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一日目 ー2
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町には、より多くの見慣れない生き物……種族がいた。もちろん人間がいちばん多く見かけられたけど、ヘスカンのような竜人や、ナイアラみたいな獣耳の種族も多いようだ。
カイルの種族は少ないのか、彼以外には見かけなかった。やたらと声を掛けられていたのは、私を抱えて目立っていたからだろう。イリヴァーラのような黒妖精もあまりいないようだ。
そして町に入ってそれほどかからずに、たぶん宿屋か旅館か、そんな雰囲気の店に連れ込まれた。部屋に辿り着いたところでようやく私は降ろされて、一息つく。ずっと抱えられていたせいか少し動くだけで関節がぽきぽきと鳴り、身体はすっかり固まっていた。思いっきり伸びをして、あちこちぐるぐると動かして、床に立ち上がって膝の曲げ伸ばしをして……と、身体を動かす間、何が楽しいのか知らないが、カイルはずっとわたしを眺めている。言葉が通じるなら、何でそんなに見ているのかと聞いてみたかった。
一通りの運動が終わった後、私が下ろされてからほんの三十分もしないくらいだろうか、コンコンとノックの音がして、お湯を入れたたらいを持ったヘスカンとイリヴァーラが入って来た。
ヘスカンはたらいを置いてすぐに出てしまう。イリヴァーラは何かカイルに話しかけているが……何やら拒否しているようすのカイルに指を突き付け厳しい調子で追及している風だ。
なんだろうと呆気に取られて眺めていると、そのうちカイルはうなだれて部屋を出ていった。
イリヴァーラはそんな彼の後姿に呆れたように肩を竦めて首を振った後、私へと向き直る。身振りで説明しているのは……湯で身体をきれいにしてこれに着替えるように、ということだろう。
なんとなく頷いて、渡された布とたらいのお湯で身ぎれいにしてから、渡された服を着る。
下着の形は違うし、ボタンやら紐やらもたくさんあって、自分の知る服とはだいぶ勝手が違っていた。どうにももたもたとしていると、イリヴァーラが見かねてか手伝ってくれる。
ようやく一通り服を着ると、今度は硬そうな革のブーツを渡されて……こんなの、サイズを合わせなきゃ履けないんじゃないだろうかと思いつつも足を突っ込んでみたら不思議とぴったりで、履き心地も悪くなかった。
そして、ようやくイリヴァーラがまた私に魔法をかける。
「時間を節約したいから、身支度が整うのを待ってたの。この魔法、日に何度も使えないし、時間もそんなにもたないのよ。で、宿に落ち着いたことだし、少しは考える余裕もできただろうから、お互いのことについても話をしましょう」
彼女はいっきにそこまで言うと、扉に向かって「カイル、もういいわよ」と声を掛けた。たちまちカイルが入ってくる……その彼のようすが、かつて実家で飼っていた犬が駆け寄ってくるさまを思い出させて、なんだかおかしかった。
「たぶん、気になってるだろうから、最初に言っておくわ」
宿の食堂の一角に座り、全員に茶が行きわたった後、イリヴァーラが切り出した。
「あなたが次元をまたいでここに来たなら、帰る方法はあるわ」
「帰るなんて!」
思わず声を上げたカイルをじろりと見て、彼女は続ける。
「ただ、そのためには、あなたの出身世界がどこかを特定しなきゃいけないの。
魔法での次元渡りはそれほど難しくはないんだけど、行先に合わせた同調具を用意する必要があるのよ」
「はあ……」
なんとなくぴんと来なくて、よくわかったようなわからなかったような返事を返してしまうが、どこでもドアのようにはいかないということだけはわかる。
「まあ、あなたをこの世界に連れてきたのが正義と騎士の神なら、神に聞ければ早いでしょうね」
「ええと……神に聞くって、どうやってですか? 神様ってどこかにいるの?」
