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第四章 走る前に歩くことを学べ
106 僕の彼女とホワイトデー ①
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三月十四日。今日はひさしぶりに若葉ちゃんと会う。外で夕飯を食べ、僕の部屋にお泊りデート。
バレンタインのお返しを考える暇も買いに行く暇もなく困っていたら、例のインド料理屋にすごく行きたいと若葉ちゃんが言ってくれたので、ごちそうすることでお返しがわりということになったのだ。提案してもらえて、とても助かった。
「新くん!」
若葉ちゃんは僕を見ると嬉しそうに駆けてきた。大きめの花がいくつも描かれた橙色のワンピースに、金のイヤリングとネックレスが映えていて、とても可愛い。
「今日も華やかで可愛い」
僕の言葉に若葉ちゃんはくるくる回って全体を見せてくれた。可愛い。
「ありがとう! ホワイトデーだから白い服にしようかなとも思ったんだけど、クリスマスも白だったし、せっかくインド料理屋さんに行くんだから、ちょっとインドっぽい格好がしたくて!」
なるほど。言われてみれば、ワンピースはサリーに使われていそうな柄だし、まとめ髪もインド女性っぽい感じがする。
「行こうか」
「うん!」
僕が若葉ちゃんの手を取り、指を絡めると、若葉ちゃんはとても嬉しそうな顔で僕を見て、きゅっと握り返してくれた。
「イラッシャイマセ」
「こんにちは」
扉を開けると、出迎えてくれたのは、向井と来た時に配膳してくれた女性だった。
「カワイイオジョウサン! コイビト?」
「恋人。ビリヤニがとてもおいしかったから、ぜひ彼女にも食べてもらいたくて」
ちらりと若葉ちゃんを見ると、真っ赤になって照れてる。可愛い。
案内された席に着くと、若葉ちゃんは興奮気味に言う。
「ビリヤニ! 食べたことない! すっごく食べてみたかったの! 楽しみ!」
「それはよかった」
「……あとね」
「うん、何?」
若葉ちゃんが少し下を向いて黙り込んでしまったので、待つ。
若葉ちゃんは再び顔を上げると、小さく口を開いて、言った。
「恋人って紹介されて……嬉しかった」
「恋人だよ。自慢の」
僕が間髪入れずそう返すと、若葉ちゃんは真っ赤になってまた下を向いてしまった。あまりにもわかりやすく照れてくれるから、思わず笑ってしまう。
想いを簡単に口にするのは安っぽいんだろうし、僕は薄っぺらい男なんだろう。でも、そんなことはどうでもいいさ。若葉ちゃんが喜んでくれることの方が、ずっとずっと大事だ。
バレンタインのお返しを考える暇も買いに行く暇もなく困っていたら、例のインド料理屋にすごく行きたいと若葉ちゃんが言ってくれたので、ごちそうすることでお返しがわりということになったのだ。提案してもらえて、とても助かった。
「新くん!」
若葉ちゃんは僕を見ると嬉しそうに駆けてきた。大きめの花がいくつも描かれた橙色のワンピースに、金のイヤリングとネックレスが映えていて、とても可愛い。
「今日も華やかで可愛い」
僕の言葉に若葉ちゃんはくるくる回って全体を見せてくれた。可愛い。
「ありがとう! ホワイトデーだから白い服にしようかなとも思ったんだけど、クリスマスも白だったし、せっかくインド料理屋さんに行くんだから、ちょっとインドっぽい格好がしたくて!」
なるほど。言われてみれば、ワンピースはサリーに使われていそうな柄だし、まとめ髪もインド女性っぽい感じがする。
「行こうか」
「うん!」
僕が若葉ちゃんの手を取り、指を絡めると、若葉ちゃんはとても嬉しそうな顔で僕を見て、きゅっと握り返してくれた。
「イラッシャイマセ」
「こんにちは」
扉を開けると、出迎えてくれたのは、向井と来た時に配膳してくれた女性だった。
「カワイイオジョウサン! コイビト?」
「恋人。ビリヤニがとてもおいしかったから、ぜひ彼女にも食べてもらいたくて」
ちらりと若葉ちゃんを見ると、真っ赤になって照れてる。可愛い。
案内された席に着くと、若葉ちゃんは興奮気味に言う。
「ビリヤニ! 食べたことない! すっごく食べてみたかったの! 楽しみ!」
「それはよかった」
「……あとね」
「うん、何?」
若葉ちゃんが少し下を向いて黙り込んでしまったので、待つ。
若葉ちゃんは再び顔を上げると、小さく口を開いて、言った。
「恋人って紹介されて……嬉しかった」
「恋人だよ。自慢の」
僕が間髪入れずそう返すと、若葉ちゃんは真っ赤になってまた下を向いてしまった。あまりにもわかりやすく照れてくれるから、思わず笑ってしまう。
想いを簡単に口にするのは安っぽいんだろうし、僕は薄っぺらい男なんだろう。でも、そんなことはどうでもいいさ。若葉ちゃんが喜んでくれることの方が、ずっとずっと大事だ。
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