掌中の珠のように Honey Days

花影

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理想と現実

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「すごーい!」
 沙耶は部屋に入ったとたんに感嘆の声を上げた。揃えられた調度類は目が肥えはじめた沙耶の目にも上質な物だと分かる逸品ぞろい。生花が飾られたテーブルにはウェルカムドリンクと南国の果物が用意され、窓の外には一面の海が広がっている。
 ここは世界的に有名な豪華客船内のロイヤルスイートルーム。沙耶の19回目の誕生日のお祝いに沖縄や台湾をめぐるクルージングを義総がプレゼントし、その船が先程出航したのだ。
 義総がこの船会社へ個人的に出資していて、急だったにもかかわらず色々と便宜を図ってもらい、更には一番いい部屋を用意してもらったのだ。
「気に入ったか?」
「はい、ありがとうございます」
 沙耶は傍らにいる義総に縋りつき、その頬に口づけた。この10日間のクルージングの為に、多忙な義総はいつも以上に仕事をこなして休みをもぎ取ったのだ。全ては沙耶を喜ばせる為。
 その甲斐があり、彼女は生まれて初めての海外旅行……しかも憧れていた豪華客船の旅に先程からテンションが上がりっぱなしだった。少しでもクルージングを楽しもうと、出航の様子を甲板から眺め、船内を少し見て歩いてから宿泊するこの部屋に案内してもらったのだ。
「誕生日おめでとう」
「ありがとうございます」
 バルコニーへの窓を開け、デッキで海を眺めている沙耶に義総はノンアルコールのカクテルを渡し、自分用にシャンパンを用意する。2人はグラスを合わせ、口を付けた。
「何だか夢みたい」
「確かめてみるか?」
 義総は沙耶を引き寄せて唇を重ねる。沙耶はしばらくの間、義総の腕の中で一面に広がる海を眺めていた。



