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23.カルロスとの見合い
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元のマリアンヌにそっくりで派手で遊び好きのお母様とは転生してからこれまでほとんど会うことはなかった。
その日、夕食の席にいる彼女の姿を見て、私は珍しいなぁと思ったほどだ。
メインのお料理が運ばれてきた後、お父様とお母様は何やら目くばせをして、微笑み合っていた。
「マリアンヌも一度くらいカルロスという子の名前を聞いたことがあるだろう?」
カルロス! バッドエンドの人じゃん!
関わってはいけない相手だ。私の中でけたたましく警報が鳴り響いた。
「その顔は知っているって顔ね。うちと同じく貴族の出で、実業家としてもとても成功なさっているラピスラズリ家のご長男よ」
お母様は赤ワインを飲んでにっこりと笑った。
「も、もしかして縁談? 私そういうものには興味がないわ」
そうかい、やっぱり嫌かい、と安堵したように笑ったお父様が口を開くよりも先にお母様が、
「縁談だなんてそんなに硬く考えなくていいのよ。お茶会のつもりでとりあえず会ってみたらいいじゃない」
と私を逃がすまいとした。
すでに明日の午後、カルロスとその両親がうちに来る約束をしているという。
「嫌よ。私は会わないから」
と言い、私は出される食事をどんどん平らげた。
涼しい顔で配膳するスチュアートに、助けて、と視線を送ってみるが無視されてしまう。
「いいじゃない、一度会うだけよ。その子、すごくイケメンなんですってね」
とお母様はニヤニヤしていた。
「いやだ、会わないったら会わないわ!」
刺されて殺されるバッドエンドが私は怖くて仕方がなかった。
「ごちそうさま」
と席を立つと、スチュアートがすかさず言った。
「お嬢様、デザートがございますよ」
「あなたが後で部屋まで持ってきなさい」
私が食堂を出て自分の部屋へ向かう時、
「あらまあ、あの子ったら相変わらずわがままね」
「スチュアート、明日までにマリアンヌを説得しておいてくれ」
「かしこまりました」
という三人の会話が聞こえた。
***
「明日は隣の町まで行って、お買い物してお芝居でも見ましょう。車を出してちょうだい」
スチュアートが部屋まで持ってきてくれた果物のタルトのようなデザートを食べながら私は言った。
「お出かけは明後日にいたしましょう。明日はラピスラズリ家の方々がいらっしゃる日でございます」
彼はハーブティーのお代わりをカップへ注いでくれたが、私はソファーへ寝そべった。
「お見合いをボイコットしたくて言っているのに」
「そんなにお嫌なのは、過去にカルロス様と何かあったのでございますか?」
「ううん、違うわ。むしろ興味ないのよ」
まさかカルロスの方から近づいてくるなんて。この世界は私をどうにかしてバッドエンドに向かわせようとしているらしい。
「ボイコットなどされては困ります。旦那様と奥様はお嬢様のために……」
「あなたもしつこいわね、嫌なものは嫌なのっ!」
「しかし……」
最近はスチュアートもだいぶ従順になって来たと思っていたのに、お父様に言いつけを優先し彼が私を説得しようとしていることにがっかりした。
「家令になりたいものだから、お父様の言うことを聞くのに必死ね。確かにこの件で私を説得できれば大手柄だけど」
意地悪く片方の口角を上げて言ってやると、彼はムッとして眉をひそめた。
ああ、悔しそうないい顔。彼をもっと構いたい。調教したい。快楽と羞恥で泣かせたい。そう思ったら私の頭にいい案が浮かんだ。
「まあ、出てあげてもいいわよ。明日のカルロスとのお見合いに」
「本当でございますか」
彼はほっとした声を出した。
「安心するのは早いわよ。出てあげるには条件があるわ」
ソファーから体を起こして、私は彼と視線を絡ませた。
私の意地悪な微笑みに彼の顔色が一気に曇った。
その日、夕食の席にいる彼女の姿を見て、私は珍しいなぁと思ったほどだ。
メインのお料理が運ばれてきた後、お父様とお母様は何やら目くばせをして、微笑み合っていた。
「マリアンヌも一度くらいカルロスという子の名前を聞いたことがあるだろう?」
カルロス! バッドエンドの人じゃん!
関わってはいけない相手だ。私の中でけたたましく警報が鳴り響いた。
「その顔は知っているって顔ね。うちと同じく貴族の出で、実業家としてもとても成功なさっているラピスラズリ家のご長男よ」
お母様は赤ワインを飲んでにっこりと笑った。
「も、もしかして縁談? 私そういうものには興味がないわ」
そうかい、やっぱり嫌かい、と安堵したように笑ったお父様が口を開くよりも先にお母様が、
「縁談だなんてそんなに硬く考えなくていいのよ。お茶会のつもりでとりあえず会ってみたらいいじゃない」
と私を逃がすまいとした。
すでに明日の午後、カルロスとその両親がうちに来る約束をしているという。
「嫌よ。私は会わないから」
と言い、私は出される食事をどんどん平らげた。
涼しい顔で配膳するスチュアートに、助けて、と視線を送ってみるが無視されてしまう。
「いいじゃない、一度会うだけよ。その子、すごくイケメンなんですってね」
とお母様はニヤニヤしていた。
「いやだ、会わないったら会わないわ!」
刺されて殺されるバッドエンドが私は怖くて仕方がなかった。
「ごちそうさま」
と席を立つと、スチュアートがすかさず言った。
「お嬢様、デザートがございますよ」
「あなたが後で部屋まで持ってきなさい」
私が食堂を出て自分の部屋へ向かう時、
「あらまあ、あの子ったら相変わらずわがままね」
「スチュアート、明日までにマリアンヌを説得しておいてくれ」
「かしこまりました」
という三人の会話が聞こえた。
***
「明日は隣の町まで行って、お買い物してお芝居でも見ましょう。車を出してちょうだい」
スチュアートが部屋まで持ってきてくれた果物のタルトのようなデザートを食べながら私は言った。
「お出かけは明後日にいたしましょう。明日はラピスラズリ家の方々がいらっしゃる日でございます」
彼はハーブティーのお代わりをカップへ注いでくれたが、私はソファーへ寝そべった。
「お見合いをボイコットしたくて言っているのに」
「そんなにお嫌なのは、過去にカルロス様と何かあったのでございますか?」
「ううん、違うわ。むしろ興味ないのよ」
まさかカルロスの方から近づいてくるなんて。この世界は私をどうにかしてバッドエンドに向かわせようとしているらしい。
「ボイコットなどされては困ります。旦那様と奥様はお嬢様のために……」
「あなたもしつこいわね、嫌なものは嫌なのっ!」
「しかし……」
最近はスチュアートもだいぶ従順になって来たと思っていたのに、お父様に言いつけを優先し彼が私を説得しようとしていることにがっかりした。
「家令になりたいものだから、お父様の言うことを聞くのに必死ね。確かにこの件で私を説得できれば大手柄だけど」
意地悪く片方の口角を上げて言ってやると、彼はムッとして眉をひそめた。
ああ、悔しそうないい顔。彼をもっと構いたい。調教したい。快楽と羞恥で泣かせたい。そう思ったら私の頭にいい案が浮かんだ。
「まあ、出てあげてもいいわよ。明日のカルロスとのお見合いに」
「本当でございますか」
彼はほっとした声を出した。
「安心するのは早いわよ。出てあげるには条件があるわ」
ソファーから体を起こして、私は彼と視線を絡ませた。
私の意地悪な微笑みに彼の顔色が一気に曇った。
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