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第1部
第1話 偉大なる公爵
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かつて、とある組織が実験を行った。
内容は、俗に言う錬金術や黒魔術といった類に近いものだ。その実験は見事に成功だったのだが、同時にそれを原因とする被害を、世界中にもたらしてしまった。
組織の目的は、異界とのコンタクト。この世界ではない時空の技術を手に入れたかったのだろう。
故に、1番大きな力を持っている世界を求めていたのだ。組織が実験の末にたどり着いた世界は、それに相応したものであった。
実験過程で行われる異界との接続。このシステムに要するゲートのようなものは、直径50cmほどのものだった。大きさは、人間が体勢を変えながら通れる限界に近い。
ただ、この組織唯一の失敗点は根本にある。大きな力を求めるということは、あらゆる戰に特化した世界と繋がる。力だけを求めた故に、この異界の者たちは言葉の通じる相手ではなかったというわけだ。
膨大な力を秘めた種は、知能こそ備わっているものの、非力な人間如きの言葉に耳を貸すほど素直ではなかった。
実験は成功だが、彼ら組織の思い描いた理想に届くことは無かった。
異界の者は己らの世界を「獄」と呼び、自らの呼称を「悪魔」と語る。
この日、悪魔は人の世に降り立った。
無論、共存なんてものが実現する筈もなく、こちらの世界は侵略を受ける。
ただひとつ、我々が解釈違いを起こしていたということもある。彼らが人間に対し暴虐を尽くすだとか、人の魂を喰らうだとか、そんな創作じみた事は起こらなかった。
起こるとしても、少し能力を駆使した悪戯程度で収められるレベルの事柄だ。
後に調べた結果としては、残虐で暴力的な種は姿が大きい為、ゲートを潜ってこちらに現れることができないのではという論が出ていた。
彼ら側からすると、悪戯の標的が増えた。領土が拡大したというくらいの感覚なのだろう。
しかし、そんな日常もエスカレートしてしまえば対立となる。悪戯レベルでも、何度も繰り返されると怒りも生まれるのだ。
ただ、人間にはどうすることも出来ない。それを傍観し、被害者側から冗談混じりに小突く程度が精一杯なのだ。
国家が悪魔に対し法律を叩きつけようと、それに逆らう異界の者たちを縛る術は持ち合わせていない。
命が安全だろうと、内心に積もる不快感は存在する。
そんなある年。ゲートがでたらめな力で強引に拡張されて、これまで現れなかった悪魔が降り立った。その悪魔特有の能力か、何か目的があったのかは知らない。だが、その1匹によりとある国の街一つが滅んだというのは事実だ。
これに対して、世界中では対悪魔専用の有象無象が開発された。勿論、その場凌ぎとしてしか扱えないガラクタばかりなわけだが。
そして警察や消防、自衛隊と並ぶように『DR』という組織が設立された。デビルリストレインの略称、日本語に直すと、悪魔を抑えるという意だ。
彼らは、世界の均衡を保つ為に戦う。
「先輩、通報入りました!×××の2丁目です!」
夏の暑さも少し薄くなり、蝉の声が静かになるこの頃、部署内に声が響いた。
DR乃鳥支部第3課の密閉された扉を開け放ち、国支給の申し訳程度にしかならない装備を身につけて飛び出す。
乃鳥支部は、この乃鳥市に置かれた部署。特に3課は人数不足が目立ち、活動範囲となっている地域が少ない。だからこそ、このように通報が入ることは珍しいのだ。
「宮沖先輩、キー持ちましたか?」
「あぁ、持ってる。今日は忘れてないからな」
今年部署に入った一年目の浦矢奈乃が、確認を向ける。前回の出動時に、車の眼前に至って初めてキーを忘れたと気付いた恥ずかしいエピソードが絡んでいる。
