追放公爵ベリアルさんの偉大なる悪魔料理〜同胞喰らいの逆襲無双劇〜

軍艦あびす

文字の大きさ
2 / 49
第1部

第2話 東の王

しおりを挟む
 一飲みにされたブエルの核は、無邪気な悪魔の胎内に消えた。それは、ベリアルの求める味を作っていた数少ない食材である。
「……さて、尊い犠牲ことトウヤの身体もありがたく頂いたが、これ以上人間界に死人出したらめんどくせえ事になりそうだ。できるだけ寿命は節約しねえと……」
 なんて言っていると、突然身体に構築されていたベリアルの部分が剥がれ落ち、姿は元の宮沖トウヤに戻っていた。
「……あ?」
 身体が軽くなり、全身に溢れていた先程までの力は皆無となっていた。
「ベッ……リアルてめぇ……ふざけんじゃねえ‼︎」
 己の口から出た言葉だ。思ってもいない様なその単語は、己が纏う身体に備わった口から発せられていた。
「トウヤ……⁉︎てめぇなんで生きてんだ‼︎」
「知るか……‼︎つーかこれ俺ん身体だし出ていけよ‼︎」
 突然込み上げる胃の中身。喉を逆流するそれらは、一気に全てを吐き出した。
「ゔっ……おぇぇ……」
 眼前に、消化されていない昼食と身に覚えのない謎の肉。そして、二つの赤黒い球が転がっていた。
「フッざけんなよ……俺の身体で何食ってんだよ……」
 思考内に潜む存在が嘔吐と共に消滅した事で、独り言のつもりだったのだが、眼前の吐瀉物に塗れた赤黒い球が返事をした。
「ブエルの足だぞ。普通のヤギ肉と変わらん筈だが何か不満あんのか?」
「おまっ……これ生肉……ゔぉぇ……」
 豚や牛や鶏ならまだ理解はできる。いや、流石に生で食う事に理解が行き届くわけでは無いが……流石に、ヤギはないだろう、ヤギは。
「……そうか、そういうことか」
「んだよ……」
 ベリアルは赤黒い球を元に、最初に出会った頃のマスコット的な姿に戻って語る。
「ブエルの能力は癒し……それも、主に男に対して効果を発揮する。オレ様がブエルコアを食った事で、ブエルの能力がトウヤに働いたって事か」
 なるほど、山藁さんの言っていた通りブエルには癒しの能力が備わっているらしい。
 というのは、ちょっと納得しかけたが、今はそれどころでは無い。
「おいベリアル、てめえふざけんなよ?俺の身体で悪魔殺してそれ食ったんだぞ。俺がどうなるか分かるか」
「お前が悪魔のコアの味に目覚め、オレ様とコアを求める旅に出る展開だろ」
「うるせぇ、俺が次の定期検診に引っかかって懲戒なんて事になったらてめえのせいだからな」
 こちらの意見すらまともに通らないという件に理不尽という言葉を重ねてみるが、悪魔に対して何を今更と笑い飛ばされるだけだろう。残念だが、次の検診までに仕事を探しておくとしよう。
 砕けたコンクリートのオフィスから見下ろした街は、ベリアルと言い争っている間にすっかり闇に満ちてしまった。しかし、真下はしっかりと目に映っている。
「宮沖先輩、なにやってんすか⁉︎」
「浦矢……」
 
