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本編・取り違えと運命の人
016 リカルドの誕生祝い ②
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ごはんを外で食べるのと家で食べるのとどっちがいいか訊ねたら、家で私の料理が食べたいということだったので、まずはお昼を少し豪華に作ることに決める。
「じゃあ、お昼食べ終わったら、夕飯の買い出しがてら、町でデートしよう。どこか行きたいとこ、ある? あと、夕飯に食べたいものも、リクエストあれば」
「ええと、行き先はどこでもいいけど、夕飯は、できればローストビーフがいいな」
「肉好き?」
「肉好き!」
「わかった。じゃあ、まずは、お昼、腕によりをかけて作るね!」
「うん! 楽しみにしてる!」
リカルドにはしばらく自室で過ごしてもらうことにして、お昼を作りつつ、今日のお祝い計画を急ピッチで立てることにした。お祝いを少しでも盛大に執り行うために、なにをするべきか、そしてプレゼントをいつ買いに行くか。お昼から後はずっと一緒に過ごすんだから、熟考するなら今しかない。でも、考えているうちに、私の持っている情報は絶望的に少ないと痛感した。
リカルドはなんでもおいしそうに食べてくれるから、ごはんのリクエストを聞いたことがなかった。食べ物だけじゃない。リカルドはなにが好きでなにが嫌いか、なにをすれば喜んでなにをすればしょんぼりするか。私が特になにも考えずに行動しても、リカルドは勝手に喜んでくれるし、一緒にいるだけで楽しんでくれるから、訊ねたことなんかなかったし、その発想すらなかったのだ。
私、基本的なところが全部抜けてる、と、とても反省する。
でも、どうしたって過去は変えられない。今できることは、普段のリカルドの様子や、服装や持ち物、記憶に残っているリカルドが喜んでくれたことを少しでも多く思い出して、考えることだけ。
そして、お昼ができる頃にはおおよそどうするか決まった。よし。
「リカルド! お昼できたよ!」
「ほーい。……うわあ、なんかえらく豪勢!」
呼ばれてやって来たリカルドがすごくびっくりしてる。そりゃ、豪勢だ。今日の夕飯の食材つぎこんだんだから。
「だって、お祝いだもの!」
私がそう言うと、リカルドはにっこにこになった。リカルドは基本的に笑顔の人だけど、今日は輪をかけて嬉しそうで、私もつられて笑顔になる。
「お昼でこれだったら、夕飯はどうなっちゃうんだろう?」
「楽しみにしててね。待たせたのは夕飯の準備も少ししてたからなの」
「すごく嬉しい! 祝われるって、いいもんだね」
「でしょう? お祝いする権利が行使できて、私も嬉しい!」
そう言って、顔を見合わせて、二人で大笑いした。
「じゃあ、お昼食べ終わったら、夕飯の買い出しがてら、町でデートしよう。どこか行きたいとこ、ある? あと、夕飯に食べたいものも、リクエストあれば」
「ええと、行き先はどこでもいいけど、夕飯は、できればローストビーフがいいな」
「肉好き?」
「肉好き!」
「わかった。じゃあ、まずは、お昼、腕によりをかけて作るね!」
「うん! 楽しみにしてる!」
リカルドにはしばらく自室で過ごしてもらうことにして、お昼を作りつつ、今日のお祝い計画を急ピッチで立てることにした。お祝いを少しでも盛大に執り行うために、なにをするべきか、そしてプレゼントをいつ買いに行くか。お昼から後はずっと一緒に過ごすんだから、熟考するなら今しかない。でも、考えているうちに、私の持っている情報は絶望的に少ないと痛感した。
リカルドはなんでもおいしそうに食べてくれるから、ごはんのリクエストを聞いたことがなかった。食べ物だけじゃない。リカルドはなにが好きでなにが嫌いか、なにをすれば喜んでなにをすればしょんぼりするか。私が特になにも考えずに行動しても、リカルドは勝手に喜んでくれるし、一緒にいるだけで楽しんでくれるから、訊ねたことなんかなかったし、その発想すらなかったのだ。
私、基本的なところが全部抜けてる、と、とても反省する。
でも、どうしたって過去は変えられない。今できることは、普段のリカルドの様子や、服装や持ち物、記憶に残っているリカルドが喜んでくれたことを少しでも多く思い出して、考えることだけ。
そして、お昼ができる頃にはおおよそどうするか決まった。よし。
「リカルド! お昼できたよ!」
「ほーい。……うわあ、なんかえらく豪勢!」
呼ばれてやって来たリカルドがすごくびっくりしてる。そりゃ、豪勢だ。今日の夕飯の食材つぎこんだんだから。
「だって、お祝いだもの!」
私がそう言うと、リカルドはにっこにこになった。リカルドは基本的に笑顔の人だけど、今日は輪をかけて嬉しそうで、私もつられて笑顔になる。
「お昼でこれだったら、夕飯はどうなっちゃうんだろう?」
「楽しみにしててね。待たせたのは夕飯の準備も少ししてたからなの」
「すごく嬉しい! 祝われるって、いいもんだね」
「でしょう? お祝いする権利が行使できて、私も嬉しい!」
そう言って、顔を見合わせて、二人で大笑いした。
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