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壱 人生の奈落
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これは 非日常を日常だと言い聞かせた 青年の物語。
十二歳の少年は、森の中を彷徨っていた。目覚めると、深い森に寝転がっていた。
ここから街は近くないと悟った。人気どころか、人が来た痕跡もない。森は何処までも続き、後に此処が山奥である事に気づいた。
歩き回り二時間が経過しようとした頃、この森で初めて人に出くわした。
「なんでこんな所まで追いかけてくるの?」
「え?」
訳が分からなかった。初対面でこんな事を言われれば当然だ。
「あのー、人違いでは…」
「違いも何も、僕に話しかける子供はみんな僕を虐める為に話しかけるんだろ?」
ようやく察した。
「お前が虐められてるのは分かった。だからと言って俺はお前を虐めたりしない。流石に初対面の人間殴れねぇし、そもそも殴る理由無いし。」
「…じゃあ、頼みが有るんだけど、聞いてくれる?」
「?」
「僕と…友達になってくれないか?」
唐突に、初対面の人間と友達になってしまった。
その少年は、黒木 空と名乗った。
自分も名乗りを上げ、俺。華吹 英司の友達一号に、空は登録された。
街に出てみると、土曜日との事もあり人が溢れかえっているのかと思ったが、田舎なのか人は少ない。
公園の近くを通ったとき、走り回る子供の一人が空に近づき、罵倒を始めた。それにたかる様に二、三人と人は増えていった。
眼に涙を浮かべる空の顔を見て、俺は会話に割り込む様にして空を守った。しかしその子供達は英司に拳を振るった。だが攻撃は全て英司により受け流された。
体勢を崩し倒れこむ者。懲りずに攻撃を繰り返す者。
英司は手を出さずに、圧勝を収めた。
「そういや、なんで虐められる様になったんだ?」
「僕はお母さんが居ないんだ。離婚したそうだ。数日前にお父さんも『もう帰らない。ごめん。』って手紙していなくなった。理由は充分だよ。」
酷い話だ。まぁ察するに俺も捨てられたんだろうけど。
「ほら、あそこが僕の家だよ。」
…なんかいる。家の前に誰かいる。
「あれ誰…?」
「誰だろ?知らないや。」
とりあえず話を聞くだけ聞いてみた。
「君達が空君と英司君かい?」
…えぇ…なんで名前知ってんだよこのおっさん…
「君達は身内を無くした。そこで裏世界の組織への勧誘をしに来た。という話なんだが、どうだい?」
恐らく本物であろう警察手帳を俺らに見せて言った。
生活に困っている俺らは即答した。
『ようこそ奈落へ。過去は捨てて、新たな人生を歩もうじゃないか。』
十二歳の少年は、森の中を彷徨っていた。目覚めると、深い森に寝転がっていた。
ここから街は近くないと悟った。人気どころか、人が来た痕跡もない。森は何処までも続き、後に此処が山奥である事に気づいた。
歩き回り二時間が経過しようとした頃、この森で初めて人に出くわした。
「なんでこんな所まで追いかけてくるの?」
「え?」
訳が分からなかった。初対面でこんな事を言われれば当然だ。
「あのー、人違いでは…」
「違いも何も、僕に話しかける子供はみんな僕を虐める為に話しかけるんだろ?」
ようやく察した。
「お前が虐められてるのは分かった。だからと言って俺はお前を虐めたりしない。流石に初対面の人間殴れねぇし、そもそも殴る理由無いし。」
「…じゃあ、頼みが有るんだけど、聞いてくれる?」
「?」
「僕と…友達になってくれないか?」
唐突に、初対面の人間と友達になってしまった。
その少年は、黒木 空と名乗った。
自分も名乗りを上げ、俺。華吹 英司の友達一号に、空は登録された。
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眼に涙を浮かべる空の顔を見て、俺は会話に割り込む様にして空を守った。しかしその子供達は英司に拳を振るった。だが攻撃は全て英司により受け流された。
体勢を崩し倒れこむ者。懲りずに攻撃を繰り返す者。
英司は手を出さずに、圧勝を収めた。
「そういや、なんで虐められる様になったんだ?」
「僕はお母さんが居ないんだ。離婚したそうだ。数日前にお父さんも『もう帰らない。ごめん。』って手紙していなくなった。理由は充分だよ。」
酷い話だ。まぁ察するに俺も捨てられたんだろうけど。
「ほら、あそこが僕の家だよ。」
…なんかいる。家の前に誰かいる。
「あれ誰…?」
「誰だろ?知らないや。」
とりあえず話を聞くだけ聞いてみた。
「君達が空君と英司君かい?」
…えぇ…なんで名前知ってんだよこのおっさん…
「君達は身内を無くした。そこで裏世界の組織への勧誘をしに来た。という話なんだが、どうだい?」
恐らく本物であろう警察手帳を俺らに見せて言った。
生活に困っている俺らは即答した。
『ようこそ奈落へ。過去は捨てて、新たな人生を歩もうじゃないか。』
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