Seoul the world

軍艦あびす

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Ⅷ the get together

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「おかえり。どうだった?」
 本部に戻り、会議室へ入るとミヤビの声がした。ライア達は偽る事なく全てを話した。
「うん…まぁそうだよね。ごめんね、無理させて。」
「ちょっ…なんで無理だって分かってんのに行かせたんすかミヤビさん……」
 ボロボロになって、リナに一撃すら入れることが出来なかったと伝えた。苦し紛れにも言い訳をする気力すら湧かなかった。
「お前らが頑張ってくれてる間に近場のオリジン三人を招集出来た。もう少しで到着すると思うが……まぁ、なんだ。一人、扱いが難しい奴でな。少し気に触ることを言うかもしれないが流してやってくれないか?」
 レクトがボサボサの髪を整えながら扉から登場した。オリジンとは、かなり有名な存在なのに今まで気付けなかった辺り本当に記憶が封印されていたんだなと実感する。
「…あぁ、なんとなく分かりました。『アイツ』ですね。」
「あぁ、アイツだ。」
 途端、正面玄関の方からとんでもない音が聞こえた。
「え?なに⁉︎」
 アスとレクトは以前頭を抱えたまま玄関へ向かうのを躊躇っていた。レクトの「嫌な予感がする」という呟きに不信感を覚えつつ廊下を走った。
「うっわぁ……」
 散乱したガラスのカケラと瓦礫に土煙が上がるという物凄い状況に変わっていた玄関に、一人大柄な人影があった。
「うぉらレクトォ‼︎来てやったぞ出てこいやぁ‼︎」
 声が煙に穴を開けるのが目視できた。後ろから駆けてきたレクトはため息をつき、アスはかなりテンションが下がっていた。
「うるせぇんだよ!あと建物壊すの何回目だよ‼︎」
「あぁ?まだ四回目くらいだろうが‼︎」
 『もう』四回目って言うんだよ…つか誰だこいつ。
 脳内ツッコミの隣で、アスが手すりを掴んだまま蹲み込んで呟いていた。
「やっぱりアグニかよ………」
「逆にあの筋肉だるま以外誰がいると?」 
 カルの言う『筋肉だるま』さんが扱い難しいタイプの人らしい。なんとなく分かる気がする。
 すると、横の瓦礫の影から小さな影が一つ動いたのが確認出来た。
「けほっ…アグニ…瓦礫…飛んできた…けほっ…」
 
 レクトに言われるがまま一番大きな会議室へ向かい、ソファに腰掛けた二人のオリジン継承者と対面した。
「えっと…この筋肉だるまがオリジン継承者のアグニ。まぁ即戦力だ。」
「オイ誰が筋肉だるまだレクト。」
 すぐに手を出したりするタイプかと思っていたが、そんな事も無いらしい。少し安心して話を聞くことに集中した。
「…で、こっちが……」
「いいよレクト。自分で…けほっ…するから。」
 口を開くたびに咳をするこの幼女は、見た目的に十歳程度と見て取れた。しかしそれでいて、オリジン継承者として若すぎるなんて言おうものなら殺されそうな気迫を彼女は持っていた。
「私は…けほっ…ミュウナ…だよ。こっちはぴょん太。よろしけほっ…」
 ミュウナはウサギのぬいぐるみを抱えながら言った。
「…大丈夫?」
 発言のスピードが低い上、咳をかなりの頻度で挟まれるため全然話が進まない。
「………ん?レクトさん三人って言ってませんでした?二人しか来てないんですけど…」
 アグニとミュウナが到着した際、二人しか来ていなかった。車など使っていない点では個人行動だったのかもしれないが、あと一人が気になって仕方がなかった。
「…なぁレクトォ、まさかコイツ…オリジンか?」
 突然アグニがライアを指差しレクトに問う。
「あぁ、ライアは四神オリジンの朱雀だ。」
 アグニの大きな体が反応したのが分かる。瞬間目つきが変わり、ライアを強く睨みつけた。
「…あァ?このガキが四神オリジンだと?そぉかそぉか…そんじゃあさぞかし強いんだろうな?」
 蛇に睨まれたような感覚に陥った。かなりの威圧だが、ミヤビの一言でそれは治った。
「やめろアグニ。今仲間内で喧嘩を売るな。」
「…チッ」
 ミヤビの一言で大人しくなったアグニは先ほどの場所に勢いよく腰掛けた。そして、その反動でミュウがナ数秒間浮かび上がった。
「その三人目なんだがよぉ…多分寝てるぞ。」
 アグニの発言にレクトは目を見開いた。
「は⁉︎あの人また寝てんの⁉︎」
「あの人けほっ…一週間寝てなかったのでけほっ…」
 レクトは肩を落とし、時計を確認した。
「次起きるのは……三日ってとこか。」
 すげぇ寝るなそのオリジン。いつか意識無くなってそうだ。
 途端、扉がミカゲの手により勢いよく開け放たれた。
「レクトさん大変です‼︎アグニさんが玄関壊したせいで警備が手薄になって『アイツら』が侵入してきました‼︎」
 主犯格が出てきたということはもうその他諸々が居なくなったと持っていたがまだ残っていたのだろうか。
 駆けつけると、あのとき兄の首を締めていた機械が大量に並んでいた。
「機械って事は量産可能か…面倒くさい相手だな。」
「単純な機械なんだろ?ミヤビのスピードでぶっ潰したらいいんじゃ…つかアスの水ぶっかければ?」
「二人とも呑気だな‼︎」
 こんな話が続く中、刻一刻と近づいてくる絡繰は一直線、階段を考えることもなくアストラルの方へ一直線に動いた。
「ずっと下でつっかえてるぞこいつら。やっぱり知能持ち合わせてないんだな……」
 唐突に、だるそうに言葉を溢すレクトの顔付近の壁に向かって矢が飛んできた。
「っ…危ねぇなおい…なんだよ起きてるじゃねえか。」
 レクトは玄関先で弓を構えた人影を確認してから、矢を投げ捨てた。
 この動作に違和感を覚えたライアは、かつて学校でレクトに『勝負』を持ちかけられていた事を思い出した。
「ははっ悪い悪い。でも当たらなくてよかったじゃないか。ん?」
「慣れねえ飛び道具召喚してんじゃねぇよシズク…」
 シズクと呼ばれた女性は右手に本、左手に弓を持っていた。が、数秒後に弓を瓦礫の中に放り投げた。
「ところでレクト。いつになったらボクの事を『シズクお姉ちゃん』と呼んでくれるんだい?」
「呼ぶわけねーだろ。いいからこのガラクタ片付けんの手伝え。」
 シズクは笑いながら本を構えて目つきを鋭く変えた。
「そうだねぇ…早く片付けようか‼︎」
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