「トウヤ、大丈夫か。早く行くぞ」
隊長の言葉に相応しいよう支度を完了させ、俺と浦矢は返事を返す。
「よし、3課出動だ」
「はぁ……ったく、あの糞共はどこまで追ってきやがんだよ‼︎」
とある住宅の木陰に隠れ、言葉を溢す姿がひとつ。小さな身を枝に乗せ、過ぎ去る自動車の群れを傍観していた。
ふと、背景の辺りから声を聞く。人々が立てる足音を掻き消す、そんな声だ。
「どこに隠れやがった、ベリアルの野郎……‼︎敵前逃亡たぁ、名が廃れるなぁ‼︎」
「んだとあの野郎……クソ、完全体になったらまずアイツから殺してやる……‼︎」
無念ながらも姿を隠し、その姿から逃亡した悪魔の影は、言葉ののちにため息を吐いた。
「目標捕捉、サイズは……成人男性2人分ってとこですかね」
3課の解析担当である山藁宗二が、謎のスコープ的な物を片手に助手席で口にした。
「よし、総員装備を固めて出るぞ」
「了解」
車窓から顔を出した隊長は、続けて運転席の方向に声をかける。
「トウヤ、次の角で車を止めろ」
「うっす」
ハンドルを切り、目的地にてブレーキを踏む。扉を開けて、各隊員が目標と対峙した。
隊長が、事務用のメガホンで目標に向けて語りかける。
「どうした、お前に対して通報が入ったが、何かしたのか?」
キョロキョロと周りを気にしながら此方を発見する悪魔は、5本の足が四方八方を向いていて、ライオンのような顔が付属している。悪魔は、隊長の言葉に対して、怒りを表し返事をする。
「うるせぇ‼︎てめえらにゃ関係ねえんだよ……‼︎」
「隊長、様子がおかしいです。容姿から判断するにあいつはおそらくブエルという悪魔ですが、能力は癒しを中心としています。本来あの様な行為をする者ではない筈……」
すると、山藁の言葉にブエルは目を細める。獣の顔から、威圧の様なものを放っていた。
「てめえが俺の事語ってんじゃねぇ‼︎俺は忙しいんだ、てめえらにゃ構ってらんねえんだよ‼︎」
そういうとブエルは、自らの身体を車輪の様に転がして走り去った。
「あっ……待ちやがれこの野郎‼︎」
隊長の声も届かないらしく、みるみるうちにブエルの姿は消えてしまった。
「あのままじゃ私たちの範囲から飛び出しますよ、2課に連絡入れときます?」
隊長は浦矢の言葉に頷き、車に戻って業務用の受話器を取った。
「……隊長。アイツはなんであんなに早く動けるのに、通報を受けた場所と違わないところにずっと居たんですかね」
ふと、気になった考えを述べる。深く考えるのはあまり得意ではないので、ここまでで想像は止まってしまった訳だが。
「確かに、普通に自動車より早かったですよ。それなのに、このクソ狭い3課の範囲から出ていないどころか通報場所にずっといたなんて……」
随分と謎めいたことにってしまったが、ブエルの発言から推測するに、彼に目的があるということは明白だ。それさえ分かれば、進展するだろう。
「もしブエルの目的のものがここにあるなら、彼は絶対に此処へ戻ってくる。とりあえず2課には連絡入れておいて、我々は個別に徘徊してた方が見つけやすいかもしれませんね」
「ったく、面倒くさいなぁ」
個別行動にて、3課メンバーは4人に分かれた。仮にブエルを発見した場合は、その場で刺激せずに連絡をして集結しようという算段だった。
本来、DRの仕事は悪魔を倒すことではなく、一時的な捕獲や、事情聴取。やってる事は、介護士とかとそこまで変わらないのだ。
勿論、我々からすると悪魔の世界がどうなろうと知ったことではないので、倒す術があるなら是非加担したいまである。過去に2回、ブーシュヤンスタに寝坊させられた個人の意見だ。
「つーか毎回思うが、ここほんとに住宅街か?めっちゃビル群じゃん」
都市構造がしっかりとしていないのか、そういうコンセプトで作られた街なのかは知らない。だが、これを住宅街と呼ぶには少々建造物の高さが異常だろう。
