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後日譚・取り違えたその後の二人
140 ぶらり二人旅 ⑰ (好みのタイプと実際は、必ずしも一致しないけど・その1)
「しかし、昨日はほんとに部屋でごろごろしてるだけだったね」
翌朝目覚めると、リカルドはもう起きてスーツに着替えていた。私はいつのまにか夜着を纏っている。きっと風邪をひかないように、リカルドが着せてくれたんだろう。割とよくある。
「せっかくの旅行なのに、なんか、ごめんね」
私を連日抱きつぶしてしまったことをちょっと反省しているのか、リカルドは苦笑している。
「ううん。昨日、すっごく幸せな気持ちだった」
「…………うん。俺も」
リカルドが照れたように笑う。苦笑じゃなくなってほっとした。
「私、今回の旅行、全部楽しいよ。計画通りにいったところも、予想外になったところも、リカルドと一緒だから」
「うん! 俺も。ジュリエッタと一緒だから、すごく楽しい!」
リカルドの顔がぱあっと明るくなった。やっぱりリカルドは曇りない笑顔がいい。初めて会った日のことを思い出した。最初の挨拶の時から、私と一緒に過ごすことを喜んでくれてたんだな、と思うと、嬉しくてたまらなくなる。
そっとベッドから抜け出ると、私はリカルドの耳に口を寄せた。
「その笑顔が、大好き」
そうささやくと、リカルドはやっぱり顔を赤くする。
「な、なんか、昨日から、やたら直球じゃない?」
「リカルド、明らかに言われ慣れてないんだもん。私もあんまり言ってなかったって、反省したの」
「言われ慣れてないのは、その、付き合ったの、ジュリエッタだけだし」
「え」
ちょ、ちょっとまって。リカルド今なんていった?
「ん? 付き合ったって言わないのかな? 出会ったその日に結婚だったもんね」
「それもそうかもしれないけど、そういう細かい言い回しの話じゃなくて」
「付き合ったのジュリエッタだけ、でいいんだ。よかった」
「うそ。付き合ったの、私だけとか」
「え? 嘘じゃないよ。俺、他に彼女いたことない」
「ええっ! だって、この町で、あんなに人気者で」
「それとモテるのって、全然違うし。モテてたのは、アンドレアみたいにちょっと大人っぽい美形の秀才とか、女子の扱い上手いヤツで。確かに、俺、そこそこクラスの中心ではあったと思うけど、正直全然……」
リカルドがちょっとしょんぼりした表情を浮かべる。
なんだか納得がいかない。いい機会なのでとことん訊ねてみることにする。
「で、でも! リカルド、こんだけ積極的なんだから、自分からいけば……」
「んー。神託にお願いするって、小さい頃から決めてたし」
リカルド、ほんとはそこまで神託に固執してないはず。私が不審の目で見つめると、リカルド自身も若干ごまかした意識があったんだろう、諦めたのか続ける。
「……まあ、正直に言うと、俺の好みのタイプ、近くにあんまりいなかったし、数少ないそういうタイプは、俺のこと全然眼中にないわ、モテるやつがかっさらっていっちゃうわで、お付き合いには至らなかったんですよ」
リカルドの好みのタイプって、そういえば、聞いたことがなかった。
明るくて華やかな女の子がたぶんお似合いだけど、今回の服に対する反応とか先生の奥様への対応を見るに、実は大人の色っぽい女性がタイプなのかな。気になって仕方ないので、もう、乗りかかった船というか、直球で訊ねてみることにする。
「その、リカルドの好みのタイプって……?」
「え。ええと」
明らかに困惑した表情。それでもじっと黙って待っていると、リカルドは観念した様子で口を開いた。
翌朝目覚めると、リカルドはもう起きてスーツに着替えていた。私はいつのまにか夜着を纏っている。きっと風邪をひかないように、リカルドが着せてくれたんだろう。割とよくある。
「せっかくの旅行なのに、なんか、ごめんね」
私を連日抱きつぶしてしまったことをちょっと反省しているのか、リカルドは苦笑している。
「ううん。昨日、すっごく幸せな気持ちだった」
「…………うん。俺も」
リカルドが照れたように笑う。苦笑じゃなくなってほっとした。
「私、今回の旅行、全部楽しいよ。計画通りにいったところも、予想外になったところも、リカルドと一緒だから」
「うん! 俺も。ジュリエッタと一緒だから、すごく楽しい!」
リカルドの顔がぱあっと明るくなった。やっぱりリカルドは曇りない笑顔がいい。初めて会った日のことを思い出した。最初の挨拶の時から、私と一緒に過ごすことを喜んでくれてたんだな、と思うと、嬉しくてたまらなくなる。
そっとベッドから抜け出ると、私はリカルドの耳に口を寄せた。
「その笑顔が、大好き」
そうささやくと、リカルドはやっぱり顔を赤くする。
「な、なんか、昨日から、やたら直球じゃない?」
「リカルド、明らかに言われ慣れてないんだもん。私もあんまり言ってなかったって、反省したの」
「言われ慣れてないのは、その、付き合ったの、ジュリエッタだけだし」
「え」
ちょ、ちょっとまって。リカルド今なんていった?
「ん? 付き合ったって言わないのかな? 出会ったその日に結婚だったもんね」
「それもそうかもしれないけど、そういう細かい言い回しの話じゃなくて」
「付き合ったのジュリエッタだけ、でいいんだ。よかった」
「うそ。付き合ったの、私だけとか」
「え? 嘘じゃないよ。俺、他に彼女いたことない」
「ええっ! だって、この町で、あんなに人気者で」
「それとモテるのって、全然違うし。モテてたのは、アンドレアみたいにちょっと大人っぽい美形の秀才とか、女子の扱い上手いヤツで。確かに、俺、そこそこクラスの中心ではあったと思うけど、正直全然……」
リカルドがちょっとしょんぼりした表情を浮かべる。
なんだか納得がいかない。いい機会なのでとことん訊ねてみることにする。
「で、でも! リカルド、こんだけ積極的なんだから、自分からいけば……」
「んー。神託にお願いするって、小さい頃から決めてたし」
リカルド、ほんとはそこまで神託に固執してないはず。私が不審の目で見つめると、リカルド自身も若干ごまかした意識があったんだろう、諦めたのか続ける。
「……まあ、正直に言うと、俺の好みのタイプ、近くにあんまりいなかったし、数少ないそういうタイプは、俺のこと全然眼中にないわ、モテるやつがかっさらっていっちゃうわで、お付き合いには至らなかったんですよ」
リカルドの好みのタイプって、そういえば、聞いたことがなかった。
明るくて華やかな女の子がたぶんお似合いだけど、今回の服に対する反応とか先生の奥様への対応を見るに、実は大人の色っぽい女性がタイプなのかな。気になって仕方ないので、もう、乗りかかった船というか、直球で訊ねてみることにする。
「その、リカルドの好みのタイプって……?」
「え。ええと」
明らかに困惑した表情。それでもじっと黙って待っていると、リカルドは観念した様子で口を開いた。
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