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白からの任務
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銀は蒼の部屋を出ると、そのままの足で白の部屋へと向かった。ノックをし、入ろうとすると、中からドタドタドタといきなり足音が聞こえ、痛そうな鈍い音までした。しばらくして、向こう側から扉が半分開き、中から顔を覗かせてきた。
「ご、ごめん……。どっ、どうぞ…」
「要件は? 蒼にお前から話があると聞いた」
「あー…、任意の任務の話なんだけど…」
銀は部屋に入りながらそう言うと、白は言いづらそうに苦笑いを浮かべた。その視線の先はまだ10にも満たない妹弟がいた。
妹弟の間には玩具があり、それを使って取引をしながら遊んでいるらしかった。
「おい、お前ら。白と俺は大事な話がある。ちょっと部屋を出てろ」
「えー! いま良い所なのにー!」
「ちょっとだけ待ってー!」
妹弟の返事に銀は舌打ちをして、白に振り返る。
「それは急用の任務か?」
「そうだね…、出来れば早い方がいいかな」
「分かった。俺の部屋に来い」
銀の部屋に行く間、白は痛そうに頭をさすっていた。初めは気にしていなかった銀だが、頻繁にさすっているので見てみると、見るからに大きなタンコブが出来ていた。
「おい、それ、冷やした方が良くないか?」
「大丈夫だよ。慌てたらいつもこうなるもん」
「いや、どっちにしても冷やした方が治りは早いと思うんだが…、まあいい。白の好きにしろ」
銀の部屋に付き、誰にも聞かれないよう執務室に入ると、白の雰囲気が変わった。任務を行う際の態度になり、プライベートモードだった銀も相応の雰囲気に変化した。
「雫からの情報だ。エリュウラサの敷地内ストル森に研究所有り、それを潰しに行くだけの任務。人数制限があり、精鋭を組むべし。
もし、銀も出てくれるならば本望。しかし、任務から帰還したばかりだ。無理は言わない」
「……日時、場所は?」
「実行は未定。場所はエリュウラサの敷地中心部から352°方向。目印は緑色のコンクリート」
「承知した。加わる」
「了解。精鋭が集まり次第、呼ぶ。蒼には僕から伝えておくね」
任務の話が終わったためか、白が笑顔になり、一気に張り詰めた空気がなくなった。
「分かった。エリュウラサ関連の任務、最近多いな…。」
「仕方ないよ。今まで力を溜めて、ようやく実行する時が来たんだもん。多分僕たちが生まれる前から力を溜めてたんだと思うし……」
白が若干困り顔になりながら言うと、銀が執務室を出た。
「俺は疲れたから寝るぞ。さっさと出ていけ」
銀が寝室に入りながらそういうと、白が呼び止めた。
「そうだ、もう1つ大事なこと忘れてた!」
「あぁ? んだよ?」
要件は一気に言えとでも言いそうな、面倒くさそうな顔を向ける。
「雫が銀と話がしたいんだって。内容は知らないけど、任務前に話したいとか言ってた」
「めんどくせー。あいつ、風のように現れて、風のように消えるんだぞ? どうやって話すんだよ。お前が話聞いてこっちに伝えに来い。ほら、さっさと部屋を出ろ」
「あっ……。」
銀は思い切りガチャンッと寝室の扉を閉めると、白が取り残された。
「直接話したいって雰囲気だったから、多分すぐにでも会えると思うんだけどなー。って、そうだ、蒼に任務のこと伝えに行かないと」
白はすぐに銀の部屋を出て蒼の元へ早足で向かうのだった。
「ご、ごめん……。どっ、どうぞ…」
「要件は? 蒼にお前から話があると聞いた」
「あー…、任意の任務の話なんだけど…」
銀は部屋に入りながらそう言うと、白は言いづらそうに苦笑いを浮かべた。その視線の先はまだ10にも満たない妹弟がいた。
妹弟の間には玩具があり、それを使って取引をしながら遊んでいるらしかった。
「おい、お前ら。白と俺は大事な話がある。ちょっと部屋を出てろ」
「えー! いま良い所なのにー!」
「ちょっとだけ待ってー!」
妹弟の返事に銀は舌打ちをして、白に振り返る。
「それは急用の任務か?」
「そうだね…、出来れば早い方がいいかな」
「分かった。俺の部屋に来い」
銀の部屋に行く間、白は痛そうに頭をさすっていた。初めは気にしていなかった銀だが、頻繁にさすっているので見てみると、見るからに大きなタンコブが出来ていた。
「おい、それ、冷やした方が良くないか?」
「大丈夫だよ。慌てたらいつもこうなるもん」
「いや、どっちにしても冷やした方が治りは早いと思うんだが…、まあいい。白の好きにしろ」
銀の部屋に付き、誰にも聞かれないよう執務室に入ると、白の雰囲気が変わった。任務を行う際の態度になり、プライベートモードだった銀も相応の雰囲気に変化した。
「雫からの情報だ。エリュウラサの敷地内ストル森に研究所有り、それを潰しに行くだけの任務。人数制限があり、精鋭を組むべし。
もし、銀も出てくれるならば本望。しかし、任務から帰還したばかりだ。無理は言わない」
「……日時、場所は?」
「実行は未定。場所はエリュウラサの敷地中心部から352°方向。目印は緑色のコンクリート」
「承知した。加わる」
「了解。精鋭が集まり次第、呼ぶ。蒼には僕から伝えておくね」
任務の話が終わったためか、白が笑顔になり、一気に張り詰めた空気がなくなった。
「分かった。エリュウラサ関連の任務、最近多いな…。」
「仕方ないよ。今まで力を溜めて、ようやく実行する時が来たんだもん。多分僕たちが生まれる前から力を溜めてたんだと思うし……」
白が若干困り顔になりながら言うと、銀が執務室を出た。
「俺は疲れたから寝るぞ。さっさと出ていけ」
銀が寝室に入りながらそういうと、白が呼び止めた。
「そうだ、もう1つ大事なこと忘れてた!」
「あぁ? んだよ?」
要件は一気に言えとでも言いそうな、面倒くさそうな顔を向ける。
「雫が銀と話がしたいんだって。内容は知らないけど、任務前に話したいとか言ってた」
「めんどくせー。あいつ、風のように現れて、風のように消えるんだぞ? どうやって話すんだよ。お前が話聞いてこっちに伝えに来い。ほら、さっさと部屋を出ろ」
「あっ……。」
銀は思い切りガチャンッと寝室の扉を閉めると、白が取り残された。
「直接話したいって雰囲気だったから、多分すぐにでも会えると思うんだけどなー。って、そうだ、蒼に任務のこと伝えに行かないと」
白はすぐに銀の部屋を出て蒼の元へ早足で向かうのだった。
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