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第5章 家族の物語
第15話
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「アレスがティムを迎えに行っているから少し待ってくれ」
陛下の執務室に移動すると、部屋の主はそう言って俺達に席を勧めてくれた。賓客を使い走りに使うとはさすが陛下と言うべきか。
「ティムは竜舎でテンペストの世話をしているそうだ。パラクインスもそろそろ我慢の限界だろうから、彼の気配を察してまた暴走する可能性がある。その場合、抑えられるのが自分だけだからと自主的に行ってくれた」
ああ、それなら納得できる。そしてそんなやり取りをしている間にそれぞれが席に着き、侍官がそれぞれにお茶を用意して退出する。
「ティムの件はアレスに良い様に誘導されてしまったようなものだ。まだ自分の力に納得していない様子だったところを付け込まれた」
「陛下はお止めにならなかったのですか?」
大事な部下を奪われる形となるヒース卿もリーガス卿も少しばかり渋い表情を浮かべている。
「まあ、利点もあるからな」
「利点、ですか?」
「ティムに神殿騎士団の肩書が加わればそれだけ彼の地位が上がる。それにタランテラから離れていれば、ディーターも手を出せないだろう。アレスが言うには後ろに高位の神官が居るのは間違いない様だ。赴任先を礎の里ではなく聖域にしたのもそのためだ」
「なるほど……」
ディーターはどう見ても小物だ。だがその背後には失脚したベルクに成り代わろうとする礎の里の権力者がいるのは間違いないらしい。だが、昨夜の一件にディーターが関わっていたことを朝一番に大神殿の方へ伝えたところ、神官長直筆の謝罪文が送られてきて、ディーターは本宮への立ち入りを禁止され、当面はお勤めに専念させることになったらしい。
ひとまず安心だが、送り込まれたのが彼一人とも限らないし、姫様が将来約束されているフォルビア公の地位を狙う輩は他にも居そうだ。警戒は必要だろう。
「それまで警護をどうしますか?」
姫様の警護はいくらでも厳重に出来るので問題ない。しかし、ティムも狙われるとなるとどうやって彼にも護衛を付けるかが問題になって来る。打診したところで本人は不要と言って断るのが目に見えていた。
「直接の護衛は受け入れないだろうな」
陛下もアイツの性格をよくご存じなのでそう言ってため息をつく。時には守られることも必要なのだが、今の彼には理解できないだろう。
「では子守りでも手伝ってもらいましょうか」
そんな中、徐に口を開いたのはアスター卿だった。現在、保育室では2人の皇子だけでなく、ワールウェイド家やフロックス家の子供達が過ごしている。更に今回の夏至祭の様な大きな行事の時には普段は地方にいる寵臣の子供も集まる。
特にやんちゃに育ったエル坊の相手が大変とかで、侍女や乳母たちだけでは手に負えない場合も多々あるらしい。今まではフロックス家の上の2人の息子や竜騎士であるマリーリア卿が相手をしていた。しかし、フロックス家の2人は勉強に加えて剣術の鍛錬も始まって保育室に来ることがほとんどなくなり、マリーリア卿は懐妊が判明。やんちゃ坊主の相手を出来る人材が早急に必要になっていた。
「良いですね。しっかり手伝ってもらいましょう」
ともかくティムには目の届く場所にいてもらう必要がある。保育室なら護衛を配置していても不自然に思われない。夜は我が家に泊らせれば、本宮へはオリガの送り迎えと一緒に俺がすればいい。他の方々も納得して下さったので、早速明日から子守りをしてもらう事になった。
「失礼いたします」
それからほどなくして、アレス卿に伴われて神妙な面持ちのティムが執務室にやって来た。勝手に聖域行きを決めたことに罪悪感があるのか、俺達の顔色をうかがっている。
「来たか。まあ、座れ」
リーガス卿がビクビクしているティムを俺達の間に座らせる。そして勝手をした部下に拳骨を一つ落として留飲を下げていた。手加減はしているみたいだったが、ティムは涙目になっている。
「心配するな。誰もそれを叱責するために呼び出した訳じゃない」
怯えすぎていても話にならない。俺がティムの肩を叩いて落ち着かせたところで、陛下が話を切り出された。
「昨日の事は聞いているか?」
「先程、デューク卿から謝罪していただきましたが、詳しい話はまだ聞いていません」
