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第2章 創造者《クリエイター》の冒険者ギルド
第29話 異世界アイテム、ゲットだぜ
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「二個はクエストに使う分。もう二つはあなたたちにあげるわ」
「え? もらっちゃっていいの?」
「ええ。私からの報酬の前払いだと思って」
「ありがとう。大事に使うわ」
礼を言うアンジェに釣られて俺もお辞儀をする。
けれども、このボトルはいったいなんなんだ?
ボトルを振って青い石でカラカラと音を鳴らす。中に入っているこれも色が変わっているだけで、なんの変哲のない石に見えた。
ボトルを眺めながら首を傾げていると、隣でアンジェがクスッと笑った。
「その石がウォーター・コアなのよ」
「ウォーター……コア?」
なんかまた専門用語が出てきたが、思えば依頼書にもそんな単語が書いていたような気がする。確か――「ウォーター・コア・ボトル」と。水のコアが入ったボトル。つまり、これがそうか。
「凄いのよこれ。あとで使い方教えるから、楽しみにしててね」
「へー、こんなのがねえ」
一見、石が入っただけのただのボトルにしか見えない。だが、アンジェがそう言うから凄い代物なのだろう。ひとまずは借りたウエストバッグにボトルを入れる。
「んで、そのクーラの水ってどこにあるんだ?」
「ここから東にある洞窟に沸いてるわ。歩いて二十分くらいかしら。多少魔物もいるけど、まあ、きっと大丈夫よ」
「お、おう……」
アンジェの多少って、どれくらいなのだろう……そんな一抹の不安を感じるが、ここまで来たらためらっても仕方がない。
「さよならシスター・モネ。行ってくるわ」
「ミドリーさんにもよろしくっす」
「頼むわよ。気をつけて」
モネさんに別れを告げると、彼女も手を振って見送ってくれた。
いよいよ出発だ。初クエスト。そして、おそらく初ダンジョン。冒険らしくなってきたではないか。
――と、意気込んではみたが、洞窟と言っても、道のりは決して険しいものではなさそうだった。
まず、街から出ると看板に「クーラの洞窟」と矢印が書かれていた。
矢印の先にはその先には整備された道ができていた。広い草原の中にまっすぐ伸びた道は機械的に作ったようなものではなく、人が長年に渡って何度も歩いたことにより自然とできあがったものなのだろう。このまま道なりに進めば洞窟に着きそうな雰囲気だ。
「今でこそミドリー神官がいるけど、彼がいないほんの十数年前までは街の人も水を汲みに行っていたのよ」
「なるほどな。どうりで道が綺麗だと思ったぜ」
おかげで道に迷わないから無駄な時間と体力を使わなくて済む。セリナが初めてのクエストにピッタリだと言ったのも納得だ。
ただ、一つ気になることがある。この広い草原に、スライムが何食わぬ顔で堂々と歩いているのだ。
スライムだけでない。一本角を生やした子虎のような魔物。首が異様に細長い鳥。人参に足を生やした妖怪みたいな謎の生物。いろんな魔物が辺りをうろついている。ただし、どの魔物も襲ってくるような気配はなかった。
「おいノア。スライムとかいるけど、あいつら襲ってこねえじゃん」
アンジェに聞こえないよう、頭上にいるノアに小声で尋ねる。すると、ノアは欠伸混じりで退屈そうにこう答えた。
「あの程度の雑魚なら余程キレることをして、相手に見下されてない限り襲ってこないさ」
「あれ? ワタクシ昨日スライムさんに襲われた気がするのですが」
「余程キレることをしたうえに相手に見下されたんだろうよ」
ノアにピシャリと言われ、「ぐぬぬ」と言葉に詰まる。つまり、スライムに襲われている時点で雑魚確定ではないか。俺が。
ぐうの音も出ないでいると、頭上でノアが呆れたように息を吐いた。
「まあ、魔物も人間と同じようにいろんな奴がいる。喧嘩っ早い奴もいれば、単純に凶暴な奴もいる。強さのステータス関係なく問答無用で襲ってくるのもいるから注意しなよ。貴様の防御、三しか上がってないから」
「は? 三? 片手で?」
「両手一式だよ」
吐き捨てるようにノアに言われ、改めてつけた小手を見る。
甲を守る青い緩衝材は相変わらずプニプニと柔らかい。これが守備力一.五しかないというのか。
せっかくセリナが作ってくれたのに……あんなに大々的にやってくれたのに……。
腑に落ちないでいると、ノアが「やれやれ」と半ば呆れながら話を続けた。
「え? もらっちゃっていいの?」
「ええ。私からの報酬の前払いだと思って」
「ありがとう。大事に使うわ」
礼を言うアンジェに釣られて俺もお辞儀をする。
けれども、このボトルはいったいなんなんだ?
