識を手放したらしく体からカクリと力が抜ける。
「少し強すぎたか」
 反省はしつつも、義総にはまだまだもの足りない。結局、失神した沙耶の中にその後2回欲望を吐き出していた。
 翌朝は案の定、沙耶は外出どころかベッドから起き上がる事も出来なかった。



 ちなみに……グレイスが見つけた3匹の子猫のうち、2匹は里親が見付かって引き取られ、残る茶虎の雌猫は大倉家で飼われることとなった。グレイスとセピアと名付けられた子猫が寄り添っているいる様は大倉家の人々の癒しになったらしい……。


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 蛇足のはずのエッチシーンが一番長いのはなぜだろう?
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