「……ん?」
通り過ぎた路地裏に、何かが写った気がして脚を後ろへ戻す。案の定、そこには見慣れないものがあった。
「ブエルじゃねえけど……悪魔だよな……」
小さなそれは、悪魔だと理解するには十分な容姿だった。何処かの悪魔というテンプレートを沿ったようなデザインの中に、少しだけファンシーさというか、そういうものを含んでいる。
「大丈夫かお前、生きてるか?」
「ん、なんだ人間。オレ様に気安く話しかけやがって」
ものすごい上から目線だが、今こいつに向けられる視線は下を向いていた。
「心配してやってんのにそれは無くね?」
「黙れ」
「ひでぇなぁ」
職務中だというのに、腑抜けたコントの様な会話が繰り広げられる。一般知識程度だが、悪いばかりが悪魔ではないと知っているので、多分こいつはその類なんだろうなと思う。
「なあ、今ブエルってやつ追ってんだけど見なかった?」
小さな悪魔は、少し考えた後に何かを閃いた様な顔をした。
「ブエッ……オレ様の言うこと聞いてくれるなら……教えてやってもいいぞ」
「えぇ……それって契約的な?」
「そんな重たいもんじゃないさ、簡単な事だ」
悪魔の言うことなんて胡散臭いことこの上ないが、まあ聞いてやるくらいはしてやろうと思った。
「よし、お前、名前は?」
「宮沖トウヤだけど」
「よし分かったトウヤ、オレ様を食え!」
何言ってんだこいつは。まあ、聞くくらいはしようと思ったが……いや、ほんとに何言ってんだコイツ。
「お前、頭大丈夫か?歩けるか?1人で獄まで戻れるか?」
「よし、黙れ。お前がオレ様を馬鹿にしてることはよーく分かったから、オレ様も強行策に出るぞ」
小さな悪魔は急に飛び上がって、口の中に突っ込んできた。ツノとかがつっかえて入らないのは明白だが、そんな事どうでも良くなるくらい痛い。普通にトゲトゲした部分が硬いし、口の中に突き刺さってる。
「じょおまはにひへんらへめ⁉︎」
「おかしいな、トウヤ、お前もうちょい口開かねえのか?」
「ふっはけんら‼︎」
「ん、なんか言ったか?」
もうコイツ、本部まで連行してやろうかなと思った。その矢先だった。眼前の狭い道から、ヤギの足が現れたのだ。
「あっ……ふへる……」
「やべぇ‼︎おい、さっさと飲み込みやがれ‼︎」
鼻の穴すら圧迫され、息ができずに遠のく意識。その中で、なんとか聞き取れた会話があった。
「みぃつけたぜぇベリアルぅ~」
「ブエルてめぇ……何用だぁ⁉︎」
多分、ブエル側から見たら、ベリアルとかいうコイツのケツが向いているのだろう。ものすごい挑発行為だな。
あれ、ベリアル?ベリアルってなんだっけ。確か……
「決まってんだろ、獄で馬鹿みたいな高位に居た野郎が弱くなったって聞いたんだ。普通狩りに行くだろ」
ベリアル。『偉大なる公爵』とか『神の使い』とかいう二つ名を持つ、堕天使——
「ああもうこの際不完全でも構わねえ‼︎しっかり飲み込めよ‼︎」
口の中に、ごろっとした球体の感触が喉を落ちる。多分、コイツの口から放出されたものなのだろう。すごい汚ねえな。
「よし、オレ様のこと引っこ抜け‼︎」
飛び掛けの意識の中で、ベリアルを口から引き抜いた。自身でも理解できないような力だったので、唇や口内が裂けた。
「何してくれてんだクソ悪魔‼︎血‼︎めっちゃ血出たじゃねえか‼︎」
「黙れ、もうお前はオレ様だ。そんな傷、すぐ治る」
「……は?」
送られていなかった酸素を急激に取り込んだせいか、肺におさまらず、心臓までもが痛かった。そんな最中に告げられたその言葉の意味を、数秒後に知ることになる。
「いいかトウヤ、お前はオレ様のコアを飲み込んだ。だからお前はもう、オレ様の殻でしかない。存分に使ってやるから安心して眠れ」
その言葉で、今の自身に起きた事態を知り、意識が深い底の方へ沈んでいく感覚が襲う。
