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第5章 『死の森』へ
第74話 遠距離攻撃ってずるいよね
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「ムギちゃん! 頭下げて!」
アンジェの言葉に慌てて頭を下げると、矢は俺の頭上を飛び、荷台の壁に刺さった。なんとか避けたが、今度は壁が焦げたし、壁からモクモクと煙があがる。どうやらあの矢はファイヤー・コアでできていたらしい。
焦っている間も荒くれ共は俺たちとの距離をさらに縮める。
荷台からちらっと顔を出すと、肩を揺らしながら笑う奴らと目があった。
「この先には行かせねえよ」
馬を操る覆面男のドクが得意げに告げる。セリフと風貌は明らかに三下なのに、先ほどから鏃を向けられているせいでこちらも荷台に隠れることしかできなかった。手も足も出ないのがもどかしい。あの時本気でなかったのは、あいつらも同じだったのだ。
「どうする、アンジェ」
「どうするもこうするも、やるっきゃないでしょ。ムギちゃんは火の処理をお願い」
そう言ってアンジェはその場ですっくと立ち上がった。これでは文字通り、格好の的である。
「馬鹿め!」
案の定、チャックはアンジェに向かって矢を放つ。しかし、その瞬間に剣を構えたアンジェの目がカッと見開いた。
「燃えなさい!」
彼が剣を振るうと、切っ先から炎が出た。放射された炎は放たれた矢の軌道を変え、最終的には剣で振り落としていた。
「ちっ」
矢を落とされ、二人が舌打ちをする。
間一髪で矢は避けられた。ただ、この距離で炎の攻撃をされると俺も熱い。しかし、そんなことも言っていられない。
「ムギト! 親父からもらった道具で何か使えるのはないのか!」
「そうだった!」
フーリに言われ、ダルマンさんからもらった麻の袋をひっくり返す。しかも丁寧に道具の説明が書かれた紙も入っていた。
紙を見ながら、道具を見ていく。
・ファイヤー・コア・ボトル:水を入れて振るとお湯になる。
・アーミーナイフ:折り畳み可能な小型ナイフ。他にスプーンとフォークもついている。
・ウォーター・コア・ストーン:ほんのり冷たい石。火傷の処理など何かを冷やす時に使える。
・ウィンド・コア・ファン:軽い力で扇ぐだけで風が起こる火おこしの必需品。
・アイス・コア・ハンマー:叩くと氷が出る。
・香辛料:俺特性のブレンドスパイス。これを振っておけばなんでも美味くなる。
「使えねぇぇええ!!」
ほとんどキャンプ用品じゃないか! 遠足じゃねえんだよ遠足じゃ! 確かに便利な道具だけど、今ほしいのはそれじゃない!
頭を抱えながらも奇跡的に使えそうだったアイス・コア・ハンマーで燃えているところを叩く。すると、叩いたところが小さな氷塊となって矢ごと凍った。煙も消えたし、事なきことを得たようだ。
そうしている間にもアンジェが一人で矢を防いでくれている。俺も加勢のためにバトルフォークを握る。
「おっしゃ! やってやるぜ!」
気合いを入れて臨戦態勢を整えるが、今度は矢を三本も構えていた。連射する気である。
これは、ちょっとやばいかも。
そう思っている間に、チャックは矢を放った。
一本はアンジェに。これは華麗に彼が振り落とした。もう一本は俺に飛んできたが、即座にしゃがんで矢を避ける。
だが、もう一本の矢は――運転しているフーリに飛んでいた。
「あぶねえフーリ!」
けれども、フーリのほうに飛んだ矢は突然現れた小さな渦巻のような風に弾かれてどこかへ飛んだ。
「うへー、こいつは怖えな」
フーリが引き攣った笑みを浮かべながら額の汗を腕で拭いた。あの小さい渦巻のような風は彼の魔法だったようだ。あれが先ほど話していた「風の盾」なのだろう。
「自分の身とセントリーヌはなんとか守り抜く! あとは頼んだ!」
フーリが吠えて手綱を引くと、セントリーヌはさらにスピードを上げた。
彼女が走るたびに荷台は揺れる。しかし、この揺れでもなんとかその場で立つことができた。フーリが俺たちのバランスを見て速さを調節しているようだ。
