22 / 242
第2章 創造者《クリエイター》の冒険者ギルド
第22話 ラブコメの波動がレーザービーム
しおりを挟む
◆ ◆ ◆
朝食を食べ、身支度を終えると、俺たちはすぐにギルドへと向かった。
昨日チラッと見た出店を横切り、さらに街の奥へと進む。すると、何棟も建物があるような大きな広場に出た。
出店がある通りも賑わっていたが、ここは段違いだった。鎧を着たガタイのいい男。杖を持ったとんがり帽子をかぶった少女。武闘着のような服を着た仙人のような爺さん……いろんなクラスの人たちが防具屋や鍛冶屋、素材屋に立ち寄っている。彼らが噂の「冒険者」というものだろうか。
そんな広場の中心に石の壁でできた一際目立つ建物があった。冒険者の人もその建物に向かっているのが多い。
もしや、あれが――
答えを求めるようにアンジェを見ると、彼は俺に向けてパチンとウィンクした。
「そう、あれがギルドの集会所よ」
そう言ってアンジェは建物の中に入っていくので、俺も緊張しながらも彼に続いて行った。
集会所の木造の扉を開けると、これまた別世界だった。
集会所はだだっ広い大広間だったが、中央には机と椅子が飲食店のようにいくつも置かれていた。どうやらここでパーティーの顔合わせをしたり、軽食や酒を飲みながらクエストの作戦会議ができるようになっているらしい。
また、壁際にはたくさん紙が貼られた掲示板があった。冒険者らしき人たちが紙を眺めているから、多分あそこにクエスト内容が貼られているのだろう。
奥には冒険者たちの憩いの場と区切るように、木製の机がカウンターとして端から端まで並んでいた。カウンターの先には制服を着た同年代の女の子たちが忙しなく働いている。彼女たちがギルドの人のようだ。
「あ、いたいた。セリちゃーん」
アンジェが誰か見つけたようで、大きく手を振る。すると、カウンターの奥で本の整理をしていた女の子がパッと顔を上げた。
「あ! アンジェさん!」
女の子は満面の笑みを浮かべながらカウンターのほうに寄ってくる。
女の子と言っても、年は俺と大差変わりない。長いオレンジ色の髪を編みこんでハーフアップにしたその子はとても可愛いらしい子だった。茶色の瞳は大きく、まつげも長い。それに加えて色白の肌に華奢な体。正直言って、どストライクだ。
現れた女の子に見惚れていると、アンジェが「ほら」と俺の背中を押して先導した。
「この子がムギちゃんに会いたがっていた子よ」
「え? え??」
こんな可愛い子が俺に会いたがっていただと? 何そのラブコメの波動。めっちゃ照れるのだが。
顔の火照りと心音の高鳴りを感じながらも、ついに彼女の元へ連れて行かれる。
すると、彼女は大きな目を細めて、にこやかに挨拶してくれた。
「初めまして、セリナです」
「あ、えっと……ムギトです」
「んもー! ムギちゃんったら照れちゃって! このこの!」
セリナに目も合わせられない俺を見兼ねてアンジェが肘で小突いてくる。だが、恥ずかしがるのも仕方がないではないか。なんせ俺はここしばらく異性と会話をしていない。母親とすらしていない。あれ、なんか途端に悲しくなってきた。
ばつの悪さに頬を掻いていると、セリナは俺を見てクスクスと笑う。
「ムギトさんがいい人そうでよかったです。これでアンジェさんも寂しくないですね」
「そうそう。あの家、一人で暮らすには広いからね」
アンジェとセリナが楽しげに会話している。
話の流れからすると、俺というよりアンジェの家に住み込む輩を見てみたかった感じだろう。まあ、会ったこともなかったから普通そうなる。だが、なぜだろうか。少しだけ虚しさを感じる。
「えっと……二人はどんな関係なんだ?」
虚しさを拭うようにアンジェたちに尋ねると、アンジェはフフッと短く笑った。
朝食を食べ、身支度を終えると、俺たちはすぐにギルドへと向かった。
昨日チラッと見た出店を横切り、さらに街の奥へと進む。すると、何棟も建物があるような大きな広場に出た。
出店がある通りも賑わっていたが、ここは段違いだった。鎧を着たガタイのいい男。杖を持ったとんがり帽子をかぶった少女。武闘着のような服を着た仙人のような爺さん……いろんなクラスの人たちが防具屋や鍛冶屋、素材屋に立ち寄っている。彼らが噂の「冒険者」というものだろうか。
そんな広場の中心に石の壁でできた一際目立つ建物があった。冒険者の人もその建物に向かっているのが多い。
もしや、あれが――
答えを求めるようにアンジェを見ると、彼は俺に向けてパチンとウィンクした。
