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後日譚・取り違えたその後の二人
147 リカルド日記(抜粋、一部実況) ①
○月×日(飲み会だ飲み会だ!)
神託で俺が行く側になったので、旅立ち前に悪友達が飲み会を開いてくれている。同級生だから、もう十数年来の仲だ。
「リカルドがいなくなると、さびしくなるよなー」
細身で背の高いロレンツォ。サワヤカ好青年。
「ほんとな」
ガチムチ体型のフェデリコ。無口だけど、頼りになる。
「またすぐ帰ってくればいいよ。奥さん連れてさー」
中肉中背のエマヌエレ。優男。色気オバケ。
三人とも決して美形という訳ではないのに、三者三様にモテ人生を歩んでおり、全員既婚。
「……結婚前、最後の飲み会ってことで、ぶっちゃけ聞くけど」
酒が入って、みんなヘベレケになってきた頃に、ロレンツォが切り出してくる。
「リカルドって……童貞?」
酒ふいた。
「勇者……」「気になってたけど誰も聞けなかったことを……」と他の二人もぼそぼそ言う。
「そ、その……」
この反応で察してください。本当にありがとうございました。
「いや、今まで彼女いなかったからさ……」
とロレンツォが苦笑いする。
「やっぱり……」「そうじゃないかとは思ってたんだよね……」と他の二人もぼそぼそ言う。
「餞別として軍資金出すから、風俗行ってこい」
「は?」
「なるほど」
「あー、そうだよねー。わかる」
いや、俺がわかんない。なんで?
「神託ってことは、相手処女だろ」
「た、たぶん」
「お前一人っ子だし、根が真面目だし、女子に幻想持ってるし、いろいろ知らないだろ」
? ロレンツォの話の意図がわからなくて、疑問符が飛ぶ。
「たしかに俺、経験ないし、女子のことあんまりわかってないと思うけど、一人っ子なの、なんか関係あるか?」
とりあえず、ロレンツォとフェデリコは二人とも弟と妹がいて、エマヌエレには姉が二人いる。一人っ子は俺だけだけど。
「姉妹がいないというのは、よくも悪くもヤツらの生態を知らないということだ」
そう言ったロレンツォの顔が、心なしか、暗い。フェデリコの表情にも諦念が浮かんでいるし、エマヌエレは遠い目をしてあらぬ方を見つめている。
「そんなに、ヤバい?」
三人が一斉にこくりとうなずく。
「気持ちを察せられないと、恐ろしいことになる」
ロレンツォの言葉に、あとの二人も重ねてこくりとうなずく。
まさか飲み会で、姉妹持ち男達の心の闇をかいま見ることになるとは、思ってもなかった。
「まあ、リカルドはすごくいいヤツだし、察しいいから、その点に関しては、たぶんそこまで問題ないと思うけど、初めて同士は、お互いわかんなくて、ちょっと、大変かも」
ロレンツォの言わんとするところは、まあ、わかる。確かに、俺が不慣れであるがゆえに、余計痛い思いをさせたくはない。
「ねーちゃん達に普段の生活の不満とかデートでの不満とかベッドでの不満とかひたすらあけすけに語られた結果、無駄に女子の扱いを覚えてしまった……」
エマヌエレの色気オバケっぷりは、天然ではなく、英才教育のたまものだったのか。
「妹の初めてを雑に扱った男は、とりあえず、シメた」
自業自得とはいえ、妹さんの彼氏、成仏しろ。フェデリコにヤラレたら再起不能だろ。
「……姉妹いると、そのテの話、すんの?」
そんな話、あんまり家族でしたくないっていうか、ちょっと引いちゃうよ、俺。
「俺達の家は比較的オープンかもしんないけど、直接そんな話しなくても、生理前の機嫌の悪さとか、理不尽な物言いとかはほぼ間違いなく体験するから、女への幻想は消滅する」
ロレンツォの言葉に、あとの二人も重ねてこくりとうなずく。
「とりあえず、初めての時にものすごく痛い思いさせたり、デリカシーないことして失敗すると、後に響くと思うから、本職のお姉様に教えていただけ」
なるほど、そういう意図か、風俗。理解。
「妹と彼氏は、一応まだ続いてるけど、妹はいまだに恨んでるぞ」
ほんと、なにやったんだよフェデリコの妹さんの彼氏。とりあえず生きててよかったけど。
「ねーちゃん達、デートでの失態は多少愚痴る程度で済ませてたけど、ベッドでの失敗はソッコーで切ってて、他人事ながら震えた」
お姉さん達、お二人ともすごく美人で清楚な雰囲気なのに……。お二人の旦那さん達は、まさに選ばれし民か。ヤバい、今度エマヌエレのお姉さん達や旦那さん達にお会いしたら、まともに顔を見られる自信がない。
独身最後の飲み会は、なんだか、女性に対する大いなるおそれを俺に刻み込んで、終了した。俺、ちゃんとやっていけるんだろうか。ジュリエッタとの明日はどっちだ。
神託で俺が行く側になったので、旅立ち前に悪友達が飲み会を開いてくれている。同級生だから、もう十数年来の仲だ。
「リカルドがいなくなると、さびしくなるよなー」
細身で背の高いロレンツォ。サワヤカ好青年。
「ほんとな」
ガチムチ体型のフェデリコ。無口だけど、頼りになる。
「またすぐ帰ってくればいいよ。奥さん連れてさー」
中肉中背のエマヌエレ。優男。色気オバケ。
三人とも決して美形という訳ではないのに、三者三様にモテ人生を歩んでおり、全員既婚。
「……結婚前、最後の飲み会ってことで、ぶっちゃけ聞くけど」
酒が入って、みんなヘベレケになってきた頃に、ロレンツォが切り出してくる。
「リカルドって……童貞?」
酒ふいた。
「勇者……」「気になってたけど誰も聞けなかったことを……」と他の二人もぼそぼそ言う。
「そ、その……」
この反応で察してください。本当にありがとうございました。
「いや、今まで彼女いなかったからさ……」
とロレンツォが苦笑いする。
「やっぱり……」「そうじゃないかとは思ってたんだよね……」と他の二人もぼそぼそ言う。
「餞別として軍資金出すから、風俗行ってこい」
「は?」
「なるほど」
「あー、そうだよねー。わかる」
いや、俺がわかんない。なんで?