しかし、奴らの攻撃は止まらなかった。矢を放たれては打ち落とし、放たれては避けるのくり返し。防御ばかりで一方に攻撃ができない。
アンジェの言葉に慌てて頭を下げると、矢は俺の頭上を飛び、荷台の壁に刺さった。なんとか避けたが、今度は壁が焦げたし、壁からモクモクと煙があがる。どうやらあの矢はファイヤー・コアでできていたらしい。
焦っている間も荒くれ共は俺たちとの距離をさらに縮める。
荷台からちらっと顔を出すと、肩を揺らしながら笑う奴らと目があった。
「この先には行かせねえよ」
馬を操る覆面男のドクが得意げに告げる。セリフと風貌は明らかに三下なのに、先ほどから鏃を向けられているせいでこちらも荷台に隠れることしかできなかった。手も足も出ないのがもどかしい。あの時本気でなかったのは、あいつらも同じだったのだ。
「どうする、アンジェ」
「どうするもこうするも、やるっきゃないでしょ。ムギちゃんは火の処理をお願い」
そう言ってアンジェはその場ですっくと立ち上がった。これでは文字通り、格好の的である。
「馬鹿め!」
案の定、チャックはアンジェに向かって矢を放つ。しかし、その瞬間に剣を構えたアンジェの目がカッと見開いた。
「燃えなさい!」
彼が剣を振るうと、切っ先から炎が出た。放射された炎は放たれた矢の軌道を変え、最終的には剣で振り落としていた。
「ちっ」
矢を落とされ、二人が舌打ちをする。
間一髪で矢は避けられた。ただ、この距離で炎の攻撃をされると俺も熱い。しかし、そんなことも言っていられない。
「ムギト! 親父からもらった道具で何か使えるのはないのか!」
「そうだった!」
フーリに言われ、ダルマンさんからもらった麻の袋をひっくり返す。しかも丁寧に道具の説明が書かれた紙も入っていた。
紙を見ながら、道具を見ていく。
・ファイヤー・コア・ボトル:水を入れて振るとお湯になる。
・アーミーナイフ:折り畳み可能な小型ナイフ。他にスプーンとフォークもついている。
・ウォーター・コア・ストーン:ほんのり冷たい石。火傷の処理など何かを冷やす時に使える。
・ウィンド・コア・ファン:軽い力で扇ぐだけで風が起こる火おこしの必需品。
・アイス・コア・ハンマー:叩くと氷が出る。
・香辛料:俺特性のブレンドスパイス。これを振っておけばなんでも美味くなる。
「使えねぇぇええ!!」
ほとんどキャンプ用品じゃないか! 遠足じゃねえんだよ遠足じゃ! 確かに便利な道具だけど、今ほしいのはそれじゃない!
頭を抱えながらも奇跡的に使えそうだったアイス・コア・ハンマーで燃えているところを叩く。すると、叩いたところが小さな氷塊となって矢ごと凍った。煙も消えたし、事なきことを得たようだ。
そうしている間にもアンジェが一人で矢を防いでくれている。俺も加勢のためにバトルフォークを握る。
「おっしゃ! やってやるぜ!」
気合いを入れて臨戦態勢を整えるが、今度は矢を三本も構えていた。連射する気である。
これは、ちょっとやばいかも。
そう思っている間に、チャックは矢を放った。
一本はアンジェに。これは華麗に彼が振り落とした。もう一本は俺に飛んできたが、即座にしゃがんで矢を避ける。
だが、もう一本の矢は――運転しているフーリに飛んでいた。
「あぶねえフーリ!」
けれども、フーリのほうに飛んだ矢は突然現れた小さな渦巻のような風に弾かれてどこかへ飛んだ。
「うへー、こいつは怖えな」
フーリが引き攣った笑みを浮かべながら額の汗を腕で拭いた。あの小さい渦巻のような風は彼の魔法だったようだ。あれが先ほど話していた「風の盾」なのだろう。
「自分の身とセントリーヌはなんとか守り抜く! あとは頼んだ!」
フーリが吠えて手綱を引くと、セントリーヌはさらにスピードを上げた。
彼女が走るたびに荷台は揺れる。しかし、この揺れでもなんとかその場で立つことができた。フーリが俺たちのバランスを見て速さを調節しているようだ。
しかし、奴らの攻撃は止まらなかった。矢を放たれては打ち落とし、放たれては避けるのくり返し。防御ばかりで一方に攻撃ができない。
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