 本日のドレスコードはフォーマル。沙耶が選んだのは今回のクルージングの為に仕立てたローズピンクのミニドレス。そしてそんな彼女をエスコートする義総はシンプルなディナージャケットを身に着けていた。
 今夜は船長主催のウェルカムパーティが開かれたのだが、誕生日の沙耶はサプライズで花束とケーキをプレゼントされた。加えて財界では有名人の義総と美少女のカップルはひときわ目立ち、終始注目を浴びていた。
「疲れたか?」
「ちょっとだけ。でも、楽しかったです」
 パーティがお開きとなり、お近づきになろうとする輩を躱して2人は部屋に戻って来た。フロア専属のコンシェルジュがパーティで貰った花束を花瓶に生けて部屋を退出すると、沙耶は履き慣れないパンプスを脱いでベッドに腰掛け、義総はジャケットを脱いでタイを外した。
「そうか……」
 義総はミネラルウォーターをグラスに注いで沙耶に手渡し、残りは自分で一気に飲み干した。この10日間の休みの為に、半月ほど前から家に帰る時間を惜しんで大量の仕事をこなしたのだ。久しぶりに沙耶ととる食事に浮かれ、ついついワインを飲みすぎてしまっていた。
「沙耶……」
 広いクイーンサイズのベッドに沙耶と並んで腰掛けると、義総は彼女を引き寄せ唇を重ねる。軽くついばむだけのつもりが段々と口づけは深くなっていき、いつの間にか互いの舌を絡めあっていた。
「あ……義総……様」
 会えない日々が続き、沙耶も寂しかったのは確かだった。義総が耳に首筋にと手を触れて来ると、ゾクリと体を震わせる。義総は唇を離すと今度は彼女の感じやすい耳朶を咥える。
「ん……」
「沙耶……」
「……シャワー浴びなきゃ……」
「後でいい」
 欲望がちらつく眼差しに、与えられる快楽を思い出して沙耶の体の奥が切なくなる。再び深く口づけ、義総の舌を口腔内に受け入れていると、体に力が入らなくなってくる。
 義総が一旦口を離し、沙耶の体を優しく横たえる。しかもミニドレスのファスナーがいつの間にか降ろされていて、抗う間もなくはぎ取られていた。
「綺麗だ……」
 ミニドレスの下にブラを付けていなかったので、彼女の慎ましやかな膨らみは露わとなっていた。間接照明の中、白く浮き上がるその裸体に義総は思わず呟いた。
「恥ずかしい……」
 もう幾度も肌を合わせてきた仲だと言うのに、未だに恥じらう彼女が愛おしく、義総はその頬に唇を落とした。そんな姿を眺めながら、彼は自身も着ていたシャツとズボンを床に脱ぎ捨てる。
「加減出来ないかもしれないぞ」
「……たくさん……愛して」
「っ……煽るな」
 義総は荒々しく沙耶に唇を重ね、その膨らみを揉み始める。先端の尖りを指先で擦り、強く摘まむたびに沙耶の口から艶やかな吐息が漏れる。久しぶりに触れる彼女の体に段々抑えが利かなくなってくる。
 ここしばらく会えずに寂しい思いをしたのは沙耶も同じだった。義総の背に手を回してその体の感触を確かめ、いつもよりも積極的に舌を絡める。
「沙耶……沙耶……」
「ん……」
 くらくらするほど激しい口づけに沙耶の体からは力が抜けていく。義総は彼女の首筋や胸元に舌を這わせ、すっかり消えてしまった所有印をつけていく。そして胸の頂につんと立つ尖りを口に含み、そこも丹念に舌で愛撫する。
「ああ……義総様……」
 その快感に秘められた場所からは蜜が次々と溢れ、まだ剥ぎ取られていないショーツはもうぐっしょりと濡れていた。胸を愛撫していた義総の手がお腹を経て下半身へと下がってくる。しばらくは焦らす様に太腿やお尻を撫でまわしていたが、やがて濡れたショーツの中に手を忍ばせて敏感な突起を探りあてる。
「あぁっ!」
 たまらず沙耶は太腿を閉じようとするが、義総が間に膝を割りいれて阻止する。そして見つけた突起をこねる様に擦り上げ、充分に潤った秘所に指を埋める。そのままグチュグチュと音をたてながら抜き差しし、慣れてきたところへ更に指を増やしていく。
「ひぃやぁぁぁん!」
 リズミカルに動く指が与える強い快楽に沙耶の腰が浮き上がる。軽く達し、脱力した体がベッドに沈み込むと、義総は半分ずれた沙耶のショーツをストッキングごと脱がした。そして自分もボクサーパンツを脱ぎ捨てると、既に滾った彼自身の先端からは先走りが糸を引いて垂れた。
「沙耶……沙耶……」
 義総は沙耶に覆いかぶさると、熱に浮かされたように愛しい少女の名を呼び口づける。緩慢な動きで彼女もそれに応えると、義総は彼女の足を割り開き、濡れそぼった彼女の秘所に滾った自身を擦り付けた。
「良いか?」
「うん……」
 沙耶が頷くと、義総はゆっくりと自身を突き立てた。
「あっ、あっ、あっ」
 久しぶりに受け入れた義総自身の圧迫感に沙耶は思わず息を飲み、義総はそんな彼女の体の力が抜けるまで胸を柔らかく揉んで舌を這わせる。やがて彼女の口から甘い声が漏れ始めると、義総はゆっくりと腰を動かし始める。
「ああ、沙耶……」
 相変わらず狭い彼女の中は、気を抜けばすぐにでも達してしまいそうになる。沸き起こってくる快楽をやり過ごしながら、彼女の良い場所を重点的に突き上げる。
「あぁん、あぁっ、あっ、あっ、いぃ……いいっ……あぁっ、あああっ!」
 快楽に乱れる沙耶に抑えがきかなくなり、義総も絶頂を求めて腰を激しく動かす。先に達した沙耶が長い絶頂にガクガクと体が震えているのも構わず、汗を飛び散らせながら義総は沙耶の最奥を刺激し続ける。
「っ、イクッ」
 低くうめいて義総は沙耶の中に精を放つ。熱い飛沫を受ける度に感じるのか、沙耶の体はピクリピクリと反応する。そんな沙耶を労わる様に、しばらく体を密着させたまま、乱れた彼女の髪を撫でつけたり汗ばんだ体に唇を落としていく。そして落ち着いたところで少し力を無くした自身を引き抜くと、コポリと放った精があふれ出てくる。
「あ……」
 それを恥ずかしがる沙耶の姿にグッと来て、また彼のモノは勢いを取り戻してくる。仕事ばかりで完全に欲求不満だった。義総は沙耶の右足を抱え上げると、今度は横から挿入する。
「やぁん」
 殆ど間をおかず、更には先程までとは異なる場所を刺激され、沙耶は再び沸き起こる快楽に対処しきれない。喘ぐ彼女に義総は口づけると少し意地の悪い笑みを浮かべて宣告する。
「時間は有るんだ。たっぷり楽しもう」
「あぁぁぁ……」



 結局、2人の激しい情交はそのまま明け方まで続けられた。しかもそれだけでは飽き足らず、結局沙耶はクルーズ期間中の半分以上は部屋から出ることが出来なかった。
「義総様の意地悪……」
 自分なりに色々立てていた寄港先でのプランが殆ど無駄になり、沙耶は言う事が聞かない体をベッドで丸めて拗ねたのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


なんだかんだと普段の休日と変わらない生活を過ごしたんじゃないかという2人w しかも止める人がいないから、義総が余計に図に乗ってやりたい放題。終いには沙耶に拗ねられてしまいました。
勿論、義総がご機嫌をとって仲直り……。どうなったかは言うまでもないかと……。
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