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後日譚・取り違えたその後の二人
121 恋の往復切符 ③
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「……ルーカ。あんた謀ったわね」
ジュリエッタが恨みがましく俺を見る。
「えー? お前、気にしてたじゃん。リカルドが悪いんじゃないのに申し訳ないって」
「旅行のためにドレス誂えるなんて素敵じゃないですか! 素敵な旅行になるように、がんばって作りますね!」
「あー、ありがとう、ジュリエッタさん。こいつ、既製品合わないから、一度ちゃんとオーダーメイドで誂えてもらいたかったんだ」
「ジュリエッタさん、ほんとめちゃくちゃスタイルいいですよね。サイズ測っててうらやましかった……」
「! 俺、ジュリエッタの体型、好きだから!」
「リカルド、なんかズレてるし、恥ずかしいからやめて」
「ドレス、届くの楽しみにしてますから。よし、地鶏食べに行くぞ、ジュリエッタ」
「あんた鶏食べられないでしょ」
「そこはぬかりなく、地鶏のみならず野菜料理とデザートも美味い店をリカルドに紹介してもらった」
「さすが。デキる男はリサーチ上手」
「リカルド達も今度は私達の町に遊びに来てよ。また家に泊まればいいし」
「楽しみにしてます! 今夜は私達の町をぜひ楽しんできてくださいね」
「……ありがと」
俺達は二人と別れ、夜の町へ繰り出した。
「うまかったなー!リカルドが紹介してくれた店」
「……おいしかった」
お嬢様、たいそうご満悦の様子。リカルドに心の底から感謝する。俺と会うまで味覚がなかった分、いろんな美味いもん食わせてやりたいんだ、と言ったら、厳選した名店をいくつも教えてくれた。紹介してくれた宿も、手頃な値段の割にすこぶる居心地よい。チェックインして、まったり過ごしていると、ジュリエッタがぴとっとくっついてきた。
「旅行のために、ドレス誂えてくれるなんて、思ってもなかった」
「お前も気にしてたけど、リカルドだけに金出させるの確かに申し訳ないからさ。ドレス作ってもらったら俺らも支払いできるし、一度サイズ測ってもらえばこれからもいろいろ仕立ててもらえるし、なにより綺麗なお前が見られるし、みんな幸せじゃんか」
「……そういう発想、全然なかった」
「俺が思いついたから、それでいいだろ? お前ができないことは俺がやるし、俺ができないことはお前がやればいい」
こくりとうなずいて、ジュリエッタが抱きついてくる。
「ルーカ、ありがとう。すごく、すごく嬉しかった」
「おお、ようやくデレたか」
ついばむようにキスを落とすと、ジュリエッタの頬がほんのり赤く染まった。
「でも……私、ルーカがいてくれさえすれば、それでいいの。なにもいらない。感覚だってなくたっていい」
震え声でジュリエッタが言ってきたので、俺は、思わずこう返してしまう。
「ばっかだな、お前」
「な、なによ! ルーカだけでいいって、言ってるのに……」
涙目で睨まれる。ありゃ、俺は、リカルドを見習おうと思ったはしから、乙女ゴコロというヤツを踏みにじってしまったか? いや、でも、極端すぎない? それ。
「だってさあ、せっかく俺といることで感覚手に入ったのに。なにかを得るためになにかを捨てるんじゃなくて、両方大事にすればいいじゃんか」
俺はジュリエッタが纏う淡い水色のドレスのリボンをほどきながら続ける。
「なにより、感覚なくなったら、愉しめないだろ?」
ジュリエッタの頬が真っ赤に染まった。
ジュリエッタが恨みがましく俺を見る。
「えー? お前、気にしてたじゃん。リカルドが悪いんじゃないのに申し訳ないって」
「旅行のためにドレス誂えるなんて素敵じゃないですか! 素敵な旅行になるように、がんばって作りますね!」
「あー、ありがとう、ジュリエッタさん。こいつ、既製品合わないから、一度ちゃんとオーダーメイドで誂えてもらいたかったんだ」
「ジュリエッタさん、ほんとめちゃくちゃスタイルいいですよね。サイズ測っててうらやましかった……」
「! 俺、ジュリエッタの体型、好きだから!」
「リカルド、なんかズレてるし、恥ずかしいからやめて」
「ドレス、届くの楽しみにしてますから。よし、地鶏食べに行くぞ、ジュリエッタ」
「あんた鶏食べられないでしょ」
「そこはぬかりなく、地鶏のみならず野菜料理とデザートも美味い店をリカルドに紹介してもらった」
「さすが。デキる男はリサーチ上手」
「リカルド達も今度は私達の町に遊びに来てよ。また家に泊まればいいし」
「楽しみにしてます! 今夜は私達の町をぜひ楽しんできてくださいね」
「……ありがと」
俺達は二人と別れ、夜の町へ繰り出した。
「うまかったなー!リカルドが紹介してくれた店」
「……おいしかった」
お嬢様、たいそうご満悦の様子。リカルドに心の底から感謝する。俺と会うまで味覚がなかった分、いろんな美味いもん食わせてやりたいんだ、と言ったら、厳選した名店をいくつも教えてくれた。紹介してくれた宿も、手頃な値段の割にすこぶる居心地よい。チェックインして、まったり過ごしていると、ジュリエッタがぴとっとくっついてきた。
「旅行のために、ドレス誂えてくれるなんて、思ってもなかった」
「お前も気にしてたけど、リカルドだけに金出させるの確かに申し訳ないからさ。ドレス作ってもらったら俺らも支払いできるし、一度サイズ測ってもらえばこれからもいろいろ仕立ててもらえるし、なにより綺麗なお前が見られるし、みんな幸せじゃんか」
「……そういう発想、全然なかった」
「俺が思いついたから、それでいいだろ? お前ができないことは俺がやるし、俺ができないことはお前がやればいい」
こくりとうなずいて、ジュリエッタが抱きついてくる。
「ルーカ、ありがとう。すごく、すごく嬉しかった」
「おお、ようやくデレたか」
ついばむようにキスを落とすと、ジュリエッタの頬がほんのり赤く染まった。
「でも……私、ルーカがいてくれさえすれば、それでいいの。なにもいらない。感覚だってなくたっていい」
震え声でジュリエッタが言ってきたので、俺は、思わずこう返してしまう。
「ばっかだな、お前」
「な、なによ! ルーカだけでいいって、言ってるのに……」
涙目で睨まれる。ありゃ、俺は、リカルドを見習おうと思ったはしから、乙女ゴコロというヤツを踏みにじってしまったか? いや、でも、極端すぎない? それ。
「だってさあ、せっかく俺といることで感覚手に入ったのに。なにかを得るためになにかを捨てるんじゃなくて、両方大事にすればいいじゃんか」
俺はジュリエッタが纏う淡い水色のドレスのリボンをほどきながら続ける。
「なにより、感覚なくなったら、愉しめないだろ?」
ジュリエッタの頬が真っ赤に染まった。
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