時間的にレオナルトにも処分の内容が伝えられたころだから、どうやらひと悶着あったみたいだ。その辺の事は後から聞くとして、先ずはティムに昨日の騒動のあらましを伝える。それを全て聞き終えた彼は、陛下の前にもかかわらずそれはそれは深いため息をついた。
「コリンとの婚約の公表を早めるのも考えた、しかし、なりふり構わない奴へのけん制にはならないだろう。コリンには十分な護衛を付ける。お前も上げ足を取られないように十分に注意しなさい」
陛下からのお言葉をティムは神妙な面持ちで聞いている。そんな彼に神殿騎士団に推挙されることが決まった事が伝えられると、随分と驚いていた。昨夜の段階では、単に武者修行に行くつもりだったらしい。
「なんだか過分な待遇なのですが……」
ティムは恐縮しているが、アレス卿は当然の事だと彼を安心させながらも新人だからこき使うと宣言している。アレス卿も当代様からエルニアの内情を探る依頼を受けているので、手薄になる聖域の守りを彼に頼みたいのだろう。
「コリンからは私から伝えておく」
朝のうちに皇妃様とご相談して決められたらしい。オリガには皇妃様から伝えていただき、他の夫人方にも今頃は伝わっている頃合いらしい。
「こいつが抜けた穴は補ってもらえるんですかねぇ」
リーガス卿がティムを小突きながらアスター卿に訴えている。秋からの人事はまだ正式に決まってはいないが、それでも当初の予定から大きな修正を余儀なくされる。それに気づいたティムがまた申し訳なさそうにする。
「お前の帰ってくる場所は残しておく。だからお前の気が済むようにしてこい」
リーガス卿はそう言ってティムの頭を撫でまわしていた。この後、そのことも含めてアスター卿の執務室で話し合うことになった。ちょうどいい機会だから見習いとしてカイを第3騎士団で預かってもらえないかも相談してみよう。
陛下はまだティムに話があると言うので、俺達はアスター卿の執務室へ移動することにした。ともかく時間が惜しい。すぐにその辺の人事について話し合うことになった。
「あれ? 姫様?」
陛下の執務室を辞去して移動していると、まるでズンズンと足音が聞こえそうなほど全身に怒りを漲《みなぎ》らせている姫様とすれ違った。声をかけたが俺達の姿も目に入っていない様子。そのまま陛下の執務室の方へ向かわれた。
「もしかして……」
「ティムの話を聞かれたのでは?」
俺達はその場で顔を見合わせる。
「どうしますか?」
「お前が行け」
当然と言うべきか、その役目は俺に押し付けられた。この人達の命令には絶対服従。俺は速やかにその命令に従った。
陛下の執務室の前に行くと、中から姫様の泣き声が聞こえ、周辺には侍官や護衛の兵士達がオロオロしながら様子をうかがっている。俺はすぐさま周辺の人払いを命じ、侍官には必要になると思われる飲み物などの手配を命じた。そうしている間に部屋の中は静かになる。
「ルーク、戻ってきていたのか」
ほどなくして部屋の中から書類を抱えた陛下とアレス卿が出て来た。
「周辺は人払いしてあります。姫様は?」
「泣きつかれて眠った。ティムに任せてある」
「2人きりにして大丈夫でしょうか?」
「問題ない。何しろコリンがティムから離れない。そっとしておいてやろう」
人払いしておいて良かったかもしれない。急ぎの仕事だけ持って出て来た陛下はそのままアスター卿の執務室へ行くと言って俺に後を任された。それからほどなくして用事を頼んだ侍官が戻って来たので、持ってきたものを乗せた盆を預かるとその侍官も下がらせた。
「ティム、入るぞ」
一応そう断って執務室の中へ入ると、ティムはこちらに背を向けてソファーに寝ころんでいた。その腕の中に姫様が居るらしく、乱れたプラチナブロンドが見え隠れしている。そっと近づき、ソファーから手が届く位置に盆を置く。すると彼は首を巡らして一度俺の姿を認めたが、恥ずかしいのかまた顔をそむけた。
「念のため忠告しておくが、姫様はまだ成人前だからな」
「分かっている」
困っている様子のティムの姿に吹き出しそうになるのを堪え、そう忠告する。自分なりに考えたのだろうが、誰にも相談せずいきなり聖域行きを決めた罰だ。目を覚まされたら、姫様にちゃんと自分の口で説明してもらおう。
「ま、精神修行だと思って頑張れ」
長居して2人の時間を邪魔するのも気が引ける。俺はそう言い残すと、すぐに執務室を後にしたのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
