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第四章 文化祭
23.
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結局、僕は肋骨が二本折れていて、二週間の入院が決まった。血液検査の数値が悪く、過労と軽い栄養失調の判断が下されたらしい。心配された頭部の衝撃は脳震盪ですんだようだった。
僕が怪我を負わせた三人は、一人は骨にヒビが入り、一人が打撲傷で、後はかすり傷だった。僕が一番重症だ。状況と物証からも正当防衛が認められ、僕が加害者になることはなかった。
ただ母校の最大のイベントに泥をぬった罰として、入院中の僕に与えられたのは一週間の停学処分と役員の身分の剥奪だった。
生徒会の会規から大体の予測はついていたため、僕は小さく肩をすくめて教師の引導をやりすごした。だが当然顔を見せるべき担任の真下が現れず、内心僕は首をかしげた。
「真下、多分懲戒免職になるだろうって」
僕の疑問に答えたのは、病室でひまをもてあましていた僕に会いに来た新保だった。いつになく神妙な表情で、見舞い用のスナック菓子が入った袋を僕に渡す。正直病院の食事は味気なくて、新保の心遣いがありがたかった。
四人部屋の僕の病室は、僕のベッドのななめ向かいに大学生がいるだけで、今は談話室に行っていた。あまり人に聞かせたくない話なので、これは好都合だった。
小さないすに腰を下ろすと新保は学内の様子を語った。
「お前も知ってるだろうが、うちの部長、今年は外部のカメラマンの指導を受けて写真展に応募したんだ。ひまになったんだか知らないが、真下のやつ校内で盗撮してたのがバレてさ。よりによって文化祭の日に他校の女子を盗撮してた。今校内はえらいさわぎで一組は授業どころじゃないぜ。委員長と担任が両方いないんだもんな。……大西の件もあるし」
僕は思わず天井を見上げた。多分大丈夫だとは思うが、あいつ余計なこと言ってないだろうな。
「お前が言ってた盗撮アプリ、結構キツい内容な。あの大人しい真下がまさかあんなことしてたなんて」
新保がぽつりと漏らしたつぶやきに僕は苦笑して言った。
「誰だって裏と表があるさ」
今の僕ほどこれを伝えるのに適した人間はいないだろう。
「それで? 部長は何か賞を取ったのか。もう結果は出てるんだろ?」
新保がどこか暗い顔でうなずく。
「特別賞を受賞したって」
「そうか。おめでとう」
僕が告げると、新保はわずかにうつむいて膝に乗せた拳を握りしめた。
僕が怪我を負わせた三人は、一人は骨にヒビが入り、一人が打撲傷で、後はかすり傷だった。僕が一番重症だ。状況と物証からも正当防衛が認められ、僕が加害者になることはなかった。
ただ母校の最大のイベントに泥をぬった罰として、入院中の僕に与えられたのは一週間の停学処分と役員の身分の剥奪だった。
生徒会の会規から大体の予測はついていたため、僕は小さく肩をすくめて教師の引導をやりすごした。だが当然顔を見せるべき担任の真下が現れず、内心僕は首をかしげた。
「真下、多分懲戒免職になるだろうって」
僕の疑問に答えたのは、病室でひまをもてあましていた僕に会いに来た新保だった。いつになく神妙な表情で、見舞い用のスナック菓子が入った袋を僕に渡す。正直病院の食事は味気なくて、新保の心遣いがありがたかった。
四人部屋の僕の病室は、僕のベッドのななめ向かいに大学生がいるだけで、今は談話室に行っていた。あまり人に聞かせたくない話なので、これは好都合だった。
小さないすに腰を下ろすと新保は学内の様子を語った。
「お前も知ってるだろうが、うちの部長、今年は外部のカメラマンの指導を受けて写真展に応募したんだ。ひまになったんだか知らないが、真下のやつ校内で盗撮してたのがバレてさ。よりによって文化祭の日に他校の女子を盗撮してた。今校内はえらいさわぎで一組は授業どころじゃないぜ。委員長と担任が両方いないんだもんな。……大西の件もあるし」
僕は思わず天井を見上げた。多分大丈夫だとは思うが、あいつ余計なこと言ってないだろうな。
「お前が言ってた盗撮アプリ、結構キツい内容な。あの大人しい真下がまさかあんなことしてたなんて」
新保がぽつりと漏らしたつぶやきに僕は苦笑して言った。
「誰だって裏と表があるさ」
今の僕ほどこれを伝えるのに適した人間はいないだろう。
「それで? 部長は何か賞を取ったのか。もう結果は出てるんだろ?」
新保がどこか暗い顔でうなずく。
「特別賞を受賞したって」
「そうか。おめでとう」
僕が告げると、新保はわずかにうつむいて膝に乗せた拳を握りしめた。
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