どうにもわからなくて質問すると、なぜだか全員が驚愕の表情を浮かべていた。
「ええ、そうね……カイルが聖騎士の力を振るえるのは、神からその代理として力を与えられてるからだし、ヘスカンの神官としての魔法も、神が降ろしてくれたものよ。
神がいなかったら、全部消えてしまうわ」
それに、とイリヴァーラはちらりとカイルを見やって、続ける。
「カイルは神のおわす上方世界の住民の血を引いてるの。直接姿を見たことはなくても、カイルがいることで、神がたしかにいると証明されてるわ」
「……まさかとは思うけど、カイルの翼は天使の翼?」
驚いてカイルを見れば、彼は嬉しそうに笑って頷いた。
「そう。僕の父十天国界の中層にいる天使のひとりなんだ」
……ファンタジーすぎて頭が付いていきません。なんなのこの世界。
「まあ、だから、時間はかかるかもしれないけれど、あなたが帰ることはできると思うわ」
イリヴァーラが、まるで大した事でもないようにこともなげに言うのだから、おそらく本当に帰れるのだろう。私は少しだけほっとした。
「それと、次はカイルが見たっていう“神託”ね」
カイルが頷き、改めて自分が見たという“神託”の光景を語る。
“神託”と言われて正直胡散臭いものとしか思えなかったのだけど、語られた光景はなぜだかとても恐ろしいと感じられた。なぜだかわからないけれど、これは確かに起こりうることなんだという確信が、私の中に存在した。
「“神託”を正しく読み解くのは、位の高い神官でも難しい」
ヘスカンが呟くように言うと、カイルも頷いた。
「神の考えていることを正確に推し量ることは、定命のものにはいささか無理のあることだ。だから、我々は、できるだけ多くの情報を集め、考え続けなくてはならないのだ」
厳かに言うヘスカンを押しのけて、にこにこと笑いながらナイアラが割って入る。
「つまりぃ、いくらここで額突合せて考えても、無理ってことよお。まずは“深淵の都”でえ、お偉い神官様に高名な魔術師様からあ、お話聞かないとねえ」
「そういうこと。ただ、ひとつだけ私にもわかることはあるわ」
イリヴァーラに、全員が注目する。
「ふたつの月が欠けるって光景……蝕のことだと思うの」
「触?」
「そう。普通はどちらか片方の月が欠けるだけなんだけど、極稀にふたつとも同時に欠けることがあって、魔術的に特別な日でもあるわ。その日でないと働かない高位魔術もあるのよ」
「……その、触の日の暗示なのか?」
「可能性は高いというより、間違いなくそうよ。いつが触なのかは改めて調べないといけないけれど、そう遠くないことは間違いないわね」
イリヴァーラとカイルは、少し難しい顔でしばし黙り込む。それから、気を取り直したように顔を上げた。
「あと最後にもうひとつ。言葉の問題よ」
私はこくこくとすごい勢いで頷いた。
言葉がわからないのって本当につらいと、今日のほんの数時間だけで思い知ったのだ。
「さすがにね、今かけている通訳の魔術をずっとかけっぱなしは無理なのよ。一応、私もヘスカンも使える魔術だけど……この魔法、結構高位の魔法なの」
「高位……難しいってことですか?」
「そう。だから、そうそう日に何度も使えるほどの余裕はないの。
都まで旅をするなら、通訳のために魔法の力を消耗するわけにはいかないわ。ここから都まで二日程度だけど、それでも街道には賊だって魔物だって出るんだし。
ヘスカンは神官の魔法が使えるから、通訳よりも非常時のために魔法を取っておいてほしいしね」
「はあ」
「だから、明日からは、通訳の魔法の代わりにあなたが聞き取りだけできるようになる魔法だけを掛けることにするわね。これは初歩に近い魔法で、それほど負担にはならないから」
聞き取れるだけでもありがたいので、私は一も二もなく頷く。
「あと……そうね。同じ魔法をカイルにもかけておくから、もし何かどうしても言いたいことがあったら、カイルを通してちょうだい」