 部署に戻った俺たちは、簡易の麻縄でベリアルを括り付けて捕獲した。あの甚大な被害を生み出した悪魔だというのに、この姿だと電池で動く玩具とそんなに変わらない。
「何してくれんだトウヤぁぁぁ‼︎ほどきやがれ‼︎」
 部署の3人には、強大な力を使い果たしてこの姿になったと説明をしておいたが、普通に喋れるベリアルの前で嘘を並べる必要はあったのか今更謎が浮かぶ。
「ゔっ……わりぃ浦矢、そいつ見といて……」
「宮沖先輩⁉︎大丈夫ですか、吐きそうですか⁉︎」
「うん、吐きそ……」
 何度も口を洗い流したが、やはり異形の血肉を加熱せずに食したという事は、精神面に対する被害がかなり大きいらしい。
 胃の中身を全て出し切ったというのに、依然吐き気が収まる気はしなかった。
 部署の横に備え付けられた古い便器と向かい合い、出るはずもない感覚と格闘する。
「クッソあの野郎……」
 結局口からはなにも飛び出さないまま、部署へ戻っていくのだった。
 扉を開けた先で、浦矢が楽しそうな声を小さくあげていた。
「宮沖せんぱぁい、この子口は悪いけど案外可愛くないすか⁉︎3課で飼っちゃだめですか⁉︎」
「お前、犬じゃねえんだから……」
「なんだ貧乳、誰が家畜だ殺すぞ」
「ひんっ……」
 デリカシーのカケラもないベリアルの言葉が、浦矢を貫く。まあ、これ以上関わられて余計な口を溢さない為には賢明な判断だろうか。
「で、トウヤ。コイツに関しての報告書なんだが……」
「隊長、さっき言った通りですよ。コイツが暴れてブエルを殺したんです。俺はそこに偶然居合わせただけで……」
 いや、嘘は言ってない。本当に通りがかりで、ベリアルとブエルの戦いに偶然居合わせただけなのだ。無関係かと言われればそうでもないが、この件は目撃者程度の関わりという事にしておこう。
「……そうか、まあ本部まで連絡して、ベリアルに処罰を与えるべきだろうな。悪魔とはいえ殺害と建造物破壊の罪は重いだろう」
「そうですよね。こんなクソ悪魔はさっさと裁かれた方がいいです」
 勝手に身体を乗っ取られて好き放題暴れられ、危うく加害者であると認めなければならない事態にまで発展しかけた。もう俺は、こんな奴と関わりたくないのだ。
「とりあえずコイツの監視は必要だろうな。泊まり込み要員は……ジャンケンでいいな?」
「あーうん、それが1番効率いいっすよ」
 山藁さんの賛成により、本日の泊まり込み監視役をかけたジャンケン大会が開催される事に。ちなみに監視は交互に仮眠をとりながら行うものとして、4人のうち2人が選抜される事となった。
 
「いやー、前から思ってたけどトウヤほんと弱えなぁ」
「なんで俺だけ毎回1回目に負けるんすか……?」
 なんか、負けた。普通に負けた。ジャンケンは直感に任せて、深く考えずにする派だ。なのに、ここまで勝率が低いのはもう何かの呪い的なものだろうか。二日前の、アイスクリームパシリジャンケンも1人負けをした記憶が新しい。
「あっ……私ですか」
「というわけだから、トウヤと奈乃ちゃんよろしく。あと、2人ともしっかりメシは食えよ」
 隊長は浦矢の机に1000円札を3枚置いて、帰宅の準備を始めた。
「ちょ……隊長、3000は多いですよ」
「うるせぇ、育ち盛りなんだからしっかり食わなきゃダメだ」
 本当に、こういうところがすごいなと感じる。さらっと財布から3枚も札が出てくる寛大さというか、そういうところだろうか。
 まあなんにせよ、有り難き支援だ。たまには部署にデリバリーを頼むのも良いかもしれない。
 