無防備なコリンを囲いながら煩悩と戦うティム。
頑張れ。
陛下の執務室に移動すると、部屋の主はそう言って俺達に席を勧めてくれた。賓客を使い走りに使うとはさすが陛下と言うべきか。
「ティムは竜舎でテンペストの世話をしているそうだ。パラクインスもそろそろ我慢の限界だろうから、彼の気配を察してまた暴走する可能性がある。その場合、抑えられるのが自分だけだからと自主的に行ってくれた」
ああ、それなら納得できる。そしてそんなやり取りをしている間にそれぞれが席に着き、侍官がそれぞれにお茶を用意して退出する。
「ティムの件はアレスに良い様に誘導されてしまったようなものだ。まだ自分の力に納得していない様子だったところを付け込まれた」
「陛下はお止めにならなかったのですか?」
大事な部下を奪われる形となるヒース卿もリーガス卿も少しばかり渋い表情を浮かべている。
「まあ、利点もあるからな」
「利点、ですか?」
「ティムに神殿騎士団の肩書が加わればそれだけ彼の地位が上がる。それにタランテラから離れていれば、ディーターも手を出せないだろう。アレスが言うには後ろに高位の神官が居るのは間違いない様だ。赴任先を礎の里ではなく聖域にしたのもそのためだ」
「なるほど……」
ディーターはどう見ても小物だ。だがその背後には失脚したベルクに成り代わろうとする礎の里の権力者がいるのは間違いないらしい。だが、昨夜の一件にディーターが関わっていたことを朝一番に大神殿の方へ伝えたところ、神官長直筆の謝罪文が送られてきて、ディーターは本宮への立ち入りを禁止され、当面はお勤めに専念させることになったらしい。
ひとまず安心だが、送り込まれたのが彼一人とも限らないし、姫様が将来約束されているフォルビア公の地位を狙う輩は他にも居そうだ。警戒は必要だろう。
「それまで警護をどうしますか?」
姫様の警護はいくらでも厳重に出来るので問題ない。しかし、ティムも狙われるとなるとどうやって彼にも護衛を付けるかが問題になって来る。打診したところで本人は不要と言って断るのが目に見えていた。
「直接の護衛は受け入れないだろうな」
陛下もアイツの性格をよくご存じなのでそう言ってため息をつく。時には守られることも必要なのだが、今の彼には理解できないだろう。
「では子守りでも手伝ってもらいましょうか」
そんな中、徐に口を開いたのはアスター卿だった。現在、保育室では2人の皇子だけでなく、ワールウェイド家やフロックス家の子供達が過ごしている。更に今回の夏至祭の様な大きな行事の時には普段は地方にいる寵臣の子供も集まる。
特にやんちゃに育ったエル坊の相手が大変とかで、侍女や乳母たちだけでは手に負えない場合も多々あるらしい。今まではフロックス家の上の2人の息子や竜騎士であるマリーリア卿が相手をしていた。しかし、フロックス家の2人は勉強に加えて剣術の鍛錬も始まって保育室に来ることがほとんどなくなり、マリーリア卿は懐妊が判明。やんちゃ坊主の相手を出来る人材が早急に必要になっていた。
「良いですね。しっかり手伝ってもらいましょう」
ともかくティムには目の届く場所にいてもらう必要がある。保育室なら護衛を配置していても不自然に思われない。夜は我が家に泊らせれば、本宮へはオリガの送り迎えと一緒に俺がすればいい。他の方々も納得して下さったので、早速明日から子守りをしてもらう事になった。
「失礼いたします」
それからほどなくして、アレス卿に伴われて神妙な面持ちのティムが執務室にやって来た。勝手に聖域行きを決めたことに罪悪感があるのか、俺達の顔色をうかがっている。
「来たか。まあ、座れ」
リーガス卿がビクビクしているティムを俺達の間に座らせる。そして勝手をした部下に拳骨を一つ落として留飲を下げていた。手加減はしているみたいだったが、ティムは涙目になっている。
「心配するな。誰もそれを叱責するために呼び出した訳じゃない」
怯えすぎていても話にならない。俺がティムの肩を叩いて落ち着かせたところで、陛下が話を切り出された。
「昨日の事は聞いているか?」
「先程、デューク卿から謝罪していただきましたが、詳しい話はまだ聞いていません」
時間的にレオナルトにも処分の内容が伝えられたころだから、どうやらひと悶着あったみたいだ。その辺の事は後から聞くとして、先ずはティムに昨日の騒動のあらましを伝える。それを全て聞き終えた彼は、陛下の前にもかかわらずそれはそれは深いため息をついた。