私はもう一度大きく頷きながらカイルへ目を向けると、彼も満足げに頷いていた。
「では、これからよろしく、ルカ」
にっこり笑って差し出されたカイルの大きな手を、私はしっかりと握る。
どうやら本気で夢ではない異世界に、私は来てしまったらしい。
カイルの種族は少ないのか、彼以外には見かけなかった。やたらと声を掛けられていたのは、私を抱えて目立っていたからだろう。イリヴァーラのような黒妖精もあまりいないようだ。
そして町に入ってそれほどかからずに、たぶん宿屋か旅館か、そんな雰囲気の店に連れ込まれた。部屋に辿り着いたところでようやく私は降ろされて、一息つく。ずっと抱えられていたせいか少し動くだけで関節がぽきぽきと鳴り、身体はすっかり固まっていた。思いっきり伸びをして、あちこちぐるぐると動かして、床に立ち上がって膝の曲げ伸ばしをして……と、身体を動かす間、何が楽しいのか知らないが、カイルはずっとわたしを眺めている。言葉が通じるなら、何でそんなに見ているのかと聞いてみたかった。
一通りの運動が終わった後、私が下ろされてからほんの三十分もしないくらいだろうか、コンコンとノックの音がして、お湯を入れたたらいを持ったヘスカンとイリヴァーラが入って来た。
ヘスカンはたらいを置いてすぐに出てしまう。イリヴァーラは何かカイルに話しかけているが……何やら拒否しているようすのカイルに指を突き付け厳しい調子で追及している風だ。
なんだろうと呆気に取られて眺めていると、そのうちカイルはうなだれて部屋を出ていった。
イリヴァーラはそんな彼の後姿に呆れたように肩を竦めて首を振った後、私へと向き直る。身振りで説明しているのは……湯で身体をきれいにしてこれに着替えるように、ということだろう。
なんとなく頷いて、渡された布とたらいのお湯で身ぎれいにしてから、渡された服を着る。
下着の形は違うし、ボタンやら紐やらもたくさんあって、自分の知る服とはだいぶ勝手が違っていた。どうにももたもたとしていると、イリヴァーラが見かねてか手伝ってくれる。
ようやく一通り服を着ると、今度は硬そうな革のブーツを渡されて……こんなの、サイズを合わせなきゃ履けないんじゃないだろうかと思いつつも足を突っ込んでみたら不思議とぴったりで、履き心地も悪くなかった。
そして、ようやくイリヴァーラがまた私に魔法をかける。
「時間を節約したいから、身支度が整うのを待ってたの。この魔法、日に何度も使えないし、時間もそんなにもたないのよ。で、宿に落ち着いたことだし、少しは考える余裕もできただろうから、お互いのことについても話をしましょう」
彼女はいっきにそこまで言うと、扉に向かって「カイル、もういいわよ」と声を掛けた。たちまちカイルが入ってくる……その彼のようすが、かつて実家で飼っていた犬が駆け寄ってくるさまを思い出させて、なんだかおかしかった。
「たぶん、気になってるだろうから、最初に言っておくわ」
宿の食堂の一角に座り、全員に茶が行きわたった後、イリヴァーラが切り出した。
「あなたが次元をまたいでここに来たなら、帰る方法はあるわ」
「帰るなんて!」
思わず声を上げたカイルをじろりと見て、彼女は続ける。
「ただ、そのためには、あなたの出身世界がどこかを特定しなきゃいけないの。
魔法での次元渡りはそれほど難しくはないんだけど、行先に合わせた同調具を用意する必要があるのよ」
「はあ……」
なんとなくぴんと来なくて、よくわかったようなわからなかったような返事を返してしまうが、どこでもドアのようにはいかないということだけはわかる。
「まあ、あなたをこの世界に連れてきたのが正義と騎士の神なら、神に聞ければ早いでしょうね」
「ええと……神に聞くって、どうやってですか? 神様ってどこかにいるの?」
どうにもわからなくて質問すると、なぜだか全員が驚愕の表情を浮かべていた。
「ええ、そうね……カイルが聖騎士の力を振るえるのは、神からその代理として力を与えられてるからだし、ヘスカンの神官としての魔法も、神が降ろしてくれたものよ。
