地獄の門番

紗雪

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地獄の門番

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「地獄サイト?」
そう僕は目の前の女性に聞き返す。何でも今日本の中高生の間で流行っているサイトがあるらしい。令和の現代においてどこか腑に落ちないと思いつつも何とか飲み込む。流行りというものは一周して元に戻るからね。いつかまた山姥メイクが流行るのでは…なんてどうでもいいことを考えていると頭を叩かれる。
「今どうでもいいこと考えてたろ?」
鋭い。このスタイル抜群のお姉さんはもしかしたら心を読めるのかもしれない。
「読めないよ。ところでどうする?これは規約に違反するんじゃないのかい?」
いや読めるでしょ…。まあそろそろ真面目に切り替えよう。お姉さんの言う通り確かに問題だ。何せ地獄の名を騙っている。しかしこの手のやつは厄介なんだよなあ…。なんせ出処を見つけるのにとっても苦労する。ネット社会の弊害だよね。
「そこはあんたの得意分野だろ?あたしは色々準備があるから、特定できたら呼んでくれ。」
そう言うと奥の部屋へ去っていった。きっと流行りの漫画でも読むんだろう。この前ハマってるって言ってたし。いつものことだしスルーしよう。
さて、じゃあ本気をだそうか。電脳の世界から追ってもいいが、あくまで電脳サイドから追えても今度は現実でそこを特定しなければならないため、二度手間になってしまう。それならば多少の労力はかかれど、しっかり噂を辿っていく方が早い。漫画読む時間あんまりあげられなくてごめんね?
男は暗い部屋でモニターの前に座っていた。周りには虚ろな目をした女たちが裸で倒れている。
ひと仕事終えたのか男は息を吐くと女に向き合う。口元に嫌な笑いを貼り付けると女に手を伸ばそうとしてーー
「見つけたよ。」
直後突然現れた美人に腕を握りつぶされる。声にならない悲鳴をあげ、男は倒れた。
「地獄の名を騙ってこんなことして…課長も激怒だね。」
そう言うと蹲っていた男は一瞬にして消えた。辺りに飛び散った血も無くなっている。
「じゃあ帰ろうか。続きを読まないとね。」
そう言うとお姉さんも消えていった。最後まで見届けた僕も帰る準備をする。
ーー困るんだよ。地獄の名を騙られると。あんまり鬼の手を煩わせないでくれ…。
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