「神託ってことは、相手処女だろ」
「た、たぶん」
「お前一人っ子だし、根が真面目だし、女子に幻想持ってるし、いろいろ知らないだろ」
? ロレンツォの話の意図がわからなくて、疑問符が飛ぶ。
「たしかに俺、経験ないし、女子のことあんまりわかってないと思うけど、一人っ子なの、なんか関係あるか?」
とりあえず、ロレンツォとフェデリコは二人とも弟と妹がいて、エマヌエレには姉が二人いる。一人っ子は俺だけだけど。
「姉妹がいないというのは、よくも悪くもヤツらの生態を知らないということだ」
そう言ったロレンツォの顔が、心なしか、暗い。フェデリコの表情にも諦念が浮かんでいるし、エマヌエレは遠い目をしてあらぬ方を見つめている。
「そんなに、ヤバい?」
三人が一斉にこくりとうなずく。
「気持ちを察せられないと、恐ろしいことになる」
ロレンツォの言葉に、あとの二人も重ねてこくりとうなずく。
まさか飲み会で、姉妹持ち男達の心の闇をかいま見ることになるとは、思ってもなかった。
「まあ、リカルドはすごくいいヤツだし、察しいいから、その点に関しては、たぶんそこまで問題ないと思うけど、初めて同士は、お互いわかんなくて、ちょっと、大変かも」
ロレンツォの言わんとするところは、まあ、わかる。確かに、俺が不慣れであるがゆえに、余計痛い思いをさせたくはない。
「ねーちゃん達に普段の生活の不満とかデートでの不満とかベッドでの不満とかひたすらあけすけに語られた結果、無駄に女子の扱いを覚えてしまった……」
エマヌエレの色気オバケっぷりは、天然ではなく、英才教育のたまものだったのか。
「妹の初めてを雑に扱った男は、とりあえず、シメた」
自業自得とはいえ、妹さんの彼氏、成仏しろ。フェデリコにヤラレたら再起不能だろ。
「……姉妹いると、そのテの話、すんの?」
そんな話、あんまり家族でしたくないっていうか、ちょっと引いちゃうよ、俺。
「俺達の家は比較的オープンかもしんないけど、直接そんな話しなくても、生理前の機嫌の悪さとか、理不尽な物言いとかはほぼ間違いなく体験するから、女への幻想は消滅する」
ロレンツォの言葉に、あとの二人も重ねてこくりとうなずく。
「とりあえず、初めての時にものすごく痛い思いさせたり、デリカシーないことして失敗すると、後に響くと思うから、本職のお姉様に教えていただけ」
なるほど、そういう意図か、風俗。理解。
「妹と彼氏は、一応まだ続いてるけど、妹はいまだに恨んでるぞ」
ほんと、なにやったんだよフェデリコの妹さんの彼氏。とりあえず生きててよかったけど。
「ねーちゃん達、デートでの失態は多少愚痴る程度で済ませてたけど、ベッドでの失敗はソッコーで切ってて、他人事ながら震えた」
お姉さん達、お二人ともすごく美人で清楚な雰囲気なのに……。お二人の旦那さん達は、まさに選ばれし民か。ヤバい、今度エマヌエレのお姉さん達や旦那さん達にお会いしたら、まともに顔を見られる自信がない。
独身最後の飲み会は、なんだか、女性に対する大いなるおそれを俺に刻み込んで、終了した。俺、ちゃんとやっていけるんだろうか。ジュリエッタとの明日はどっちだ。
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