神がいなかったら、全部消えてしまうわ」
それに、とイリヴァーラはちらりとカイルを見やって、続ける。
「カイルは神のおわす上方世界の住民の血を引いてるの。直接姿を見たことはなくても、カイルがいることで、神がたしかにいると証明されてるわ」
「……まさかとは思うけど、カイルの翼は天使の翼?」
驚いてカイルを見れば、彼は嬉しそうに笑って頷いた。
「そう。僕の父十天国界の中層にいる天使のひとりなんだ」
……ファンタジーすぎて頭が付いていきません。なんなのこの世界。
「まあ、だから、時間はかかるかもしれないけれど、あなたが帰ることはできると思うわ」
イリヴァーラが、まるで大した事でもないようにこともなげに言うのだから、おそらく本当に帰れるのだろう。私は少しだけほっとした。
「それと、次はカイルが見たっていう“神託”ね」
カイルが頷き、改めて自分が見たという“神託”の光景を語る。
“神託”と言われて正直胡散臭いものとしか思えなかったのだけど、語られた光景はなぜだかとても恐ろしいと感じられた。なぜだかわからないけれど、これは確かに起こりうることなんだという確信が、私の中に存在した。
「“神託”を正しく読み解くのは、位の高い神官でも難しい」
ヘスカンが呟くように言うと、カイルも頷いた。
「神の考えていることを正確に推し量ることは、定命のものにはいささか無理のあることだ。だから、我々は、できるだけ多くの情報を集め、考え続けなくてはならないのだ」
厳かに言うヘスカンを押しのけて、にこにこと笑いながらナイアラが割って入る。
「つまりぃ、いくらここで額突合せて考えても、無理ってことよお。まずは“深淵の都”でえ、お偉い神官様に高名な魔術師様からあ、お話聞かないとねえ」
「そういうこと。ただ、ひとつだけ私にもわかることはあるわ」
イリヴァーラに、全員が注目する。
「ふたつの月が欠けるって光景……蝕のことだと思うの」
「触?」
「そう。普通はどちらか片方の月が欠けるだけなんだけど、極稀にふたつとも同時に欠けることがあって、魔術的に特別な日でもあるわ。その日でないと働かない高位魔術もあるのよ」
「……その、触の日の暗示なのか?」
「可能性は高いというより、間違いなくそうよ。いつが触なのかは改めて調べないといけないけれど、そう遠くないことは間違いないわね」
イリヴァーラとカイルは、少し難しい顔でしばし黙り込む。それから、気を取り直したように顔を上げた。
「あと最後にもうひとつ。言葉の問題よ」
私はこくこくとすごい勢いで頷いた。
言葉がわからないのって本当につらいと、今日のほんの数時間だけで思い知ったのだ。
「さすがにね、今かけている通訳の魔術をずっとかけっぱなしは無理なのよ。一応、私もヘスカンも使える魔術だけど……この魔法、結構高位の魔法なの」
「高位……難しいってことですか?」
「そう。だから、そうそう日に何度も使えるほどの余裕はないの。
都まで旅をするなら、通訳のために魔法の力を消耗するわけにはいかないわ。ここから都まで二日程度だけど、それでも街道には賊だって魔物だって出るんだし。
ヘスカンは神官の魔法が使えるから、通訳よりも非常時のために魔法を取っておいてほしいしね」
「はあ」
「だから、明日からは、通訳の魔法の代わりにあなたが聞き取りだけできるようになる魔法だけを掛けることにするわね。これは初歩に近い魔法で、それほど負担にはならないから」
聞き取れるだけでもありがたいので、私は一も二もなく頷く。
「あと……そうね。同じ魔法をカイルにもかけておくから、もし何かどうしても言いたいことがあったら、カイルを通してちょうだい」
私はもう一度大きく頷きながらカイルへ目を向けると、彼も満足げに頷いていた。
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