「コリンとの婚約の公表を早めるのも考えた、しかし、なりふり構わない奴へのけん制にはならないだろう。コリンには十分な護衛を付ける。お前も上げ足を取られないように十分に注意しなさい」
陛下からのお言葉をティムは神妙な面持ちで聞いている。そんな彼に神殿騎士団に推挙されることが決まった事が伝えられると、随分と驚いていた。昨夜の段階では、単に武者修行に行くつもりだったらしい。
「なんだか過分な待遇なのですが……」
ティムは恐縮しているが、アレス卿は当然の事だと彼を安心させながらも新人だからこき使うと宣言している。アレス卿も当代様からエルニアの内情を探る依頼を受けているので、手薄になる聖域の守りを彼に頼みたいのだろう。
「コリンからは私から伝えておく」
朝のうちに皇妃様とご相談して決められたらしい。オリガには皇妃様から伝えていただき、他の夫人方にも今頃は伝わっている頃合いらしい。
「こいつが抜けた穴は補ってもらえるんですかねぇ」
リーガス卿がティムを小突きながらアスター卿に訴えている。秋からの人事はまだ正式に決まってはいないが、それでも当初の予定から大きな修正を余儀なくされる。それに気づいたティムがまた申し訳なさそうにする。
「お前の帰ってくる場所は残しておく。だからお前の気が済むようにしてこい」
リーガス卿はそう言ってティムの頭を撫でまわしていた。この後、そのことも含めてアスター卿の執務室で話し合うことになった。ちょうどいい機会だから見習いとしてカイを第3騎士団で預かってもらえないかも相談してみよう。
陛下はまだティムに話があると言うので、俺達はアスター卿の執務室へ移動することにした。ともかく時間が惜しい。すぐにその辺の人事について話し合うことになった。
「あれ? 姫様?」
陛下の執務室を辞去して移動していると、まるでズンズンと足音が聞こえそうなほど全身に怒りを漲《みなぎ》らせている姫様とすれ違った。声をかけたが俺達の姿も目に入っていない様子。そのまま陛下の執務室の方へ向かわれた。
「もしかして……」
「ティムの話を聞かれたのでは?」
俺達はその場で顔を見合わせる。
「どうしますか?」
「お前が行け」
当然と言うべきか、その役目は俺に押し付けられた。この人達の命令には絶対服従。俺は速やかにその命令に従った。
陛下の執務室の前に行くと、中から姫様の泣き声が聞こえ、周辺には侍官や護衛の兵士達がオロオロしながら様子をうかがっている。俺はすぐさま周辺の人払いを命じ、侍官には必要になると思われる飲み物などの手配を命じた。そうしている間に部屋の中は静かになる。
「ルーク、戻ってきていたのか」
ほどなくして部屋の中から書類を抱えた陛下とアレス卿が出て来た。
「周辺は人払いしてあります。姫様は?」
「泣きつかれて眠った。ティムに任せてある」
「2人きりにして大丈夫でしょうか?」
「問題ない。何しろコリンがティムから離れない。そっとしておいてやろう」
人払いしておいて良かったかもしれない。急ぎの仕事だけ持って出て来た陛下はそのままアスター卿の執務室へ行くと言って俺に後を任された。それからほどなくして用事を頼んだ侍官が戻って来たので、持ってきたものを乗せた盆を預かるとその侍官も下がらせた。
「ティム、入るぞ」
一応そう断って執務室の中へ入ると、ティムはこちらに背を向けてソファーに寝ころんでいた。その腕の中に姫様が居るらしく、乱れたプラチナブロンドが見え隠れしている。そっと近づき、ソファーから手が届く位置に盆を置く。すると彼は首を巡らして一度俺の姿を認めたが、恥ずかしいのかまた顔をそむけた。
「念のため忠告しておくが、姫様はまだ成人前だからな」
「分かっている」
困っている様子のティムの姿に吹き出しそうになるのを堪え、そう忠告する。自分なりに考えたのだろうが、誰にも相談せずいきなり聖域行きを決めた罰だ。目を覚まされたら、姫様にちゃんと自分の口で説明してもらおう。
「ま、精神修行だと思って頑張れ」
長居して2人の時間を邪魔するのも気が引ける。俺はそう言い残すと、すぐに執務室を後にしたのだった。
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無防備なコリンを囲いながら煩悩と戦うティム。
頑張れ。
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