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第28話 宿泊学習 伍
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「最終日は外でカレーを作るんだとよ」
「このクッソ雨降ってる中で?」
学校行事史上最も悪趣味な登山を共にしたメンバーでカレーを作るのだという。
心配しかない。
「料理経験ある人ぉ~」
渡辺だけが手を挙げる。
聞くと、弁当から夕飯まで和食だろうが洋食だろうがフレンチだろうがイタリアンだろうがなんでも作れるらしい。見せられた携帯電話の写真を見て驚愕した。
「これお前が作ったのかよッ⁉︎」
美味そうな肉料理が写っていた。
カレーという貧相なもの作る前にこんなの見せるな。
渡辺のおかげでうちの班のカレーは最高の仕上がりになった。他の班は水っぽかったりルーがそのまま固まっていたりしたが、うちの班は最早文句なしの品である。
「自分で作るとやっぱ美味しいよね…」
「お前何にもしてねーだろ」
伊奈平に渡辺の辛辣な言葉が突き刺さった。
帰りのバスを待つ間、自由時間と言われたので近くの池を見に行くことにした。
特に意味もなく、水辺を見ると興奮するという現象が起こるらしい伊奈平の要望だった。
言ってしまえば彼は海洋生物や魚介類といった類の物が大好きなのだ。
最早何の得があるのか知らないが自宅では大量の熱帯魚を飼育しているらしい。
「モツゴがいるなぁ…あそこのアカミミガメは誰が離したんだか…あの鯉も本来日本固有の生物じゃねぇな…」
何言ってんだコイツ。全く分からん。魚は魚、亀は亀で良くないか?
「んであれは…?見たことねぇなあんな魚影…」
伊奈平は柵を飛び越えて傾斜になっているコンクリートの上を走った。
「なにが楽しいんだかアイツは…」
伊奈平は魚影を確認したのち、徒歩でこちらに帰ってきた。
「結局なんだったの?」と綱手が首を傾げながら問う。
伊奈平は落ち着いた様子で柵を上がって答えた。
「あぁ、人の死体だった」
こうして、クソ行事は終わった。
「このクッソ雨降ってる中で?」
学校行事史上最も悪趣味な登山を共にしたメンバーでカレーを作るのだという。
心配しかない。
「料理経験ある人ぉ~」
渡辺だけが手を挙げる。
聞くと、弁当から夕飯まで和食だろうが洋食だろうがフレンチだろうがイタリアンだろうがなんでも作れるらしい。見せられた携帯電話の写真を見て驚愕した。
「これお前が作ったのかよッ⁉︎」
美味そうな肉料理が写っていた。
カレーという貧相なもの作る前にこんなの見せるな。
渡辺のおかげでうちの班のカレーは最高の仕上がりになった。他の班は水っぽかったりルーがそのまま固まっていたりしたが、うちの班は最早文句なしの品である。
「自分で作るとやっぱ美味しいよね…」
「お前何にもしてねーだろ」
伊奈平に渡辺の辛辣な言葉が突き刺さった。
帰りのバスを待つ間、自由時間と言われたので近くの池を見に行くことにした。
特に意味もなく、水辺を見ると興奮するという現象が起こるらしい伊奈平の要望だった。
言ってしまえば彼は海洋生物や魚介類といった類の物が大好きなのだ。
最早何の得があるのか知らないが自宅では大量の熱帯魚を飼育しているらしい。
「モツゴがいるなぁ…あそこのアカミミガメは誰が離したんだか…あの鯉も本来日本固有の生物じゃねぇな…」
何言ってんだコイツ。全く分からん。魚は魚、亀は亀で良くないか?
「んであれは…?見たことねぇなあんな魚影…」
伊奈平は柵を飛び越えて傾斜になっているコンクリートの上を走った。
「なにが楽しいんだかアイツは…」
伊奈平は魚影を確認したのち、徒歩でこちらに帰ってきた。
「結局なんだったの?」と綱手が首を傾げながら問う。
伊奈平は落ち着いた様子で柵を上がって答えた。
「あぁ、人の死体だった」
こうして、クソ行事は終わった。
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