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元S級冒険者教師の恥ずかしい秘密
1.ジェイコブの怒り
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「フランシス先生、大変ですっ!」
放課後、職員室で次の職員会議に使う資料を作っていたら、俺の受け持つクラスの女子生徒二人が息を切らして駆け込んできた。
「そんなに慌ててどうした?」
そう尋ねると彼女たちは夢中で俺に訴えた。
「マシューがジェイコブを怒らせちゃったんです」
「先生、早く来て」
俺はすぐに女の子二人と教室へ向かった。
ジェイコブというのは冒険者学校の俺のクラス一の問題児だ。
力持ちで有名な森で木こりをしている大男の息子で、彼もまたみんなより体が大きく力が強い。
普段は大人しいのだがひとたび怒るとクラスメイトに暴力を振るったり、机で窓を叩き割ったり、手に負えなくなる。
「ジェイコブッ、何をしてる!」
教室に到着したとき、怒り狂ったジェイコブが体の小さなマシューのズボンを強引に脱がせようとしていた。
マシューはそうされまいと必死にズボンを押さえている。
「先生っ……」
俺の顔を見てマシューは助かった……、と目尻に涙を浮かべた。
「こら、もうよせっ」
俺はすぐさまジェイコブの手を掴んでマシューから離させた。
彼の腕力がいくら強いといえど、体格のいい大人の俺には敵わない。
何を隠そう、俺は元S級冒険者であるし。
苛立ちを抑えられない様子のジェイコブに俺は尋ねた。
「ジェイコブ、これは何の騒ぎだ? どうしてマシューのズボンを脱がせようとしていたんだ?」
彼はムッとした顔で答えた。
「だってマシューがっ! 俺が落としたテストの答案をみんなに見せびらかしてバカにしたんだ。だから悔しくって……」
ジェイコブは実技の成績は優秀だが、座学のテストの点数はいつも悪い。
「その答案って今日返したテストの答案か?」
「うん……」
確か30点じゃなかったか? 秀才のマシューは98点だった。
バカにされたくなければもっと勉強しろと言いたいのを堪えて、俺は話を続けた。
「それで、どうしてマシューのズボンを脱がそうとしたんだ?」
「だって……、俺はみんなに悪いテストの点を見られて恥ずかしかったから、仕返しにマシューのズボンを降ろしてみんなにマシューのちんこを見せてやろうと思ったんだ。マシューのちんちんは赤ちゃんみたいに小さいって噂で聞いていたから……」
マシューが顔を真っ赤にすると同時に、クラスの女子がきゃあっ! と悲鳴を上げた。
「こら、女の子もいる前でそんなことを言うなんてデリカシーに欠けるぞ、ジェイコブ。……お前たちはまだ10歳じゃないか。みんなまだ小さくて当たり前だ。くだらないことを考えるな」
周囲の野次馬の中の誰かがぼそっと呟いた。
「ジェイコブのは大人みたいに大きいよ、先生」
俺はその声が聞こえていないようなふりをした。
ジェイコブは腑に落ちない表情でムスッと黙り込んだ。
「マシュー、ジェイコブの答案をわざとみんなに見せたのか?」
「わざとなわけないよっ、床に何か落ちててテストと知らずに拾ったんだ。思わず、うわ、間違いだらけだって言っちゃったのは僕が悪かったけど、そしたらみんなが覗き込んできて、結果的にみんなに見られちゃったんだ」
「じゃあ、マシュー、ジェイコブに謝りなさい」
「ジェイコブ、ごめんなさい。君の答案だとは知らなくて……」
マシューは少しもじもじしながらジェイコブの目を見て謝罪の言葉を口にした。
これで一件落着だろうと、俺は安堵したのに……。
「ふん、先生の前で優等生ぶって、今更謝っても遅いぞマシューっ! 俺だけが恥ずかしい思いをさせられて、これで終わるなんて気に食わない。俺はお前を許さないっ!」
ジェイコブの怒りは収まらない。
それどころか、
「おいおいジェイコブ、マシューはちゃんと謝ってるだろ? いい加減にしないと先生怒るぞ」
とマシューを庇った俺に対し、
「先生っ! さっきからなんでマシューの肩ばかり持つんだよ。そんなのえこひいきだ、……ひどいやっ!」
ジェイコブは怒りの矛先を向けた。
放課後、職員室で次の職員会議に使う資料を作っていたら、俺の受け持つクラスの女子生徒二人が息を切らして駆け込んできた。
「そんなに慌ててどうした?」
そう尋ねると彼女たちは夢中で俺に訴えた。
「マシューがジェイコブを怒らせちゃったんです」
「先生、早く来て」
俺はすぐに女の子二人と教室へ向かった。
ジェイコブというのは冒険者学校の俺のクラス一の問題児だ。
力持ちで有名な森で木こりをしている大男の息子で、彼もまたみんなより体が大きく力が強い。
普段は大人しいのだがひとたび怒るとクラスメイトに暴力を振るったり、机で窓を叩き割ったり、手に負えなくなる。
「ジェイコブッ、何をしてる!」
教室に到着したとき、怒り狂ったジェイコブが体の小さなマシューのズボンを強引に脱がせようとしていた。
マシューはそうされまいと必死にズボンを押さえている。
「先生っ……」
俺の顔を見てマシューは助かった……、と目尻に涙を浮かべた。
「こら、もうよせっ」
俺はすぐさまジェイコブの手を掴んでマシューから離させた。
彼の腕力がいくら強いといえど、体格のいい大人の俺には敵わない。
何を隠そう、俺は元S級冒険者であるし。
苛立ちを抑えられない様子のジェイコブに俺は尋ねた。
「ジェイコブ、これは何の騒ぎだ? どうしてマシューのズボンを脱がせようとしていたんだ?」
彼はムッとした顔で答えた。
「だってマシューがっ! 俺が落としたテストの答案をみんなに見せびらかしてバカにしたんだ。だから悔しくって……」
ジェイコブは実技の成績は優秀だが、座学のテストの点数はいつも悪い。
「その答案って今日返したテストの答案か?」
「うん……」
確か30点じゃなかったか? 秀才のマシューは98点だった。
バカにされたくなければもっと勉強しろと言いたいのを堪えて、俺は話を続けた。
「それで、どうしてマシューのズボンを脱がそうとしたんだ?」
「だって……、俺はみんなに悪いテストの点を見られて恥ずかしかったから、仕返しにマシューのズボンを降ろしてみんなにマシューのちんこを見せてやろうと思ったんだ。マシューのちんちんは赤ちゃんみたいに小さいって噂で聞いていたから……」
マシューが顔を真っ赤にすると同時に、クラスの女子がきゃあっ! と悲鳴を上げた。
「こら、女の子もいる前でそんなことを言うなんてデリカシーに欠けるぞ、ジェイコブ。……お前たちはまだ10歳じゃないか。みんなまだ小さくて当たり前だ。くだらないことを考えるな」
周囲の野次馬の中の誰かがぼそっと呟いた。
「ジェイコブのは大人みたいに大きいよ、先生」
俺はその声が聞こえていないようなふりをした。
ジェイコブは腑に落ちない表情でムスッと黙り込んだ。
「マシュー、ジェイコブの答案をわざとみんなに見せたのか?」
「わざとなわけないよっ、床に何か落ちててテストと知らずに拾ったんだ。思わず、うわ、間違いだらけだって言っちゃったのは僕が悪かったけど、そしたらみんなが覗き込んできて、結果的にみんなに見られちゃったんだ」
「じゃあ、マシュー、ジェイコブに謝りなさい」
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