ボトルを振って青い石でカラカラと音を鳴らす。中に入っているこれも色が変わっているだけで、なんの変哲のない石に見えた。
ボトルを眺めながら首を傾げていると、隣でアンジェがクスッと笑った。
「その石がウォーター・コアなのよ」
「ウォーター……コア?」
なんかまた専門用語が出てきたが、思えば依頼書にもそんな単語が書いていたような気がする。確か――「ウォーター・コア・ボトル」と。水のコアが入ったボトル。つまり、これがそうか。
「凄いのよこれ。あとで使い方教えるから、楽しみにしててね」
「へー、こんなのがねえ」
一見、石が入っただけのただのボトルにしか見えない。だが、アンジェがそう言うから凄い代物なのだろう。ひとまずは借りたウエストバッグにボトルを入れる。
「んで、そのクーラの水ってどこにあるんだ?」
「ここから東にある洞窟に沸いてるわ。歩いて二十分くらいかしら。多少魔物もいるけど、まあ、きっと大丈夫よ」
「お、おう……」
アンジェの多少って、どれくらいなのだろう……そんな一抹の不安を感じるが、ここまで来たらためらっても仕方がない。
「さよならシスター・モネ。行ってくるわ」
「ミドリーさんにもよろしくっす」
「頼むわよ。気をつけて」
モネさんに別れを告げると、彼女も手を振って見送ってくれた。
いよいよ出発だ。初クエスト。そして、おそらく初ダンジョン。冒険らしくなってきたではないか。
――と、意気込んではみたが、洞窟と言っても、道のりは決して険しいものではなさそうだった。
まず、街から出ると看板に「クーラの洞窟」と矢印が書かれていた。
矢印の先にはその先には整備された道ができていた。広い草原の中にまっすぐ伸びた道は機械的に作ったようなものではなく、人が長年に渡って何度も歩いたことにより自然とできあがったものなのだろう。このまま道なりに進めば洞窟に着きそうな雰囲気だ。
「今でこそミドリー神官がいるけど、彼がいないほんの十数年前までは街の人も水を汲みに行っていたのよ」
「なるほどな。どうりで道が綺麗だと思ったぜ」
おかげで道に迷わないから無駄な時間と体力を使わなくて済む。セリナが初めてのクエストにピッタリだと言ったのも納得だ。
ただ、一つ気になることがある。この広い草原に、スライムが何食わぬ顔で堂々と歩いているのだ。
スライムだけでない。一本角を生やした子虎のような魔物。首が異様に細長い鳥。人参に足を生やした妖怪みたいな謎の生物。いろんな魔物が辺りをうろついている。ただし、どの魔物も襲ってくるような気配はなかった。
「おいノア。スライムとかいるけど、あいつら襲ってこねえじゃん」
アンジェに聞こえないよう、頭上にいるノアに小声で尋ねる。すると、ノアは欠伸混じりで退屈そうにこう答えた。
「あの程度の雑魚なら余程キレることをして、相手に見下されてない限り襲ってこないさ」
「あれ? ワタクシ昨日スライムさんに襲われた気がするのですが」
「余程キレることをしたうえに相手に見下されたんだろうよ」
ノアにピシャリと言われ、「ぐぬぬ」と言葉に詰まる。つまり、スライムに襲われている時点で雑魚確定ではないか。俺が。
ぐうの音も出ないでいると、頭上でノアが呆れたように息を吐いた。
「まあ、魔物も人間と同じようにいろんな奴がいる。喧嘩っ早い奴もいれば、単純に凶暴な奴もいる。強さのステータス関係なく問答無用で襲ってくるのもいるから注意しなよ。貴様の防御、三しか上がってないから」
「は? 三? 片手で?」
「両手一式だよ」
吐き捨てるようにノアに言われ、改めてつけた小手を見る。
甲を守る青い緩衝材は相変わらずプニプニと柔らかい。これが守備力一.五しかないというのか。
せっかくセリナが作ってくれたのに……あんなに大々的にやってくれたのに……。
腑に落ちないでいると、ノアが「やれやれ」と半ば呆れながら話を続けた。
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