 
 深夜1時。既に闇へ溺れた街に一つ灯りを灯し、この3課はひっそりと息をしている。
 夕飯は浦矢と悩んだ末に、有名な某社のピザを3枚注文した。消費税とかの小銭は、浦矢の見えないところで己の財布からひっそりと払っておいた。
 ちなみに、あんな事をした後なので食事は喉を通るはずもない。結局ほとんど食べる間もなく、浦矢とベリアルが食べ尽くしてしまった。
「なあ。お前何してんの」
 睡魔に負けた浦矢の事は放っておいて、今日の件について色々と調べていた。なかなか捗っていたが、ついにこのクソ悪魔の妨害が入ってしまったらしい。
「調べもんだよ、お前は寝ろ」
「なんだ、エロいもん見てんのか」
「ブエルについて調べてんだよ」
 1日すら経っていないというのに、コイツの本質を理解できてきた気がする。どんな事を言い出すかだとか、どう対応すれば良いのかが割と簡単に分かるようになってしまった。
「目の前にオレ様が居んのにソレ使ってんのかよ」
「じゃあお前が教えてくれんのか?」
 ベリアルはため息を吐き、短い脚をバタバタさせながら語った。
「ブエルの序列は10番、大総裁の立場だ。6柱でサタナキアと共に司令官を勤めるアガリアレプトの支配下に属している」
 画面に映っていた言葉と瓜二つの言葉を並べたベリアルは、得意げにドヤ顔をしてみせた。普通にものすごくうざい。
「つまり、今回お前を殺そうとしてたのはアガリアレプトの指令だったのか?」
「どうだろうな、アイツの行動は読めねぇけど、ブエルはあぁいう性格だ。殺す前に聞いとくんだったな」
 依然括り付けられて行動を封じられたベリアルの余った力は、口から言葉に変換されているのだろうか。そう疑いたくなるくらい、この後無駄な会話が続いた。
 
 2時を過ぎた辺り。最早交代なんて概念は無いらしく、浦矢は全然起きる様子がない。うるさかったので、彼女が起きていないにも関わらずアラームを止めてやった。
「お前も苦労してんな」
「まあ、後輩無理に起こしてってのもアレだしな」
 静かな深夜の空気に当てられても、未だ残る気分の悪さのお陰か眠気は現れない。生活リズム云々とかを語る気はないが、ちょっと不安は残る。
「ていうかお前、ずっと気になってんだけどさ」
「あ?」
 ベリアルは、何故かにやりと笑みを浮かべる。意図は理解できなかった。
「俺が連中から狙われてんのに、ここに縛るのなんで反対しなかった?」