「な……にが、簡単な……んだよ……」
その身で感じる全ての感覚は、一瞬の隙に途絶えた。
運動に適したフォルムの最低限を併せ持つ腕、脚、胴体、腰、頭部で構築された、人間の形。それぞれの環境に適した生物には劣る部分ばかりだが、バランス面を考えれば人間が1番良い。
というか、何より見てくれが良い。
そこに、悪魔のボディを上乗せしているのだ。本来あるべきベリアルの名に恥じぬその姿が、この身体を作り替えている。
首を左右に傾けるだけで、骨がかなり大きな音を立てた。まだ不完全なのだろうが、後々順応するだろう。
「よぉ、待たせたなぁ」
「んだよ……話がちげぇじゃねえか‼︎」
元より人間には、寿命までのエネルギー全てが備わっている。それを少しずつ消費して生活し、そのエネルギーが尽きた時に死亡する。
人間を乗っ取る悪魔はそれを理解している故に、そのエネルギーを好き勝手に操作して、その際の最善を尽くすことができる。
さらには、寿命が尽きれば、その身を捨てて代わりを探せば良い。
だから、今回も最善でいかせてもらおう。
右脚で地を蹴り、距離を詰める。ブエルは戦闘に適した種ではない為、経験差を考えれば防御はあまり必要ないだろう。
左膝で、顔を突いて蹴り上げる。図体の大きな獣の詰め合わせは、ゴム人形のように弾け飛んだ。
しかしこの程度で終わる様ならば、アガリアレプトの支配下なんてものは務まらないだろう。追撃を要されると予測する。
「さぁて、ブエルくんはオレ様を殺そうとしてたんだっけ。オレ様は優しいから全力で戦ってやりてえんだが」
負けじと高速回転を繰り返し、縦横無尽にこちらへ向かうブエルの姿が目に映る。
「あぁそうだよなぁ‼︎全盛期よりは全ッ然弱え‼︎」
近づく獣の詰め合わせに、1発だけ右のブローをかました。
「本当に悪ぃなぁ、これが今の限☆界だぁ」
ブエルは、血液らしき謎の液体を撒き散らしながら吹っ飛んで、その先に構える低いビルに衝突した。
「ブエルぅ~もっとやろうぜぇ~?」
「ふっ……ザけん……」
「ん、なんだってぇ?」
人のいないオフィスの壁を突き破り、日も暮れかけの光を浴びる。
「さーて、じゃあ始めようか」
「な……にを……」
久々のそれに、好奇心と喜びが入り混じって気持ち悪い笑みが溢れている。それも、どうでもいいくらい楽しみなのだ。
「決まってんだろ、クッキングだ」
その言葉を残して、両手を合わせて『パンッ』と音を立てる。そして、ブエルの顎より少し下辺りに手を添えて、爪で肉を貫く。
「あアアアアアア⁉︎はァァァァァァァァ⁉︎ベッ……リアルてめぇ何しゔぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
「さぁて、今日の料理は中々難易度高めですが、下民の皆さんに作れますかねー?それでは初めていきましょうか!」
ブエルの悲鳴は、息継ぎの間もなく鳴り響く。
「まずは下拵えです!ライオンの肉は硬くてゲロみてえな味がするので、可能な限りでいいので取り除きましょう!」
両手を突っ込み、裂いたブエルの喉を左右に引きちぎる。
「次はヤギの肉ですね!この料理では添える程度なのですが、まあ食えなくはないレベルですね!」
5本あるヤギの脚を、一本ずつ丁寧に引きちぎる。もう既に、ブエルの声なんて聴こえていない。
「するとその中に……ありました!本日の最高級食材『ブエルコア』です‼︎いやー、これが彼の核となる部分、素晴らしい輝きです。先程まで生きていただけあって、ものすごく新鮮ですね!」
発見した赤黒い球を、親指と人差し指でつまんで夕日に透かす。
「本日作った料理は『ブエルコアの四肢添え』です!全部脚じゃねえか、5本あるじゃねえかという突っ込みは受け付けておりませーん!さーて、それでは……」
ブエルの血に濡れた、とあるオフィスにて。その声は響いた。
「いっただきまぁす!」
内容は、俗に言う錬金術や黒魔術といった類に近いものだ。その実験は見事に成功だったのだが、同時にそれを原因とする被害を、世界中にもたらしてしまった。
組織の目的は、異界とのコンタクト。この世界ではない時空の技術を手に入れたかったのだろう。
故に、1番大きな力を持っている世界を求めていたのだ。組織が実験の末にたどり着いた世界は、それに相応したものであった。
実験過程で行われる異界との接続。このシステムに要するゲートのようなものは、直径50cmほどのものだった。大きさは、人間が体勢を変えながら通れる限界に近い。
ただ、この組織唯一の失敗点は根本にある。大きな力を求めるということは、あらゆる戰に特化した世界と繋がる。力だけを求めた故に、この異界の者たちは言葉の通じる相手ではなかったというわけだ。
膨大な力を秘めた種は、知能こそ備わっているものの、非力な人間如きの言葉に耳を貸すほど素直ではなかった。
実験は成功だが、彼ら組織の思い描いた理想に届くことは無かった。
異界の者は己らの世界を「獄」と呼び、自らの呼称を「悪魔」と語る。
この日、悪魔は人の世に降り立った。
無論、共存なんてものが実現する筈もなく、こちらの世界は侵略を受ける。
ただひとつ、我々が解釈違いを起こしていたということもある。彼らが人間に対し暴虐を尽くすだとか、人の魂を喰らうだとか、そんな創作じみた事は起こらなかった。
起こるとしても、少し能力を駆使した悪戯程度で収められるレベルの事柄だ。
後に調べた結果としては、残虐で暴力的な種は姿が大きい為、ゲートを潜ってこちらに現れることができないのではという論が出ていた。
彼ら側からすると、悪戯の標的が増えた。領土が拡大したというくらいの感覚なのだろう。
しかし、そんな日常もエスカレートしてしまえば対立となる。悪戯レベルでも、何度も繰り返されると怒りも生まれるのだ。
ただ、人間にはどうすることも出来ない。それを傍観し、被害者側から冗談混じりに小突く程度が精一杯なのだ。
国家が悪魔に対し法律を叩きつけようと、それに逆らう異界の者たちを縛る術は持ち合わせていない。
命が安全だろうと、内心に積もる不快感は存在する。
そんなある年。ゲートがでたらめな力で強引に拡張されて、これまで現れなかった悪魔が降り立った。その悪魔特有の能力か、何か目的があったのかは知らない。だが、その1匹によりとある国の街一つが滅んだというのは事実だ。
これに対して、世界中では対悪魔専用の有象無象が開発された。勿論、その場凌ぎとしてしか扱えないガラクタばかりなわけだが。
そして警察や消防、自衛隊と並ぶように『DR』という組織が設立された。デビルリストレインの略称、日本語に直すと、悪魔を抑えるという意だ。
彼らは、世界の均衡を保つ為に戦う。
「先輩、通報入りました!×××の2丁目です!」
夏の暑さも少し薄くなり、蝉の声が静かになるこの頃、部署内に声が響いた。
DR乃鳥支部第3課の密閉された扉を開け放ち、国支給の申し訳程度にしかならない装備を身につけて飛び出す。
乃鳥支部は、この乃鳥市に置かれた部署。特に3課は人数不足が目立ち、活動範囲となっている地域が少ない。だからこそ、このように通報が入ることは珍しいのだ。
「宮沖先輩、キー持ちましたか?」
「あぁ、持ってる。今日は忘れてないからな」
今年部署に入った一年目の浦矢奈乃が、確認を向ける。前回の出動時に、車の眼前に至って初めてキーを忘れたと気付いた恥ずかしいエピソードが絡んでいる。
「トウヤ、大丈夫か。早く行くぞ」
隊長の言葉に相応しいよう支度を完了させ、俺と浦矢は返事を返す。
「よし、3課出動だ」
「はぁ……ったく、あの糞共はどこまで追ってきやがんだよ‼︎」
とある住宅の木陰に隠れ、言葉を溢す姿がひとつ。小さな身を枝に乗せ、過ぎ去る自動車の群れを傍観していた。
ふと、背景の辺りから声を聞く。人々が立てる足音を掻き消す、そんな声だ。
「どこに隠れやがった、ベリアルの野郎……‼︎敵前逃亡たぁ、名が廃れるなぁ‼︎」
「んだとあの野郎……クソ、完全体になったらまずアイツから殺してやる……‼︎」
無念ながらも姿を隠し、その姿から逃亡した悪魔の影は、言葉ののちにため息を吐いた。
「目標捕捉、サイズは……成人男性2人分ってとこですかね」
3課の解析担当である山藁宗二が、謎のスコープ的な物を片手に助手席で口にした。
「よし、総員装備を固めて出るぞ」
「了解」
車窓から顔を出した隊長は、続けて運転席の方向に声をかける。
「トウヤ、次の角で車を止めろ」
「うっす」
ハンドルを切り、目的地にてブレーキを踏む。扉を開けて、各隊員が目標と対峙した。
隊長が、事務用のメガホンで目標に向けて語りかける。
「どうした、お前に対して通報が入ったが、何かしたのか?」
キョロキョロと周りを気にしながら此方を発見する悪魔は、5本の足が四方八方を向いていて、ライオンのような顔が付属している。悪魔は、隊長の言葉に対して、怒りを表し返事をする。
「うるせぇ‼︎てめえらにゃ関係ねえんだよ……‼︎」
「隊長、様子がおかしいです。容姿から判断するにあいつはおそらくブエルという悪魔ですが、能力は癒しを中心としています。本来あの様な行為をする者ではない筈……」
すると、山藁の言葉にブエルは目を細める。獣の顔から、威圧の様なものを放っていた。
「てめえが俺の事語ってんじゃねぇ‼︎俺は忙しいんだ、てめえらにゃ構ってらんねえんだよ‼︎」
そういうとブエルは、自らの身体を車輪の様に転がして走り去った。
「あっ……待ちやがれこの野郎‼︎」
隊長の声も届かないらしく、みるみるうちにブエルの姿は消えてしまった。
「あのままじゃ私たちの範囲から飛び出しますよ、2課に連絡入れときます?」
隊長は浦矢の言葉に頷き、車に戻って業務用の受話器を取った。
「……隊長。アイツはなんであんなに早く動けるのに、通報を受けた場所と違わないところにずっと居たんですかね」
ふと、気になった考えを述べる。深く考えるのはあまり得意ではないので、ここまでで想像は止まってしまった訳だが。
「確かに、普通に自動車より早かったですよ。それなのに、このクソ狭い3課の範囲から出ていないどころか通報場所にずっといたなんて……」
随分と謎めいたことにってしまったが、ブエルの発言から推測するに、彼に目的があるということは明白だ。それさえ分かれば、進展するだろう。
「もしブエルの目的のものがここにあるなら、彼は絶対に此処へ戻ってくる。とりあえず2課には連絡入れておいて、我々は個別に徘徊してた方が見つけやすいかもしれませんね」
「ったく、面倒くさいなぁ」
個別行動にて、3課メンバーは4人に分かれた。仮にブエルを発見した場合は、その場で刺激せずに連絡をして集結しようという算段だった。
本来、DRの仕事は悪魔を倒すことではなく、一時的な捕獲や、事情聴取。やってる事は、介護士とかとそこまで変わらないのだ。
勿論、我々からすると悪魔の世界がどうなろうと知ったことではないので、倒す術があるなら是非加担したいまである。過去に2回、ブーシュヤンスタに寝坊させられた個人の意見だ。
「つーか毎回思うが、ここほんとに住宅街か?めっちゃビル群じゃん」
都市構造がしっかりとしていないのか、そういうコンセプトで作られた街なのかは知らない。だが、これを住宅街と呼ぶには少々建造物の高さが異常だろう。
「……ん?」
通り過ぎた路地裏に、何かが写った気がして脚を後ろへ戻す。案の定、そこには見慣れないものがあった。
「ブエルじゃねえけど……悪魔だよな……」
小さなそれは、悪魔だと理解するには十分な容姿だった。何処かの悪魔というテンプレートを沿ったようなデザインの中に、少しだけファンシーさというか、そういうものを含んでいる。
「大丈夫かお前、生きてるか?」
「ん、なんだ人間。オレ様に気安く話しかけやがって」
ものすごい上から目線だが、今こいつに向けられる視線は下を向いていた。
「心配してやってんのにそれは無くね?」
「黙れ」
「ひでぇなぁ」
職務中だというのに、腑抜けたコントの様な会話が繰り広げられる。一般知識程度だが、悪いばかりが悪魔ではないと知っているので、多分こいつはその類なんだろうなと思う。
「なあ、今ブエルってやつ追ってんだけど見なかった?」
小さな悪魔は、少し考えた後に何かを閃いた様な顔をした。
「ブエッ……オレ様の言うこと聞いてくれるなら……教えてやってもいいぞ」
「えぇ……それって契約的な?」
「そんな重たいもんじゃないさ、簡単な事だ」
悪魔の言うことなんて胡散臭いことこの上ないが、まあ聞いてやるくらいはしてやろうと思った。
「よし、お前、名前は?」
「宮沖トウヤだけど」
「よし分かったトウヤ、オレ様を食え!」
何言ってんだこいつは。まあ、聞くくらいはしようと思ったが……いや、ほんとに何言ってんだコイツ。
「お前、頭大丈夫か?歩けるか?1人で獄まで戻れるか?」
「よし、黙れ。お前がオレ様を馬鹿にしてることはよーく分かったから、オレ様も強行策に出るぞ」
小さな悪魔は急に飛び上がって、口の中に突っ込んできた。ツノとかがつっかえて入らないのは明白だが、そんな事どうでも良くなるくらい痛い。普通にトゲトゲした部分が硬いし、口の中に突き刺さってる。
「じょおまはにひへんらへめ⁉︎」
「おかしいな、トウヤ、お前もうちょい口開かねえのか?」
「ふっはけんら‼︎」
「ん、なんか言ったか?」
もうコイツ、本部まで連行してやろうかなと思った。その矢先だった。眼前の狭い道から、ヤギの足が現れたのだ。
「あっ……ふへる……」
「やべぇ‼︎おい、さっさと飲み込みやがれ‼︎」
鼻の穴すら圧迫され、息ができずに遠のく意識。その中で、なんとか聞き取れた会話があった。
「みぃつけたぜぇベリアルぅ~」
「ブエルてめぇ……何用だぁ⁉︎」
多分、ブエル側から見たら、ベリアルとかいうコイツのケツが向いているのだろう。ものすごい挑発行為だな。
あれ、ベリアル?ベリアルってなんだっけ。確か……
「決まってんだろ、獄で馬鹿みたいな高位に居た野郎が弱くなったって聞いたんだ。普通狩りに行くだろ」
ベリアル。『偉大なる公爵』とか『神の使い』とかいう二つ名を持つ、堕天使——
「ああもうこの際不完全でも構わねえ‼︎しっかり飲み込めよ‼︎」
口の中に、ごろっとした球体の感触が喉を落ちる。多分、コイツの口から放出されたものなのだろう。すごい汚ねえな。
「よし、オレ様のこと引っこ抜け‼︎」
飛び掛けの意識の中で、ベリアルを口から引き抜いた。自身でも理解できないような力だったので、唇や口内が裂けた。
「何してくれてんだクソ悪魔‼︎血‼︎めっちゃ血出たじゃねえか‼︎」
「黙れ、もうお前はオレ様だ。そんな傷、すぐ治る」
「……は?」
送られていなかった酸素を急激に取り込んだせいか、肺におさまらず、心臓までもが痛かった。そんな最中に告げられたその言葉の意味を、数秒後に知ることになる。
「いいかトウヤ、お前はオレ様のコアを飲み込んだ。だからお前はもう、オレ様の殻でしかない。存分に使ってやるから安心して眠れ」
その言葉で、今の自身に起きた事態を知り、意識が深い底の方へ沈んでいく感覚が襲う。
「な……にが、簡単な……んだよ……」
その身で感じる全ての感覚は、一瞬の隙に途絶えた。
