クソイケメンな吟遊詩人にはじめてを奪われて無職になったので、全力で追いかけて責任取らせます

ぎんげつ

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鹿角の町

いつもと違う

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 首を舐めながら、ミーケルの部屋着を手探りで緩めた。いつもとは逆の立ち場に、エルヴィラの頭がくらくらする。

 こんなの始めてだ。

 ミーケルの腰帯を解きながら、エルヴィラはこれ以上ないくらいまで昂ぶっていた。
 衣服の前をはだけたミーケルの身体を掌で撫で、その後を追うように舌を滑らせる。
 いつもミーケルはどうしていたっけ?
 思い返しながら舌を這わせ、はあ、と息を漏らす。

「――ふ」

 ミーケルも吐息を漏らす。
 一緒に漏れ出た微かな声に、エルヴィラの身体がますます熱くなる。
 ミーケルの手が、エルヴィラの身体の線をなぞる。
 エルヴィラも、息を荒げながらミーケルの身体を舐め回す。
 動物みたいだ。

「エルヴィラ……ヴィー」

 ミーケルが吐息混じりに呼んで、頭を引き寄せる。

「キス、しよう」

 上半身を起こすように片肘をついて、ミーケルの顔が近づいてくる。
 何度か唇をつついて啄んでから、しっかりと深く合わせた。エルヴィラは、うっとりと舌を絡めつつ、ミーケルは睫毛が長いなと考える。
 しゅる、と軽い音がして、エルヴィラの服の紐が解かれた。
 続けて、着ていたものも全部が剥かれていって、エルヴィラははまた吐息を零す。確かめるように身体のあちこちに触られて、ぴくぴくと反応してしまう。

「準備なんていらないくらい、濡れてるね」
「う……だって」

 ミーケルの手に尻尾の根元を握り締められて、エルヴィラは思わず「あ」と声を上げた。ミーケルは、さらにその奥の秘裂まで、ぬるりと指でなぞった。
 滴るくらいに潤ったそこから、くちゅ、と音が立つ。ゆるゆると脚の間を行き来する指を追って、エルヴィラの腰が動いてしまう。

 ミーケルは笑って、また唇を重ねた。
 じっくりと舌を嬲りながら秘裂の中へと指を潜り込ませてやわやわと中を擦りながら、「自分で入れてごらん」と勃ち上がったものの上に誘導する。

「う、あ……」
「今日は自分で、できるね?」

 入り口をぬるりと掠める熱さに、ぶるりと背が震える。
 エルヴィラは陶然とした表情で、小さく頷いた。

 身体を起こし、忙しなく息を吐きながら膝立ちになり、動かないように片手で固定してゆっくりと腰を下ろす。
 何度か滑って逃げてしまったそれを今度こそ逃げないようにあてがって、つぷりと呑み込ませる。

「あ……ミケ……」
「……ん?」

 深くなるのに合わせて背骨を這い上がる、脳天まで痺れるような感覚に目が眩みそうだ。ふと、眼下に横たわるミーケルへ目を落とせば、蕩けるように微笑んでじっとエルヴィラを見つめていた。
 そのミーケルの目に、焼けつくような欲望が浮かんでいるように感じて、背骨を這い登る感覚が強くなる。少し体勢が違うだけなのに、いつものいちゃいちゃとは全然違うものになっている。
 いつもと違う、頭の芯まで煮えてしまうほどの強い熱を感じて、エルヴィラはますます息が荒くなる。

 身体が熱い。
 ミーケルから目が外せない。

「あ……ミケ……」

 目を眇めて屈むようにして、ミーケルの唇を吸う。ん、ん、と喉の奥を鳴らし、くちゅくちゅと音を立てて舌を絡ませる。
 もっとたくさんの刺激を求めて、ゆらゆらと腰が動く。
 唇を離して、ミーケルがうっとり笑むように囁く。

「ちゃんと、動いてごらん」
「ん、じ、自分で?」
「そう。自分で。ヴィーが気持ちいいように」

 こくりと頷いて、ゆっくりと腰を持ち上げて落とすと、ちゅぷ、と湿った音が立った。

 ミーケルは、いつもどう動いて気持ちよくしてくれたっけ。
 思い出しながら、それをなぞるように動いてみる。ミーケルがエルヴィラの腰に手を添わせ、時折きゅっと尻尾を掴む。
 忙しなく息を吐きつつ、エルヴィラはどうにか動かし続ける。
 そうやって動いているうちに、だんだんとコツを掴んだのか、うまくいいところに当てられるようになった。

「う……あ……、ミケ、なんか……なんか、いつもと、違う、っ、あ」
「何が、違ってるの」

 腰を擦り合わせながらエルヴィラがしがみつく。

「あ……止まんない……ミケ、動くの、止まんない……あ、あ」

 ヴィー、と囁かれて、またぞくっと背骨を何かが走る。ミーケルの脚に巻きついた尻尾の先が、ぴたぴたと小さく肌を叩く。

「そんなに、いいの?」
「っ、う……」

 必死に頷くエルヴィラに問う、ミーケルの声も少し上擦っているようだ。どうしちゃったんだろう。

「う、う、……っ、ふ、あ……」

 譫言のようにミケ、ミケ、と呼びながら、エルヴィラはさらに腰を押し付ける。中までがうねって、もっともっとと強請ねだるようだ。

「っ、く、ヴィー……」

 ミーケルの息も荒い。下から突き上げるとたちまちぎゅうぎゅうに締め付けられて、持っていかれそうだ。

「う、ミケ……っ、は、あっ」
「ヴィー、っく」

 腰を押さえてさらに突き上げる。きつくきつく締める中を穿つと、エルヴィラが身を捩らせて悶える。
 上半身を起こし、抱き締め、押し付けるように中を抉るとまたぎゅうと締まる。

「っ、ヴィー、後ろ、向いてごらん」

 膝の上で繋がったままくるんと背を向けさせられ前に倒されて、うつ伏せるように肘掛に手を置く。

 まるで獣のように後ろから穿たれて、エルヴィラは悶える。
 犬猫みたいだけど、奥の深いところまでミーケルを感じる。いつもは当たらない場所にまで当たって、気持ちよすぎるくらいに感じてしまう。

「んっ、ミケ、あっ、も、だめ、ミケ……あああっ」

 行き場を探してゆらゆら揺れていた尻尾を掴まれて、思わず腰が跳ねる。

「あっ、ミケ、尻尾、ぎゅうって、掴むと……あっ、ああん……っ」
「尻尾、そんなに、気持ちいいの?」

 腰を穿たれながらぐいと引っ張られる。ぞくぞくと引っ切り無しに背骨を駆け上がる感覚が、嫌が応にもエルヴィラを押し上げていく。

「あ、あ、やあ……ミケ、だめ、っ……うあ」

 腕は身体を支えられなくなって、もう長椅子の座面にぺたりと伏せてしまっている。瘧(おこり)でも起こしたかのようにびくびくと背が震え、頭がちかちかする。

「ヴィー、エルヴィラ」
「あ……ミケ、ミケ……」

 ミーケルはエルヴィラの身体を抱き上げ、耳元に口を寄せる。

「ヴィー、“オスヴァルト・ストーミアン”」
「あ……み、ミケ?」
「覚えておいて。僕のことだよ」
「ん、っあ」

 オスヴァルト?
 問い返す間もなく、ひときわ強く穿たれて、尻尾を齧るように噛まれて、エルヴィラの頭の中でパンと光が爆ぜたような気がした。
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