 ——そのベリアルの言葉が途切れたタイミングを見計らうように、窓ガラスが弾け飛んだ。
「なっ……‼︎」
「まぁ、俺的にはお前が近くにいる方が都合良いけどな」
 ふざけた事を言っているように聞こえるかもしれないが、一度体感している身からすればかなり死活問題の発言だ。遠回しに、もう一度アレになれと言われているのだから。
 というか、窓ガラス割れた音でも起きないとか浦矢はどうなってんだ?
「トウヤ、胃の調子整えとけよ」
「断る。もう今度やったら俺人間に戻れない気がするし」
 運良くブエルの力でこの身をベリアルから取り返したというのに、この状況でもう一度なんて試そうものなら頭がおかしい一択だろう。
「ずっとブエルコア食ったままにしときゃあ好きなときに回復出来るだろ。おらよ」
 ベリアルは、口から赤黒い球を吐き出した。
「食わねえしそもそも会話に納得していたとしてもそんな汚いもの食うわけないだろ」
 わかりやすく嫌な顔をしていると、ベリアルは急に声を上げた。誰だってこうするはずなのだが。
「うっせぇ黙って食えや‼︎高級食材だぞ‼︎」
 ベリアルは、その短い脚とは思えないコントロールでブエルコアを蹴り上げる。あまりのスピードに反応しきれず、無念にも汚物となったブエルの核が口の中に突っ込んできた。
「へめまじふはけんなよ‼︎」
 ゴクリ、と。己の喉とは思えないような大きな音を立てて、胃の中にドスンと重みを感じた。
「ゔっ……」
 感じたことのない食後の気分の悪さが残るが、何故か段々と薄まっていく。これがブエルの能力だとすれば、なかなか実用性がありそうだ。
「おし、じゃあ次はオレ様のコアだ‼︎」
 先程と同じように、口の中にぶち込まれるベリアルコア。それもごくりと大きな音を立てて、胃の中に消えていった。
「さぁて、テイスティングの時間だぜ」
 ベリアルに支配された身は、両手を合わせて涎を啜った。
『おい、てめぇ今度こそ本部まで連行するからな』
「は?なんで意識あんだよ」
『ブエルコアのお陰でこの通りだよ』
 前回と同じく意識が飛びかけていた最中、沈む精神はブエルコアを見つけた。それを手に取り目を開いた先では、ベリアルの支配した己の身体が見ている景色が映っていた。
「意識だけか。この状態じゃあ、身体の主導権はオレ様が握ってるって事で」
『ふざけんなオレの身体返せ』
「呑気な事言ってる暇あんのか?本日の食材がお見えになるぜ」
 一般の事務所の様な内装の3課にガラス片を撒き散らした張本人は、その四角い穴から顔を見せる。
「バアルかぁ。フキフグの配下って事は、アガリアレプトはハズレだな」
 バアルは、中々高い地位に君臨す悪魔である。
「王様自ら出向くたぁそんなにオレ様の事が好きって事かぁ?」
「五月蝿い。ルキフグ様の命令なので仕方なく来たまでですよ」
 丁寧な口調に似合わない横暴な攻撃に、防御を繰り返すベリアル。ブエルとの交戦がどうだったかは記憶に無いが、あの様子だと圧倒していたのだろう。
「ブエルが死んだと聞いたのですが、本当に貴方が加害者なのでしょうか?」
「あーうん、今オレ様の中に余計なの入ってんだよ」
『いやこれ俺の身体だけど⁉︎』
 完全に意識が途絶えていた前回は、この身体は丸々ベリアルのものだったのだろう。ならば、今この身は半身を分け合っている様なものなのだろうか。
「まあ良いですよ。成果を上げればルキフグ様も喜んでくださる……」
 ベリアルの防御が解け、強烈な蹴りがバアルの身を吹き飛ばす。ベリアルは身を乗っ取ってからこの間まで、一歩も脚を動かしていない。故に、飛ばされた先は窓のある方向。
 バアルは、強力な一撃によってコンクリートの壁を突き破った。
「やっぱどう足掻いてもトウヤの意識消せなかったわ。中身気にしてる間は外側集中出来ねえのが難点だよな」
『お前今の無意識で防御してたのかよ』
 的確に急所を突く攻撃を無意識に動かしていた腕だけで受け流し、申し訳程度の言い訳も垂らしていたらしい。やっぱりコイツ、敵に回したら相当危ないのでは……
「つーかお前、気持ち悪い見た目してんなぁオイ。オッサンと猫なんて最悪の組み合わせじゃねえか」
「口が悪いですね。流石、暴力だけで上位に君臨しただけはある」
 3課を飛び出して繰り広げられる攻防は、宵闇のなかに紛れていた。
「なぁ、気持ち悪ぃの苦手なんだわ。その格好やめてくんねぇ?」
「……いいでしょう、貴方には此方の方が効果がありそうだ」
 バアルは、その姿を粒子の様に変質させて一点に集中。そして、一気に広がって形を作った。
「オイオイ、気持ち悪ぃのやめろって言ったじゃねえか」
 その姿を表した巨大な蜘蛛は、闇の街道を覆い尽くさんばかりの容姿をしている。ベリアルの言う通り、気持ち悪いと感じるような禍々しさを放っていた。
「なぁトウヤ、ブエルとバアルってちょっと名前似てね?」
『それ今する話じゃねえだろ‼︎』
 シュルシュルという気味の悪い音を立てるバアルは、8本の脚を駆使して此方に迫っていた。
 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。 国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。 でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。 これってもしかして【動物スキル?】 笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

拾われ子のスイ

蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】 記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。 幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。 老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。 ――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。 スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。 出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。 清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。 これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。 ※週2回(木・日)更新。 ※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。 ※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載) ※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

処理中です...