運動に適したフォルムの最低限を併せ持つ腕、脚、胴体、腰、頭部で構築された、人間の形。それぞれの環境に適した生物には劣る部分ばかりだが、バランス面を考えれば人間が1番良い。
というか、何より見てくれが良い。
そこに、悪魔のボディを上乗せしているのだ。本来あるべきベリアルの名に恥じぬその姿が、この身体を作り替えている。
首を左右に傾けるだけで、骨がかなり大きな音を立てた。まだ不完全なのだろうが、後々順応するだろう。
「よぉ、待たせたなぁ」
「んだよ……話がちげぇじゃねえか‼︎」
元より人間には、寿命までのエネルギー全てが備わっている。それを少しずつ消費して生活し、そのエネルギーが尽きた時に死亡する。
人間を乗っ取る悪魔はそれを理解している故に、そのエネルギーを好き勝手に操作して、その際の最善を尽くすことができる。
さらには、寿命が尽きれば、その身を捨てて代わりを探せば良い。
だから、今回も最善でいかせてもらおう。
右脚で地を蹴り、距離を詰める。ブエルは戦闘に適した種ではない為、経験差を考えれば防御はあまり必要ないだろう。
左膝で、顔を突いて蹴り上げる。図体の大きな獣の詰め合わせは、ゴム人形のように弾け飛んだ。
しかしこの程度で終わる様ならば、アガリアレプトの支配下なんてものは務まらないだろう。追撃を要されると予測する。
「さぁて、ブエルくんはオレ様を殺そうとしてたんだっけ。オレ様は優しいから全力で戦ってやりてえんだが」
負けじと高速回転を繰り返し、縦横無尽にこちらへ向かうブエルの姿が目に映る。
「あぁそうだよなぁ‼︎全盛期よりは全ッ然弱え‼︎」
近づく獣の詰め合わせに、1発だけ右のブローをかました。
「本当に悪ぃなぁ、これが今の限☆界だぁ」
ブエルは、血液らしき謎の液体を撒き散らしながら吹っ飛んで、その先に構える低いビルに衝突した。
「ブエルぅ~もっとやろうぜぇ~?」
「ふっ……ザけん……」
「ん、なんだってぇ?」
人のいないオフィスの壁を突き破り、日も暮れかけの光を浴びる。
「さーて、じゃあ始めようか」
「な……にを……」
久々のそれに、好奇心と喜びが入り混じって気持ち悪い笑みが溢れている。それも、どうでもいいくらい楽しみなのだ。
「決まってんだろ、クッキングだ」
その言葉を残して、両手を合わせて『パンッ』と音を立てる。そして、ブエルの顎より少し下辺りに手を添えて、爪で肉を貫く。
「あアアアアアア⁉︎はァァァァァァァァ⁉︎ベッ……リアルてめぇ何しゔぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
「さぁて、今日の料理は中々難易度高めですが、下民の皆さんに作れますかねー?それでは初めていきましょうか!」
ブエルの悲鳴は、息継ぎの間もなく鳴り響く。
「まずは下拵えです!ライオンの肉は硬くてゲロみてえな味がするので、可能な限りでいいので取り除きましょう!」
両手を突っ込み、裂いたブエルの喉を左右に引きちぎる。
「次はヤギの肉ですね!この料理では添える程度なのですが、まあ食えなくはないレベルですね!」
5本あるヤギの脚を、一本ずつ丁寧に引きちぎる。もう既に、ブエルの声なんて聴こえていない。
「するとその中に……ありました!本日の最高級食材『ブエルコア』です‼︎いやー、これが彼の核となる部分、素晴らしい輝きです。先程まで生きていただけあって、ものすごく新鮮ですね!」
発見した赤黒い球を、親指と人差し指でつまんで夕日に透かす。
「本日作った料理は『ブエルコアの四肢添え』です!全部脚じゃねえか、5本あるじゃねえかという突っ込みは受け付けておりませーん!さーて、それでは……」
ブエルの血に濡れた、とあるオフィスにて。その声は響いた。
「いっただきまぁす!」
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