「そう、あれがギルドの集会所よ」
そう言ってアンジェは建物の中に入っていくので、俺も緊張しながらも彼に続いて行った。
集会所の木造の扉を開けると、これまた別世界だった。
集会所はだだっ広い大広間だったが、中央には机と椅子が飲食店のようにいくつも置かれていた。どうやらここでパーティーの顔合わせをしたり、軽食や酒を飲みながらクエストの作戦会議ができるようになっているらしい。
また、壁際にはたくさん紙が貼られた掲示板があった。冒険者らしき人たちが紙を眺めているから、多分あそこにクエスト内容が貼られているのだろう。
奥には冒険者たちの憩いの場と区切るように、木製の机がカウンターとして端から端まで並んでいた。カウンターの先には制服を着た同年代の女の子たちが忙しなく働いている。彼女たちがギルドの人のようだ。
「あ、いたいた。セリちゃーん」
アンジェが誰か見つけたようで、大きく手を振る。すると、カウンターの奥で本の整理をしていた女の子がパッと顔を上げた。
「あ! アンジェさん!」
女の子は満面の笑みを浮かべながらカウンターのほうに寄ってくる。
女の子と言っても、年は俺と大差変わりない。長いオレンジ色の髪を編みこんでハーフアップにしたその子はとても可愛いらしい子だった。茶色の瞳は大きく、まつげも長い。それに加えて色白の肌に華奢な体。正直言って、どストライクだ。
現れた女の子に見惚れていると、アンジェが「ほら」と俺の背中を押して先導した。
「この子がムギちゃんに会いたがっていた子よ」
「え? え??」
こんな可愛い子が俺に会いたがっていただと? 何そのラブコメの波動。めっちゃ照れるのだが。
顔の火照りと心音の高鳴りを感じながらも、ついに彼女の元へ連れて行かれる。
すると、彼女は大きな目を細めて、にこやかに挨拶してくれた。
「初めまして、セリナです」
「あ、えっと……ムギトです」
「んもー! ムギちゃんったら照れちゃって! このこの!」
セリナに目も合わせられない俺を見兼ねてアンジェが肘で小突いてくる。だが、恥ずかしがるのも仕方がないではないか。なんせ俺はここしばらく異性と会話をしていない。母親とすらしていない。あれ、なんか途端に悲しくなってきた。
ばつの悪さに頬を掻いていると、セリナは俺を見てクスクスと笑う。
「ムギトさんがいい人そうでよかったです。これでアンジェさんも寂しくないですね」
「そうそう。あの家、一人で暮らすには広いからね」
アンジェとセリナが楽しげに会話している。
話の流れからすると、俺というよりアンジェの家に住み込む輩を見てみたかった感じだろう。まあ、会ったこともなかったから普通そうなる。だが、なぜだろうか。少しだけ虚しさを感じる。
「えっと……二人はどんな関係なんだ?」
虚しさを拭うようにアンジェたちに尋ねると、アンジェはフフッと短く笑った。
10
あなたにおすすめの小説
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
【改訂版】槍使いのドラゴンテイマー ~邪竜をテイムしたのでついでに魔王も倒しておこうと思う~
こげ丸
ファンタジー
『偶然テイムしたドラゴンは神をも凌駕する邪竜だった』
公開サイト累計1000万pv突破の人気作が改訂版として全編リニューアル!
書籍化作業なみにすべての文章を見直したうえで大幅加筆。
旧版をお読み頂いた方もぜひ改訂版をお楽しみください!
===あらすじ===
異世界にて前世の記憶を取り戻した主人公は、今まで誰も手にしたことのない【ギフト:竜を従えし者】を授かった。
しかしドラゴンをテイムし従えるのは簡単ではなく、たゆまぬ鍛錬を続けていたにもかかわらず、その命を失いかける。
だが……九死に一生を得たそのすぐあと、偶然が重なり、念願のドラゴンテイマーに!
神をも凌駕する力を持つ最強で最凶のドラゴンに、
双子の猫耳獣人や常識を知らないハイエルフの美幼女。
トラブルメーカーの美少女受付嬢までもが加わって、主人公の波乱万丈の物語が始まる!
※以前公開していた旧版とは一部設定や物語の展開などが異なっておりますので改訂版の続きは更新をお待ち下さい
※改訂版の公開方法、ファンタジーカップのエントリーについては運営様に確認し、問題ないであろう方法で公開しております
※小説家になろう様とカクヨム様でも公開しております
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる